2010年8月4日 (水) 掲載

◎函館港が重点港湾に

 国土交通省は3日、来年度以降に集中整備する「重点港湾」について、函館港を含む32道府県の43港を選んだと発表した。函館市は2月に、老朽化が著しい同港北ふ頭(同市浅野町)を2011年度の国直轄港湾整備事業として進める考えを示しており、新規の事業採択に向けて弾みのつく結果となった。

 「新規の直轄港湾整備事業の着手対象となる港湾」で、全国103の重要港湾の中から選んだ。国の新規事業で北ふ頭整備を要望する函館市は、新規採択の選定テーブルに残ったことになる。

 選定は拠点港を最低1県に1つ造ることを原則に、貨物取扱量実績や国際・国内海上運送網の拠点機能、地域からの提案などを基にした。道内からは函館港のほか石狩湾新港と釧路港が選ばれた。

 同省によると、函館港は本州と本道を結ぶ青函航路を持ち、高速道路の休日割引を背景にフェリー貨物量も増加傾向にあることがなどが選定の理由という。函館市港湾課によると、09年に函館港を発着するフェリーを利用した車両は重量換算で約2403万トンで、ピーク時の1991年の約2473万トンに迫った。10年も09年とほぼ同じ利用数で推移している。

 市は05年から若松地区旅客船ふ頭の整備を国に要望していた。だが青函航路の需要が高まる中、北ふ頭から青函フェリーを運航する共栄運輸が船舶の大型化を計画している点などを踏まえ、方針を変更。また同フェリーには専用岸壁がなく一般岸壁に船尾をつけて乗降しており、この現状に対し海保から改善要請を受けていることも影響した。同運輸の兵頭法史相談役は「昨夏は満車で目当ての便に乗れない車もあった。今年も今週末から予約も多く入っている。早期の整備を望む」と話した。

 計画は北ふ頭の正面にL字型岸壁を新設。船舶大型化に対応し同港唯一の耐震岸壁として防災機能強化につなげる。11年度に採択されれば、13年度から一部供用を開始する予定。西尾正範函館市長は「北ふ頭の整備採択に向け、引き続き力強い要望活動を展開したい」とコメントした(山田孝人)



◎五稜郭コースも熱く…港まつり

 「開港151周年記念函館港まつり」(実行委主催)の「ワッショイはこだて」は3日、堀川、五稜郭コースで実施された。子ども会、企業などが参加する「子どもイカ踊り&サマーカーニバル&八雲山車行列『勝太鼓』」などがコースを華やかに行進。84団体、約1万3000人、山車57台が参加し、沿道で見物する人たちを楽しませた。

 第1部の「函館港おどり」では町会単位などで参加。第2部の「子ども―」は涼しげな衣装を身にまとった参加者が、元気と美しさを存分に見物客に伝えた。第3部の「函館イカ踊り」では各チームが大音量の曲の中で飛び跳ね、熱い踊りを披露した。

 夫婦で行列を見守っていた桜田春雄さん(74)は「見物客も多く、市内に活気が出て良い。孫が参加するので応援したい」と笑顔で話していた。イカ踊りを見ていた市内の福田英子さん(70)は「港まつりを心待ちにしていた。一生懸命踊る参加者を応援したい」と熱心な表情で見つめていた。

 4日は午後5時から十字街でカラオケ大会、同6時からは第27回ファンタジアクロス音楽祭決勝大会などが実施される。(黒田 寛)



◎コンブ漁 合図は“ブブゼラ”…函館・南かやべ漁協

 ププーー。函館市南茅部地域の天然コンブ漁でラッパの音色が響いている。コンブ採取の開始と終わりの合図だ。サッカー南アフリカワールド杯(W杯)で大会を盛り上げた民族楽器ブブゼラのような音色で、「安全操業と大漁を祈る幸せのラッパ。ブブゼラ人気にあやかって、最高級のコンブのPRに努めたい」と関係者は張り切る。

 南かやべ漁協の大船支所を除く支所でラッパを採用している。ラッパは昭和の時代に活躍した「豆腐屋ラッパ」で懐かしい音が響く。

 ブブゼラは先のW杯で一躍、世界的に注目を集める楽器に。重低音の独特の響きで、熱狂的な応援を演出した。

 コンブ採取は午前5時ごろから。漁協の放送で「これからコンブ採取を始めます。安全に気をつけて漁をしてください」と呼びかけ、マイク前でラッパをひと吹き。この合図で、コンブ漁は“キックオフ”される。

 漁は約2、3時間。終了の放送時にもラッパは鳴る。

 南かやべ漁協は「昔は旗を上げて合図していた。いまは音が響くラッパで、この音色を聞くと『さぁ、コンブ採りだぞ』と自然に気持ちが切り替わる」と紹介する。(田中陽介)


◎台湾で「函館」人気 スーパーで特産品フェア

 台湾中部に位置する彰化県のスーパーマーケットで、函館の特産品を集めた「函館フェア」がこのほど開かれた。函館市と市内中小企業が貿易振興策の一環として進めているもので、今回はスイーツに絞って出品。日本ならではの和菓子などが人気を集めた。

 函館フェアは、彰化県内で店舗展開する高級日本食スーパー「裕毛屋」が1月に続いて主催。今回は市内中小企業などで組織する函館海外市場販促振興会(HOMA)の参加企業のうち、昭和製菓(函館市)と末広軒(北斗)の製菓業2社が参加した。

 2社はチーズケーキや常生菓子など約30品目を販売。市経済部によると、スーパー内では傘など和風のディスプレーを施して日本らしさを演出。「口取り菓子」の試食、販売では日本の正月の風習なども説明し、人気を集めた。

 今後は10月と来年1月に開く予定で、同部は「1月に出品した商品を再度購入していく消費者も多く、函館産品の認知度は上がっていると感じた。フェアを繰り返すことで販路強化につなげたい」と話している。(千葉卓陽)


◎声楽家、島聖子さんの教え子3人が決勝へ…全国童謡歌唱コンクール道ブロック

 8日に札幌市で開かれる「第25回全国童謡歌唱コンクール道ブロック決勝大会」(日本童謡協会など主催)に、函館の声楽家、島聖子さんが指導している教え子3人が出場する。島さんと3人は「目指すは全国大会」と間近に迫る本番に向け意欲をみせている。

 全道大会には子ども、大人、ファミリーの3部門があり、歌詞の発音や歌唱力などを試すテープ審査で各部門7、8組を選考。全道大会で最優秀賞を受賞すると、11月に東京で開かれる全国大会に出場できる。

 島さんの教え子で全道大会へ進むのは、子ども部門に函館深堀小6年の伊藤希君(11)、同駒場小5年の寺井りりかさん(10)。過去3回の出場経験を持つ伊藤君は「また全道に出れてうれしい。次は全国の舞台に立ってみたい」、寺井さんは「大きな舞台で聞いている人たちに童謡の楽しさが伝わるよう表現したい」と話す。

 大人部門では函館市内でピアノ講師を務める坂本明子さんが出場する。坂本さんは「高い技術を持つ歌い手の集まる全道大会は勉強の場。大きな舞台でいろんなものを吸収できれば」と話す。

 全道大会の出場権を獲得した3人に対し、島さんは「全道大会は成長の場でもある。思い切って実力を発揮してほしい」と期待している。(長内 健)