2010年8月30日 (月) 掲載

◎白い花満開 そば畑で優雅に舞う

 【福島】町千軒地区で栽培している「千軒そば」の花を楽しんでもらおうと、観賞会(生産会など主催)が29日、同地区の畑で開かれた。ソバの白い花が満開となった畑の中で、松前神楽保存会のメンバーが踊りを披露。町内外から観客やカメラ愛好者ら200人が来場し、美しい風景と町の伝統芸能を堪能した。

 観賞会は、「千軒そば」のPRと同地区の活性化を目的に、毎年、花が咲くこの時期に開いており、今年で9回目。町を代表するイベントになった。

 畑の中に舞台が作られ、松前神楽7座を奏上した。祝詞舞でスタートし、女子児童2人がみこ姿で八乙女舞を優雅に舞うと、「ようそろう(良き候)」と観客の掛け声が響いた。

 函館市から訪れた伊藤勝美さん(66)と厚子さん(66)夫妻は「初めて見たが幻想的で美しかった。女の子の舞がとてもかわいらしかった」と満足そうに話していた。

 千軒そば生産会では9月下旬に収穫を予定している。佐藤孝男会長は「今年は天候が良かったので、収穫が昨年より1週間ほど早まる。花の付き方を見ると豊作が期待できる」と話していた。10月中旬には同地区にある千軒そば店で新そばを味わえるという。(松宮一郎)


◎友好の花 かれんに

 【北斗】日韓友好の願いを込め、6月に市民団体「ムクゲの花を広める会」(浅利政俊代表)が市内野崎の清川寺境内に植樹したムクゲの観賞会が、日韓併合100年を迎えた29日に開かれた。参加者はかれんに咲き誇る花を前に、両国が互いに手を取り合って助け合いながら未来を築いてくことを誓い合った。

 ムクゲは韓国の国花で北斗市の花としても親しまれている。同会では日韓基本条約締結から45年の節目を記念し、両国の友好の願いを込めて「紫盃(しはい)」「日の丸」の2種10本を植樹。8月半ばから白や紫、赤などの美しい花が咲き始めている。この後、10月ごろまで新しい花を楽しむことができる。

 観賞会には在日大韓民国民団函館支部や朝鮮総連函館支部の関係者ら15人が参加。浅利代表は「日本は過去の過ちを反省したうえで、今後は韓国としっかりと手を組んで未来に向かっていかなければならない。ここにあるムクゲの成長とともに、両国の関係が深まっていってほしい」と訴えた。

 参加者はこの後、浅利代表とともにムクゲの花を観賞。最後は全員で朝鮮民謡「アリラン」を合唱して、友好を深めあった。(小川俊之)



◎黒豚1000人がペロリ バーベキュー祭り

 地場産のブランド豚を味わう「第12回黒豚バーベキュー祭り」(函館商工会議所銭亀沢地区青年部主催)が29日、函館市赤坂町の志海苔ふれあいひがし広場で開かれた。事前にチケットを購入した市民ら約1000人が詰め掛け、青空の下、脂の乗った黒豚肉を炭火焼きで堪能した。

 同青年部が「地域を盛り上げるイベントを」と、1998年から毎年この時期に企画。昨年は中止となり、今年も宮崎県で発生した口蹄疫の影響で開催が危ぶまれたが、「こういう時だからこそ、前向きに畜産農家を応援しよう」と2年ぶりの開催にこぎ着けた。

 肉は同青年部のメンバーだった、市内鶴野町で養豚業「青函トントン」を営む木村敏也さんが6頭分に相当する計300キロを用意。来場者は特設コンロで肉や野菜のほか、会場内で販売された黒豚ソーセージ、海鮮類などを焼き、ビール片手に次々とほおばっていた。

 会場では和太鼓やブラスバンド演奏もあり、ホテル宿泊券などが当たる抽選会などもイベントを盛り上げた。職場仲間らと訪れた市内戸倉町の松倉眞澄さん(49)は「脂に甘みがあってとろけるような味。外で食べると最高」と笑顔ではしを進めていた。

 木村さんは「2日前から仕込んだ苦労がみなさんの笑顔で報われる。今後もできる限り続けていきたい」と感慨深げだった。今回の売り上げの一部は口蹄疫被害の義援金として寄付される。(森健太郎)



◎「食事の大切さわかった」国際科学祭

 「はこだて国際科学祭」(サイエンスサポート函館主催)は最終日の29日、函館市民会館(湯川町1)で、小学生低学年を対象としたワークショップ「たべることについてかんがえよう〜ドナルドの食育教室」が開かれた。子どもたちは楽しみながら、食事をすることの大切さを学んだ。

 同ワークショップは日本マクドナルド社が食育支援の一環として協力し、同社のキャラクター「ドナルド・マクドナルド」が案内役として登場。身近な食材を「血や肉になる食べ物」「からだの調子を整える食べ物」「熱や力になる食べ物」の3種類に分類させ、それぞれの役割について探っていった。

 ドナルドは、チーズやバターのように分類が難しい物については「チーズは牛乳から作られているので、牛乳と同じく血や肉になる。バターも牛乳から作られているが、ほとんどが油なので熱や力になる」と丁寧に説明。「肉や魚から野菜や果物など、すべてがみんなの体のために必要なので、好き嫌いをしないでバランスよく食べよう」と話すと、子どもたちは元気いっぱいに「はい!」と答えていた。母親と参加した函館深堀小2年の若松秀征君は「食べ物の大切さがよく分かった。とても楽しかった」と話していた。

 この日は多彩な体験型実験が楽しめる「青少年のための科学の祭典函館大会」や、学生たちが作ったロボットが登場する「函館高専メカニズム・フェスティバル」なども行われ、22日から8日間にわたり数多くのイベントが繰り広げられた国際科学祭は盛況のうちに幕を閉じた。(小川俊之)


◎ジャガイモから残留農薬

 函館市内の農家1軒が生産し、新函館農協を通じて新潟県に出荷したジャガイモ(品種・とうや)から、食品衛生法の基準では検出されてはいけない種類の殺虫剤ディルドリンが、残留農薬として検出されたことがわかった。検査した新潟県は27日に事実を公表し、同農協は28日から対象となるジャガイモ約50トンの回収を始めた。

 ジャガイモは、18日に生産者が同農協に出荷し、新潟県のほか、福岡や鹿児島、埼玉、広島の各県と、札幌の市場などに出荷された。ディルドリンは1975年に農薬登録が失効した農薬で、ジャガイモに含まれてはいけない。同農協によると「出荷前に行った抽出検査では検出されなかった」という。

 ところが、23日に新潟県保健環境科学研究所(新潟)が行った検査で、このジャガイモ1キロ中から0・006ppmのディルドリンを検出。これを受け、同一ロットの21・64トンと、同一生産者が生産・出荷した27・65トンのジャガイモを回収することに。販売先・量を調査中だが、すでに消費に回っているものもあると推測される。同農協は「できる限り回収し焼却処分する」考え。

 出荷した農家では、75年以降にこの農薬を使用していないことが確認されている。同農協などは「土壌への残留性が高く、作物に吸収されることがある」として、成育中に吸収したと推測。健康への被害については、「体重50キロの人が毎日800グラムを一生食べても問題ない量」という。(小泉まや)