2010年8月23日 (月) 掲載

◎書家3人 一筆入魂 公開揮毫アトラクション

 函館市梁川町10のテーオーデパート6階で22日、公開揮毫(きごう)アトラクションが行われた。24日まで開催中の「函玄社書道展」に出品している地元の書家3人が大きな紙と向き合い一筆入魂。豪快かつ繊細に筆を走らせた。

 アトラクションは書道展の会期中に毎回行っている。揮毫者は佐藤石蘭さん、竹田想穹さん、澤田蒼岳さん。会場は立ち見が出るほどで、高校生や市民ら130人が来場した。

 佐藤さんは縦横それぞれ6尺(180センチ×180センチ)の紙に近代詩文をしたためた。「これほど大きい紙に挑戦するのは初めて」と話した竹田さんは、全紙5枚分に大きなものが音を立てて動くさまを「鳴動」と書き表した。真剣な表情で見守っていた観客は、佐藤さんと竹田さんの全身を使った迫力の動作に大きな拍手を送っていた。

 淡墨で2作に挑戦した澤田さんは、見上げた雲が人間や動物などに形を変える様子を「孤雲遊」と表現。その柔らかな筆の動きと置き方で観客を魅了した。(長内 健)

 


◎坂木さん6連覇 道南竜将戦

 第14回道南竜将戦(函館新聞社、日本将棋連盟函館中央支部主催)が22日、函館新聞社(港町1)で開かれた。道南のアマチュア有段者15人が熱戦を展開。5年連続優勝中の坂木祐介さん(21)=函館市山の手=が強豪の挑戦を退け頂点に立ち、連覇数を6に伸ばした。同時に行われた日本将棋連盟初段免状獲得戦は9人がトーナメントで戦い、函館工業高専4年の三島裕生さん(19)が優勝。道南小学生竜将戦は18人が出場し、函館港小5年の野田省吾君がチャンピオンに輝いた。会場には屋敷伸之九段も訪れ、指導対局で交流を図った。

 また1年間、道南竜将の称号を背負うことになった坂木さんは「最近は本格的な練習をしていなかったが、プレッシャーは無かった。楽しく対局することを考えており、その通り進むと調子が出てきた。6連覇を達成できたことで、坂木はまだまだ強いと思われるようできたことで、とてもうれしい」と笑顔がはじけた。

 初段免状獲得戦を制した三島さんは「学校の先生から初段を獲るように言われたのでうれしい。初段を取得した以上、高専の大会でも活躍していきたい」と喜びを語っていた。

 各大会の上位は次の通り(敬称略)。

 ▽道南竜将戦1坂木祐介、2松谷敬一、3西倫理▽初段免状獲得戦1三島裕生、2松谷香奈、3幅崎英樹▽道南小学生竜将戦1野田省吾、2蒔田瑛功、3西谷磯一郎、4大内大季、5相馬敬太(山崎純一)



◎景況感4年ぶりプラス

 函館商工会議所は、会員企業を対象した本年度第1四半期(4—6月)の景気動向調査をまとめた。景況感が「好転」と答えた企業の割合から「悪化」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数(DI)は3・1で、前期(1—3月)に比べて32・3ポイント上昇の大幅改善となった。DIがプラスに転じたのは4年ぶり。

 業種別では、全5業種のうち小売業が前期比45ポイント上昇の12・9、サービス業が40ポイント上昇の23・3とマイナスからプラスに大幅改善。製造業は43・8ポイント上昇のゼロ、卸売業は26・5ポイント上昇のマイナス8・1とそれぞれ改善したが、建設業は公共事業の削減などを背景に14・3ポイント低下のマイナス14・3と悪化した。

 新たに設備投資を実施した企業の割合は、全業種で23%に上り、前期より6・8ポイント増えた。特に老朽化による更新などを理由に製造業で前期より大きく伸びたほか、小売業やサービス業では今期の売り上げ増に伴って増設した企業割合も増え、積極的な事業展開も出始めた。

 次期(7—9月)の見通しは、全業種で今期に比べて5・6ポイント低下のマイナス2・5と悪化を予想している。業種別では、卸売業や小売業では今期より小幅ながら改善を見込んでいるものの、建設業が33・3ポイント低下のマイナス47・6と悪化幅が大きく、悲観的な見方を強めている。

 同会議所は「公共事業の削減で建設業で厳しい状況が残っているが、全体としては函館の景気の底入れ感もうかがえる。ただ、先行きに関しては企業は慎重な見方を崩していないため、今後も持ち直しの動きが続くかどうかは不透明」としている。

 調査は同会議所の会員企業460社を対象に行い、161社から回答を得た。回収率は35%。(森健太郎)



◎函館への行政視察 増加傾向

 全国の市町村議会などから函館市を訪れる行政視察が増加傾向にある。本年度は7月末現在で79件に上り、前年同期比19件の増加。6月定例会や7月の参院選後から訪問が相次いでおり、3年前にオープンした「地域交流まちづくりセンター」や、市独自の「人づくり・まちづくり事業」などに関する視察が多く、市の各種施策が高い関心を集めているようだ。

 市議会事務局によると、行政視察は市町村単位の会派や委員会単位で訪れるケースが大半。青函博覧会が行われた1988(昭和63年)の243件、2076人が訪れたのをピークに、ここ数年は100件台前半で推移している。07年度は129件1082人、08年度は136件988人、09年度は145件1143人。

 同事務局議事調査課によると、近年は旭山動物園や知床の世界遺産、空知管内栗山町で進めている議会改革などが関心を集めていた中、08年の全国市議会議長会で議会改革に関する報告書をPRするなどのアピールを行い、売り込みに努めたという。

 例年の動向として6月定例会後の7月と、9月定例会後の10月に集中するといい、本年度も7月だけで46件、313人が訪れている。1日に受け入れる件数は4件が限度で「断るケースもあるが、経済効果にもつながるだけに、なるべく受け入れるようにしている」(同課)。

 視察目的で多いのは、ハード面だとまちづくりセンター。市民活動のサポートに特化した独特な性格を持つ面から、具体的な活動内容や運営面を見ようと訪れている。ソフト面では市民やまちづくり団体を対象とした「人づくり—」への関心が高い。同課は「インターネットで予備知識を得て来るケースが多い。リーマンショックや新型インフルエンザなどの影響が落ち着き、観光入り込みと同様の動きになっている」と分析、さらなる増加に期待する。(千葉卓陽)


◎バイクで交通安全訴え

 函館市や函館西署などは22日、二輪車の安全利用と交通事故防止を目的とした交通安全バイクパレードを実施した。バイク愛好者や白バイなど43台が参加し、市民らに交通ルールの徹底を呼び掛けた。

 8月19日のバイクの日にちなみ、毎年この時期に行われている。参加者はハーレー愛好者で構成される函館チャプターやMTC(マジマツーリングクラブ)クラブ、北海道ハーレー警ら隊函館方面警ら隊など。今回は札幌や旭川方面の警ら隊も駆け付けた。

 函館西署で行われた出発式で岡豊彦同署長が「願いは一件でも事故をなくし、犠牲者を出さないこと。4年連続交通事故死者数ワースト1を回避しているのは皆さんの協力のおかげです」とあいさつ。続いてハーレーショップ函館マジマ(松陰町17)の間島且人さん(30)が参加者を代表して交通安全宣言を行った。

 出発式が終了すると、参加者は白バイを先頭に一斉にバイクを走らせた。約2時間で国道5号や278号など函館市内全域をパレードしたという。(小杉貴洋)