2010年7月7日 (水) 掲載

◎大野農高、酪農学園大と高大連携

 【北斗】大野農業高校(北澤住人校長、生徒372人)と江別市の酪農学園大学(谷山弘行学長)がこのほど、高大連携の協定に調印した。大農高が行っている実践活動に大学も協力、支援するほか、さまざまな分野での共同研究を展開していく。

 両校は5年ほど前から、教職員間による授業交流や共同研究を実施。これを継続、発展させていくために高大連携の協定を結ぶことにした。

 協定調印式は同大で行い、北澤校長と谷山学長が調印。@互いの教育活動に対する支援A共同研究の実施B既存施設・設備の利用―などを協定事項に盛り込んだ。

 本年度は大農高が道教委の「専門力Upプロジェクト」の指定を受け実施している受精卵移植技術を活用した乳牛改良の実践活動に対し、大学も協力する。2008年度から生活科学科と同大の食料経済史研究室が共同で実施している研究「双方向型食農教育の実践」を継続するほか、新たな取り組みとして、農業科と同大農業会計学研究室が、農畜産経営管理教育の普及過程に関する研究を行う。

 谷山学長は「農業をどう一般社会に普及させていくか考えていきたい」と述べ、北澤校長は「大学と連携することで生徒が農業や学業に対してさらに興味を持ってくれることを期待したい」と話している。(鈴木 潤)



◎江差町長選、田畑、濱谷氏立候補 現職と新人一騎打ち

 【江差】任期満了に伴う江差町長選(11日投開票)が6日告示され、新人で元町議の田畑豊利氏(54)=無所属=と、3選を目指す現職の濱谷一治氏(65)=同=が立候補した(届け出順)。8年ぶりの選挙戦は現職と新人による一騎打ちとなった。

 田畑氏は江差町出身。江差高校電気科卒。会社員などを経て1999年7月の町議選で初当選し1期務めた。有力な支持母体を持たないが、「マチの大学を創ろう」をスローガンに、廃校となった旧道立江差南高を活用した環境系大学の創設を中心に、町長や町議の多選禁止、町長報酬の半減、議員報酬を月額制から日当制とするなどの公約を掲げ、草の根レベルで独自の戦いを展開する。

 濱谷氏は上ノ国町出身。江差高卒。1964年町役場入り。町議会事務局長、福祉保健課長などを経て、2002年7月の町長選で初当選。06年の前回選挙は無投票だった。財政難が続く町財政の立て直し、トヨタ系企業と連携した産業振興を掲げ、強力な後援会組織をはじめ、町職員労組を中心とする自治労など連合系労組の支持を固めながら、現職の強みを生かした選挙戦を展開する。

 5日現在の有権者数は7976人(男性3791人・女性4185人)。期日前投票は7日から10日。午前8時半―午後8時まで町役場住民ギャラリーで行う。11日の投票は、町内9投票所で午前7時から午後8時まで行う。開票は同9時半から町文化会館大ホールで行う。同11時半ごろに当落が判明する見通し。(松浦 純)



◎工事の安全を祈願 北海道新幹線、飯田・稲里両高架橋工事

 【七飯】北海道新幹線新青森駅―新函館駅(仮称)間に建設する飯田、稲里両高架橋工事の合同安全祈願祭が6日、七飯町飯田町にある飯田高架橋工事現場で行われた。工事発注者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構や施工業者、北斗、七飯両市町の関係者約110人が出席し、工事の安全を祈った。

 飯田高架橋は北斗市白川と七飯飯田町にまたがり、全長1900メートル。稲里高架橋は同市稲里に建設され、全長850メートル。ともに工期は2013年2月の完成予定となっている。

 祈願祭は神主の祝詞奏上の後、刈初の儀が行われ、同機構北海道新幹線建設局の名越次郎局長や北斗市の高谷寿峰市長、渡島総合振興局の寺山朗局長、七飯町の中宮安一町長、JR北海道函館支社の幅口堅二支社長が盛砂の草をカマで刈り取った。

 なおらいのあいさつで名越局長は「工事の安全を第一に施工業者と協力しながら予定通りの工期で完成させていきたい」と述べた。(鈴木 潤)


◎ゆうパック遅延問題、函館にも影響じわり

 郵便事業会社が扱う宅配便「ゆうパック」の配達に大幅な遅れが生じている問題は、道南地域にも影響を及ぼしている。ギフトの配送などにゆうパックを利用している函館市内の大型店舗では「お客さまの信用にかかわる問題」と頭を抱えている。

 今回の遅延問題は、7月1日にペリカン便と統合後に発生し、職員の集配作業の不慣れさが原因とみられている。千葉県、埼玉県、大阪府の集配拠点を中心に最大2日程度の遅れが生じ、6日現在も一部に半日程度の遅れが残っている。

 郵便事業会社北海道支社によると、道内間のゆうパックの流通にはトラブルは発生していないが、本州方面とやりとりする場合は現在も影響が出る場合があるという。7月に入ってから同支社へのゆうパックに関する電話による問い合わせは、1日あたり約1000件で、例年の3倍以上に上っているという。

 お中元商戦が本格化している函館市内の大型店舗でも、今回の遅延問題による不安がじわじわと広がっている。

 イトーヨーカドー函館店(美原1)では、商品券など一部ギフトの発送にゆうパックを利用している。同店では「生鮮食料品の発送には(ゆうパックを)使っていないが、今回のような遅延はお客さまに大きな不安を与えてしまう。最大手がこのようなトラブルを起こしたことは、業界全体のイメージダウンにもつながる。二度とこのような事態がないように、原因究明を徹底してほしい」と訴える。

 丸井今井函館店(本町32)も商品券の発送にゆうパックを使っているが「利用者には配送が遅れる可能性があることを事前に伝え、理解してもらっている。今のところ苦情は受けていない」としながらも、「今後も同様のトラブルがあれば、ゆうパックの利用自体を取りやめる可能性もあるかもしれない」と厳しい口調だった。(小川俊之)


◎サンマんな運転に注意! 函水高が街頭啓発で手作りの缶詰配布

 【北斗】函館水産高校(村松裕史校長)は6日、国道227号の北斗市七重浜交番付近で交通安全街頭啓発運動を行った。生徒は自分たち手作りのサケとサンマの缶詰をドライバーに手渡しながら「交通事故を避け(サケ)よう」「散漫(サンマん)な運転はやめよう」と訴えた。

 同校では20年ほど前から毎年この時期に街頭啓発を実施。交通安全を訴えるオリジナルの缶詰が評判を呼び、わざわざ受け取りにくるドライバーもいるという。

 この日は生徒会役員とボランティア部員、野球部メンバーなど約40人が参加。これに北斗市職員や同市交通安全指導員、函館中央署員などが加わり、総勢約100人で交通安全を訴えた。

 缶詰はサケの水煮とサンマのかば焼きをそれぞれ100個ずつ用意。生徒から直接手渡されるとドライバーは「ありがとう」と笑顔で受け取っていた。

 ボランティア部の小島祥会長(3年)は「今年で3度目の参加だが、自分たちの作った缶詰を喜んで受け取ってくれるのがうれしい。交通安全に少しでもつながってくれれば」と気持ちを込める。村松校長は「水産高校の素晴らしい伝統行事として今後も継続していきたい」と話していた。(小川俊之)