2010年8月16日 (月) 掲載

◎雨の中 神輿渡御…函館八幡宮

 函館八幡宮(中島敏幸宮司)の例祭が15日、開かれた。雨の中、市内西部地区で2年に1度の神輿渡御(みこしとぎょ)を行い、クライマックスとなる石段かけのぼりは足元が滑りやすくなり危険なため、中止となった。

 朝から断続的な雨で神輿渡御は危ぶまれたが、午前9時50分に開催決定。高さ約170センチある金箔(きんぱく)仕上げの神輿にビニールをかけ、同11時に谷地頭町の同八幡宮を出発。約170人の白丁(はくちょう)姿の担ぎ手が約70人ずつで交代しながら担ぎ、「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声とともに金森倉庫群、豊川稲荷神社、函館朝市、大門広小路などを練り歩いた。沿道では地域の人や観光客が拍手と声援を送り、見守っていた。

 予定より約45分遅れて午後5時15分ごろに同八幡宮に到着した。中島宮司によると、これまで神輿渡御の中止はあったが、石段かけのぼりを取りやめたのは無いという。市内美原から見物に訪れた秋山大作さん(57)は「クライマックを楽しみにしていたので残念だが、神輿の神様や担ぎ手に大事があってはならない。皆さんお疲れさまでした」と話していた。(山崎純一)



◎戦争の悲劇 風化させぬ

 函館市青柳町の函館護国神社(真崎不二彦宮司)で15日、函館市連合遺族会(木村勝英会長)が主催する「戦没者追悼平和祈願祭」が開かれた。同会会員など約40人が参列し、戦没者の霊を慰め、戦争の歴史を後世に伝える決意を新たにした。

 午前11時45分から始まり、真崎宮司の祝詞奉上の後に正午となり、全員で黙とうをした。続いて木村会長(73)が祭詞奉上として「国家、家族の安泰を願って戦い、命を落とされた皆さまに痛惜の思いです。戦後、国民の英知により平和国家となり、自由などの恩恵を受けているが、ひとえに皆さまが作った礎のおかげ。戦争を知らない世代が大多数を占める現代、慰霊を継承し、戦争の悲惨さを伝え、平和文化を守り続けます」と述べた。

 終了後、参列者は「来年また元気で合いましょう」などと話し、同神社を後にした。木村会長は「戦争を知っている人は少なくなり、子供たちに戦争を知ってもらうのは年々難しくなっている。語り継ぐ世代交代を上手にしなければならない」と話していた。(山崎純一)



◎タイムカプセル見つからなくても 思い出は心に鮮明

 児童数の減少などで1998年3月末に閉校した旧戸井町の汐首小学校(現函館市汐首町)で15日、タイムカプセルの掘り起こし作業が行われた。グラウンドに埋めたはずの思い出の品々は見つからなかったが、参加者は「楽しかった時間がよみがえった気分。またみんなで集まって探せばいい。楽しみが増える」と笑顔で再会を誓った。

 当時の2、3年生複式学級の5人と担任だった佐野法子さん(68)、仕事などで来られなかった同級生の母親が駆けつけ、元気な姿で近況を報告した。

 タイムカプセルの場所は大まかに分かるものの、グラウンドには草木が茂り、掘り起こしは困難を極めた。仲間の記憶だけが頼りで「確かここのはず」「あれ?あそこの大きな木の下に埋めたかもしれない。大きな石も持ち運んだよね」などと話しながらスコップで掘り続けたが、発見することはできなかった。

 また、戸井支所の協力で校舎に入り、体育館や教室を回り、当時の学校生活の様子を回想。佐野さんは児童の作文を読み聞かせ、授業の話、家族の笑い話、地域住民との交流を振り返り、「小さな学校だったけど、みんなが仲良く、地域の絆(きずな)の象徴そのものだったよね」と思いを寄せた。

 函館高専5年の境宏基さん(20)は「一瞬にして小学生のころの懐かしさや楽しさがよみがえった。作文は読みごたえがあったけど、ちょっと恥ずかしかった」とにっこり。2児の母の鍵まどかさん(21)も「校舎のにおいで色々な思い出が浮かんできた。どれも楽しいことばかりで、またこうしてみんなに会えたらうれしい」と声を弾ませていた。

 佐野さんは「タイムカプセルを見つけることができずに本当に残念。でも、またみんなでここに集まることを約束した。子どもたちが立派な大人になった姿を見られて安心した。これからもそれぞれ頑張ってほしい」と目を細めていた。(田中陽介)


◎中心街の露店盛況

 【七飯】七飯町中心街の商店などによる「ふるさと夏祭り」が15、16の両日、つぼ八七飯店(本町3)駐車場で開かれている。15日は小雨が降るあいにくの天候となったが、うなぎや焼きホタテなどが並ぶ露店に、香ばしいにおいに誘われた近隣住民らが大勢訪れた。

 地域を盛り上げようと、乾水産や中村屋ななえ店、成田おでんなど、町内の6企業・店舗が2カ月前から企画してきた初のイベント。

小雨の中、津軽海峡産のイカなど海鮮物がたっぷり入った焼きそば(280円)、知内産の焼きホタテなど、各店舗自慢のメニューがずらり。夏祭り会場には珍しいうな丼(580円)も登場し、来場者は熱々の丼飯に舌鼓を打っていた。

 乾水産代表の乾宏一さん(45)は「お盆の時期に中心街で夏祭りがないというのはあまりに寂しい。16日もやるのでぜひ来てほしい」とPRしている。

 午前11時—午後6時。午後5時からは野菜や各店舗の商品券(500円)などが当たるビンゴゲーム大会も開かれる。(長内 健)



◎遊興コーナー子どもに人気

 函館市総合福祉センターまつりが15日、市内若松町の同センターで開かれ、大勢の市民らが来場しにぎわった。

 同センターを運営する市社会福祉協議会や施設に入居している団体、利用者などが実行委員会をつくり、毎年開催。会議室やロビー、多目的ホールなど5階建てのセンターを祭り会場に衣替えして各階で催しを展開した。出入り口前には、焼き鳥やたこ焼きなどの模擬店が並び、イベントステージとして開放した5階の多目的ホールでは吹奏楽や民謡などの演奏会が繰り広げられた。

 4階の児童センター事務室前では、縁日コーナーやお化け屋敷など遊興コーナーを開設し、子供たちがさまざまな遊びやゲームを体験。数メートル先にある9枚の的にボールをぶつける「ダルビッシュに挑戦!」は人気を集め、挑戦した小学生らは景品の北海道日本ハムファイターズの選手カードを手に入れていた。

 函館市内の親せきらと一緒に来場した滋賀県大津市の青山小5年、中二裕花さん(10)は「ダルビッシュに挑戦が一番面白かった」と話していた。(鈴木 潤)