2010年8月10日 (火) 掲載

◎華やかに 鮮やかに 姥神大神宮渡御祭開幕

 【江差】道内最古の伝統を誇る姥神大神宮渡御祭が9日に開幕した。10・11の両日には、同神宮のみこし行列に13基の山車が付き従った渡御行列が町内を巡行。沿道では、色鮮やかな時代絵巻≠ェ2日間にわたり繰り広げられる。

 祭礼初日の9日は時折、小雨に見舞われるあいにくの空模様だったが、午前11時過ぎには27・8度の最高気温を観測。うだるような蒸し暑さの中、13基の山車は正午過ぎから同神宮に赴き「魂入れ」の儀式を行った。各町内に戻った山車は優雅な祭ばやしを奏でながら街並みを巡った。

 戦国武将・加藤清正の人形を飾る本町地区の「清正山(せいしょうざん)」は、山車や人形を雨よけのビニールで覆い準備も万端。清正公の家紋を染め抜いた、水色のはんてんに身を包んだ子どもたちが、額に汗を浮かべながら「エンヤ!エンヤ!」と、元気な掛け声を合わせて懸命に山車を引いていた。

 10日の「下町巡行(したまちじゅんこう)」は、渡御行列が歴史情緒があふれるいにしえ街道≠ネどを巡る。午後8時過ぎには、この日最大の見せ場となる愛宕町商店街に山車が集結する。同10時からは、たいまつの炎に彩られた3基のみこしを同神宮の社殿に収める「宿入之儀(しゅくいれのぎ)」も執り行う。11日は「上町巡行(うえまちじゅんこう)」が行われる。(松浦 純)



◎大沼の景雲寺「平和追悼の鐘」響く

 【七飯】町内大沼町の景雲寺(鈴木英孝住職)は9日、長崎原爆忌に合わせ、同寺にある「平和追悼の鐘」を鳴らした。鐘は戦時中の金属供出を免れ、七飯村(当時)の火の見やぐらの半鐘として、住民の命を守るために使用されていたもの。町内の保育園児40人をはじめ、近隣住民が参加。65年の歳月を経て、平和への祈りを込めた鎮魂の音が大沼の空に響き渡った。

 鐘は、1922年(大正11年)に法要などの始まりを告げる「喚鐘」として寄贈され、戦時中に武器製造のため供出された。しかし、国には渡らず、村内の火の見やぐらで利用され、住民に空襲を知らせたり、戦後は火災を知らせる役割を果たした。2007年に七飯消防署内で見つかり、同寺に返還。昨年、修復が終わり、新たに「平和追悼の鐘」としての役割を与えられた。

 この日は、火の見やぐらがあった本町地区の認定こども園どんぐり(町大川7)と七飯ほんちょう保育園(町本町)の園児が参加。黙とうをささげた後、長崎に原爆が投下された午前11時2分に合わせて、鐘が打ち鳴らされた。

 鈴木住職は「武器になったかも知れない鐘は、人助けに使われていた。平和の思いを子どもたちにも受け継いでいってもらいたい」と話していた。同寺では、終戦記念日の15日正午からも平和追悼の鐘を鳴らす。(今井正一)



◎北海道局の存続求め決議

 函館商工会議所(高野洋蔵会頭)などは9日、国土交通省北海道局の存続を訴える道南地域緊急総決起大会をホテル函館ロイヤル(函館市大森町)で開いた。道南の首長や商工業者ら約800人が参加し、北海道局の存続と社会基盤整備の推進を求める緊急決議を採択した。

 国交省の組織再編で北海道局の廃止案が浮上していることを受け、道南の経済団体が連携して存続をアピールしようと、同会議所や渡島・桧山管内商工会連合会、森商工会所、函館市などが共催。地元選出の道議らも出席した。

 あいさつで高野会頭は「単なる一地方的視点から北海道局の存在を切り捨てることは、北海道の将来に大きな禍根を残しかねない重大な問題」と強調。西尾正範函館市長も「産業の活性化と住民の安心・安全な生活に向け、地域が結束して頑張ろう」と呼びかけた。

