2010年8月6日 (金) 掲載

◎はこだて国際民俗芸術祭開幕

 10カ国の民俗舞踊団やアーティストが音楽やダンスを披露する「第3回はこだて国際民俗芸術祭」(組織委主催)が5日、函館市内で開幕した。初日は、市民が民俗舞踊を体験するワークショップが末広町4の市地域交流まちづくりセンターで行われた。関係者によるレセプションも元町18のカフェペルラで行われ、参加者は6日から始まるフリーステージの成功を祈った。同芸術祭は11日まで。

 歓迎レセプションには、イタリア、ウクライナ、スペイン、ペルー、ギニア、アメリカなど各国のアーティストと芸術祭スタッフの合わせて約200人が参加した。代表理事のイアン・フランクさんが各国のアーティストを紹介すると、大きな歓声と拍手が会場を包んだ。

 西尾正範函館市長も駆け付け、「今日は大いに楽しんで明日からの力にして」とあいさつ。会場ではもちつきも披露され、参加者は写真を撮るなど興味深げに見つめていた。ペルーの「フォルクローレグループ」のロシオ・バスコネスさんは「ペルー本国から13時間かけて来たメンバーもいる。初めての参加だが楽しみたい」と笑顔を見せていた。

 ワークショップ初回のこの日は、チュバシ共和国の「州立アンサンブル」とスペイン・バスクの「アルカルタスナ」のメンバーが登場した。チュバシ共和国の回には市民ら約40人が参加。民俗衣装に身を包んだメンバーが同国の踊りや歌を披露し、参加者も一緒に踊りを楽しんだ。

 軽快な音楽に乗り、ステップをする参加者もおり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。富岡町の三野和江さん(68)は「歌も踊りも素晴らしくて楽しめた」と話していた。

 ワークショップは6、7の両日も行われる。いずれも午前と午後の2回。6日は同まちづくりセンターでぺルーの「フォルクローレグループ」、沖縄の歌手(島唄)稲垣孝憲さんが登場し、元町公園のフリーステージには、バスクの「アルカルタスナ」、イタリアの「ヴァル・レシア」などが登場する。(黒田 寛)



◎函館、3年ぶり真夏日

 函館海洋気象台によると、5日の道南地方は高気圧に覆われて各地で気温が上昇した。函館では午後4時23分にこの日の最高気温30.4度を記録。ことし初で、2007年8月以来3年ぶりの真夏日となった。

 木古内と北斗、松前はことしの最高気温を更新し、それぞれ32.4度、29.6度、29.1度に。このほか29度以上は森29.8度、厚沢部29.4度、今金29.1度、せたな29.0度だった。

 函館市根崎町の湯川海水浴場には、午前中から大勢の家族連れや若者のグループなどが続々と訪れ、平日にもかかわらず1500人もの人出を記録した。来場者は、雲の隙間から時おり照りつける強い日差しを受けながら、涼を求めるように波とたわむれた。

 同市桔梗町の村田菜奈さん(20)は、帰省中の高校の同級生ら4人で訪れた。「今日は蒸し暑いので海は最高。肌を焼きながら友達とたくさん遊びたい」と笑顔を見せていた。

 一方、本町や五稜郭町などの街中では、市民が暑さを避けたためか人影もまばら。札幌から観光で箱館奉行所を訪れた佐藤洋介さん(45)は、「函館もじめじめしているので驚いた。早くビールを飲みたい」と話していた。

 同気象台によると6日は曇り、日中の最高気温は渡島が31度、桧山は29度で、引き続き蒸し暑い日になるという。(小泉まや、長内健)



◎大沼プリンスが冬期休業へ

 【七飯】函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉、斎川昭雄支配人)は5日、今年の営業を11月23日までとし、冬場を休業する方針を固めた。営業再開は来年4月16日を予定。冬期間の宿泊客が伸び悩み、慢性的に不採算状態が続いていることから、営業基盤の立て直しの一環で冬期休業を決めた。同ホテルの斎川支配人は「休業をマイナスイメージととらえず、営業の立て直しを図るためのきっかけにしたい」としている。

