2010年8月12日 (木) 掲載

◎五稜郭公園 郭内「禁煙」です

 国の特別史跡「五稜郭跡」がある五稜郭公園の郭内が、7月29日から禁煙となった。箱館奉行所をはじめとする史跡を保護するためで、公園内で禁煙措置を取るのは函館市では初めて。市教委は「奉行所開設を機に保護保全の観点などから禁煙を決めた。奉行所は後世に伝えていかなければいけない建物で、市民には不便をおかけするが理解してほしい」と話している。

 禁煙となるのは、堀の内側の郭内。函館の風物詩でもある春の花見時期のバーベキューは、これまで通り堀の外側の指定区域内で楽しめる。

 禁煙措置は函館市が2006年から復元工事を進めていた同奉行所の公開が開始された同29日から実施。一般公開開始以前は、郭内に灰皿が2カ所設置されており、喫煙は可能だった。しかし同奉行所の保護・保全の観点や、健康増進などを目的に近年は公共のスペースで禁煙措置が取られていることから、市教委と公園を管理する市土木部が協議して実施に踏み切った。

 同公園のような都市公園での禁煙は全国でも例がある。市土木部は今回の措置に向け、全国の中核市や道内主要都市68市に都市公園の禁煙状況をアンケート調査した。回答では千葉県柏市、埼玉県川越市のほか、道内では岩見沢市が禁煙を実施。適用範囲はさまざまだが、理由としては「公共施設で全面禁煙を行っている」「受動喫煙防止」を挙げている。

 また文化財保護の観点では石川県金沢市の史跡「金沢城公園」が園内の大部分で禁煙を実施。同県公園緑地課は「公園の面積が広いので、園内に2カ所だけ喫煙場所を設けている」。今回の五稜郭公園の措置について、国の史跡を所管する文化庁記念物課は「こうした文化財がある場所では火気取り扱いの注意を喚起している。今回の禁煙措置は望ましい」と評価した。

 一方、函館市民からは「知らなかった」「いつから禁煙になったのか」などと、よりわかりやすい周知を望む声が上がっている。同公園の禁煙周知は現在、一の橋広場と郭内をつなぐ橋のたもとに設置された看板1基のみ。市教委は「今後看板を増やすとともに奉行所や、市のホームページなどでも周知を進めたい」と話している。 (山田孝人)



◎水野さんで3位 道美容技術選手権ワインディングの部

 函館理容美容専門学校で美容を学ぶ水野勇さん(19)=美容科2年=が、7月下旬に旭川で開催された「第54回北海道美容技術選手権大会」のワインディングの部で3位に入賞した。同校始まって以来の快挙に、本人をはじめ学校関係者は歓喜に沸いた。水野さんは「つらいこともあったけれど挑戦して良かった」と喜び、道代表として出場する北海道・東北大会への決意を新たにしている。

 インディングはパーマをかけるためにロッドを巻く技術を競い、巻く強さや場所、幅、留めるゴムの方向までもが評価対象となる厳しい競技。大会では女性が上位を独占するのが通例だが、水野さんは「男性には難しい」とされる競技にあえて臨んだ。

 練習は昨年の入学当初からほぼ毎日行い、ウイッグと呼ばれる頭部の人形に対し、1日に何回もロッドを巻き続けた。「精神的に追い詰められ、病気のような気分になったことも」経験したが、歯を食いしばって試行錯誤を重ねた。

 道大会は、プロの美容師と学生が参加し高レベルとなる。6月上旬に函館市で行われた地区大会で優勝し、函館地区の代表として出場。体調の調整に苦慮し、いつもの力を出し切れなかったが、道内の精鋭75人の中で戦い、同校生では初となる3位入賞を果たした。同部で入賞した上位8人中、男性は1人のみ。しかし「自分だけの力でできた作品ではない。支えてくれた同級生や先輩に感謝しています」と謙虚な姿勢だ。

 指導した同校美容専任の細田美香さんは「厳しい指導によく耐え、精神的にも大きく成長してくれた」と評価。「次の大会でも力を発揮してほしい」と期待する。次のステージとなる道・東北ブロック美容競技大会は9月6日、盛岡市内で開催される。(小泉まや)



◎7カ国 華麗な踊り 民俗芸術祭フィナーレ

 「第3回はこだて国際民俗芸術祭」(組織委主催)の最終公演「海〜地球の日没と夜明け〜」が11日、函館市湯川町の函館市民会館で行われた。スペイン、イタリアなど7カ国の民族舞踊団、歌手が独自の音楽や踊りを披露し、観客と一体になったステージで芸術祭を締めくくった。

 同芸術祭は5日に開幕。国内外18グループが参加し、フリーステージやワークショップで市民らと交流した。

 最終公演はイタリアの民族舞踊団「ヴァル・レシア」のステージで幕開け。軽快な音楽に乗って繰り広げられる華麗な舞に観客は手拍子で応えた。韓国の伝統音楽集団「ハガラン」は繊細さと迫力のある2ステージを披露。ペルーの「フォルクローレ・グループ」はラテンのリズムに乗って華やかな踊りで観客を魅了し、チュバシ共和国の「州立アンサンブル」もオペラ形式で歌と踊りをステージ全体を使って、観客を引き込んだ。

 毎年同芸術祭に参加しているという市内の主婦、松下真さん(64)は「海外の舞踊団を身近に感じられて感激。また来年も参加したい」と話していた。 (黒田 寛)


◎丸井で北海道コスメフェア

 道内産の天然素材を主原料にした化粧品を一堂に集めて紹介する「北海道コスメフェア」が11日、丸井今井函館店(函館市本町)1階で始まった。同店では初企画で、催事終了後は店内に一部商品を常設するコーナーも設ける。

 地元産の農産物への安心・安全なイメージや、消費者の自然派志向の高まりを受け、道内外で人気が高まっている「北海道コスメ」について観光客や市民に広く知ってもらう狙い。

 今回は札幌や千歳、函館などの道内メーカーを中心に計8社が出品。ビートを使った洗顔用化粧品や、サケ由来のコラーゲンを配合した美容液、はちみつ成分入りのせっけんなど道産素材を活用した化粧品類約50品目が並ぶ。

 会場では各社の担当者らが商品の特長や用途をアドバイスするほか、無料サンプルのプレゼントもある。担当者は「北海道のブランド力や生産者の顔の見える安心感を売りに、肌に優しい化粧品を多くの人に使ってほしい」としている。

 催事は17日まで。午前10時―午後7時。問い合わせは同店TEL0138-32-1151。(森健太郎)