 緊急決議では、渡島管内商工会連合会の木元護会長が「新幹線や高規格幹線道路網など社会資本整備は必要不可欠。開発予算の一括計上や北海道特例といった北海道開発の枠組みを引き続き堅持することを強く訴える」などとする決議文を読み上げ、満場一致で採択された。

 北海道局の廃止に反対する集会は帯広を皮切りに道内各地の商工会議所などが主催して行われている。(森健太郎)


◎高い技術披露4人が全国へ

 7月11日に札幌で開かれた「全国理容美容学生技術大会道地区大会」(日本理容美容教育センター主催)で、函館理容美容専門学校(中島眞之校長、学生85人)の学生4人が入賞し、11月に沖縄で開かれる全国大会に出場する。このうち、2年生の伊藤佑希さん(19)は高い技術が要求される美容部門・カット種目で見事1位に輝いた。4人は「全国でも実力を発揮したい」と目を輝かせている。

 同技術大会は学生の技術向上や理容師・美容師の育成などを目的に昨年初開催。理容と美容の2部門にそれぞれ4種目あり、同校から19人が出場。全国大会出場を果たしたのは、理容部門・チャレンジアートヘア種目の三上潤平さん(20)、美容部門・カット種目の伊藤さん、同部門・アップスタイル種目の柳瀬寿さん(19)、東まどかさん(27)。伊藤さん以外の順位はそれぞれ1位、3位、4位だった。

 カット種目は前髪6センチ、トップ10センチなどと審査基準が規定されており、国家試験の課題でもあるという。腱鞘炎(けんしょうえん)になりかけたほど厳しい練習をこなしてきたという伊藤さんは「絶対優勝してやると思って臨んだ。全国でも1番を目指す」と意気込む。

 三上さんは独創性を競うチャレンジアートヘア種目でウエーブをかけた白黒のグラデーションを表現。「結果には驚いたが自分が考えたヘアスタイルが一番に評価されてうれしい」。「夢」というテーマで妖精や花をイメージした柳瀬さんは、髪を編み込ませてピンク色の花びらの雰囲気を出すのに集中し、「納得のいく作品に仕上げるまで3カ月はかかった。あこがれの舞台だった全国でも頑張りたい」とし、東さんも「仲間の分まで全力を出す」と笑顔を見せる。

 指導する美容専任の細田美香さんは「学生が持つ底力を引き出すのは大変だったが、好結果を残してくれてうれしい。全国でも表彰台は狙えると思う」と期待している。(長内 健)


◎函館市事業レビュー23日から13事業を審議

 函館市は9日、第2次「函館市事業レビュー」の日程を公表した。当初予定の8月23―27日に加え、31日には7月に積み残した土木部所管の3事業を加え、計13事業を審議する。

 レビューの方法は前回と同様、1事業につき説明と質疑で40分、評価20分をかける予定。事業の評価は質疑を行った翌日に行う。第1次(7月26―29日)では、審議した7事業すべてで「改善すべき」との判定が出されたほか、うち3事業は「一部廃止を検討すべき」としている。

 会場は23―27日が市水道局4階会議室(末広町5)、31日は市役所8回大会議室(東雲町4)で行う。時間はいずれも午後5時半から開始。傍聴は各日とも開始30分前から会場で受け付ける。

 対象事業は次の通り。

 ◇8月23日▽海水浴場事業▽高齢者大学等各種講座開催事業▽移動図書室(各図書室運営費)◇24日▽副読本発行事業▽環境保全啓発関係事業◇25日▽老人福祉センター管理▽いきいき住まい建設改修資金貸付金◇26日▽梁川交通公園管理▽旅客船入港歓迎事業▽景観形成住宅等建築奨励金◇31日▽道路維持補修事業▽道路清掃事業▽除雪事業(千葉卓陽)