 ホテルの宿泊営業のほか、併設するレストラン2カ所、温泉施設、売店、カラオケルームも休業する。休業中、社員ら48人は系列グループの宿泊施設などに勤務する予定。4日、斎川支配人が従業員に説明したほか、町や大沼観光協会にも伝えた。

 同ホテルを運営するプリンスホテル(東京)管理部は、来年度以降の冬期営業について未定とする一方、2015年度には北海道新幹線の開業や、北海道縦貫自動車道が大沼まで開通される見通しなどから「将来的に明るい材料があるので今回の休業を営業基盤の強化につなげたい」としている。

 大沼観光協会の堀元会長は「冬場の休業は残念だが、会社としての最善の策であればやむを得ない」と話す。

 同ホテルは1990年7月に開業。宿泊客数は2002年度の14万8000人をピークに減少傾向にある。ここ3年間は10万人台を割り、09年度は5万800人にとどまっている。(鈴木 潤、田中陽介)


◎夜に映える松前城、ライトアップ試験点灯

 【松前】町は4日夜、松前城などのライトアップの試験点灯を行った。松前神社から龍雲院につながる通路には竹灯りも設置され、幻想的な雰囲気を漂わせた。

 ライトアップは本年度、町が計画。松前城、寺院などのライトアップで夜間の景観の魅力アップを図り、観光客の滞在時間延長、宿泊者増につなげることが狙い。来年春のさくらまつりの時期には本格的な点灯につなげたいとしている。本格点灯では光善寺や法源寺などもライトアップする予定。

 LEDの電球を使った投光機を使用し、消費電力を抑えた。松前城では5台の投光機を使い、城壁としゃちほこに光を当てた。白い壁が暗闇の中に浮かび上がると、歓声が上がった。

 また、龍雲院の惣門、松前神社の本殿、鳥居もライトアップ。龍雲院につながる通路には、竹の筒にろうそくを入れた「竹灯り」も設置された。

 この日、松前神社境内ではあじさい祭りも開かれたため、大勢の町民らが訪れ、照明に照らされた松前公園を満喫した。町内に住む川岸利夫さん(65)、恵美子さん(60)夫妻は「すごく雰囲気がいい。普段とは違う松前城の表情を楽しめた」と満足そうに話していた。

 前田一男町長は「松前公園の夜間の景観整備、さらに白神岬での早朝の野鳥観察をPRし、宿泊客を増やしていきたい」と話した。(松宮一郎)


◎1億円の重さ体感、日銀支店で親子見学会

 夏休みに合わせ、日本銀行函館支店(函館市東雲町)で5日、小学生と保護者を対象にした親子見学会が開かれた。募集定員を大幅に上回り、急きょ開催日を追加する人気ぶり。参加者は支店の業務を楽しみながら学び、お金の価値について知識を深めた。

 同支店が子どもたちに金銭感覚を身につけてもらおうと、全国に先駆けて2006年から毎年開催している。小学1、2年生を対象にした見学会は当初5、6の両日に計4回の開催予定だったが、応募者が殺到したため、日数や回数を増やして対応した。

 5日は市内の親子連れら約150人が参加。児童らは模擬紙幣でつくられた10`相当の1億円の重さを体感したほか、1万円の裁断くずでできた「1億円のいす」の座り心地を確認。カレー食材を購入する買い物ゲームでは献立のやり繰りに知恵を絞っていた。

 函館亀田小2年の工藤颯太君は「1億円は重かった。お金は大事にしようと思う」。自営業の父直さん(42)は「1億円を稼ぐのがどれだけ大変なことか、しっかり分かる子に育てたい」と話していた。見学会は6、9、10日にも開かれるが、既に募集は締め切っている。(森健太郎)