2010年8月7日 (土) 掲載

◎九重部屋の合宿始まる

 【福島】町出身の九重親方(元横綱千代の富士)率いる九重部屋の夏合宿が6日、町福島190の横綱記念館で始まった。町民や観光客約30人が見守る中、若手力士12人が汗まみれになりながらぶつかりげいこなどを行った。

 合宿は1997年の同館オープン以来続く夏の恒例行事。秋場所に向け、暑さが厳しい東京を離れて福島町でパワーアップを図る。

 午前7時から館内の土俵でけいこを開始。準備体操の後、ぶつかりげいこをこなし、同9時までみっちりと体を動かした。力士の掛け声と体がぶつかる音が響き、館内は熱気に包まれた。

 この日は九重親方は不在だったが、8日から18日まで指導にあたる。部屋頭の十両千代白鵬と三段目の千代白龍は巡業のため、12日の朝げいこから合流する予定。

 幕下の千代の国(20)は「福島は自然がいっぱいで食べ物もおいしい。けいこに集中できる環境。体と精神面を鍛えて秋場所に臨みたい」と抱負を語った。家族3人でけいこを見学した札幌の杉沢千香子さん(44)は「力士の迫力に圧倒された。また見に来たい」と笑顔で話していた。

 夏合宿は20日まで。午前8時から同10時ごろまで見学することができる。7日は休み。入館料大人500円。高校生以下250円。町民は無料。(松宮一郎)



◎真夏日続く 函館で33度、観測史上4位、ビアガーデンにぎわう

 6日の道南地域は、太平洋高気圧に覆われ暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、各地で真夏日を観測した。5日に最高気温30・4度を記録した函館は、この日も午前中から気温が上昇し、午前11時49分に今季最高で観測史上4位となる33・0度を記録した。

 函館海洋気象台によると、函館のこれまでの最高気温は1999年8月14日に記録した33・6度。このほか木古内が観測史上1位となる34・1度となったほか、厚沢部鶉で33・1度、北斗33・0度、森32・2度、せたな32度、八雲31・9度、奥尻31・8度、松前30・7度、今金30・9度、江差で30・4度だった。

 函館市消防本部によると、6日午後5時までに40代男性と40代女性、60代女性の3人が熱中症の疑いで市内の病院に救急搬送された。いずれも軽症で命に別状はない。市立函館保健所によると、熱中症の予防にはのどが渇いたと感じる前の水分補給が大切といい、「就寝前にしっかり水分をとってほしい」と呼びかけている。改行 函館海洋気象台によると、7日も函館は最高気温が30度を超える予想で、13日ごろまでは27度以上の暑さが続くとみている。

 連日の暑さでにぎわいを見せているのがビアガーデン。函館市梁川町のホテルテトラでは、300人を収容できるスペースが連日満員の状態。同ホテルでは「きょう(6日)は事前予約で埋まっているため、当日に問い合わせがあった数組を断らなければならなかった」とうれしい悲鳴。

 また冷房の効いた涼しい室内でスポーツを楽しもうと、ボウリング場も例年以上の人出。函館市昭和のオークランドスターボウルでは、夏休み期間に入ってから家族連れや学生たちの数が目立って増えている。ただ、5日に比べると6日の人出は少なめで、「あまりに暑すぎて外出するのを控えているのでは」とみる。

 暑さの影響を受けるのは人間だけではない。ロードサービス大手の日本自動車連盟(JAF)の函館支部(函館市西桔梗町)によると、今年はバッテリー上がりやオーバーヒートに対する出動が増えている。ただ一番忙しくなるのは帰省ラッシュに当たる8月15日前後で「慣れない長距離ドライブをする時は、事前の点検をしっかりしてほしい」と訴えている。

 一方、市内の家電量販店では、猛暑特需とも言える状況に。函館市亀田本町のコジマNEW函館店では7月上旬から3000円以下の小型扇風機が爆発的に売れているという。同店は「除湿機も飛ぶように売れ、店に在庫がない状況が続いている。昨年冷夏だっただけにその反動なのかも」と驚いている。



◎100歳以上 函館市「全員の所在を確認」

 全国的に100歳以上の高齢者が行方不明となっている問題で、函館市は6日、市議会民生常任委員会(斉藤佐知子委員長)に、市内に住む100歳以上の高齢者について「全員所在を確認している」と報告した。

 市の100歳以上の高齢者は93人(100歳42人、101歳以上51人)。川越英雄福祉部長は93人のうち83人が要介護認定を更新し、「訪問調査員が出向き、本人に会って直接確認している」と述べた。このほかの高齢者は入院、通院で後期高齢者医療制度などを利用しているとした。

 また須田正晴市民部長は、93人のうち85人は被保険者で残り8人は生活保護を受給していることを明らかにし「83人は保険証を送付して受け取っており、昨年度に医療機関にかかった実績がある」と説明した。

 委員からは「職員が手分けして訪問し、全員の所在を確認すべき」との指摘があった。川越部長は「国から確認方法についての通知が発送される予定で、それに基づいて確認したい」と答えたが、斉藤委員長は「全国的な問題だ」として積極的に行動するよう求めた。(千葉卓陽)


◎ヒグマに注意 出没情報相次ぐ 函館で家畜に被害も

 函館市郊外で、ヒグマの出没情報が出始めている。6日までに市に寄せられた情報は数件にとどまっているが、市は「お盆以降に間違いなく増加する」と警戒。ことしに入ってから家畜が被害を受けた例もあり、市や渡島総合振興局は農業者に対して自衛を呼び掛けるとともに、入山者に対しては単独行動を避けるよう求めている。

 市内では4日、新中野ダム公園(亀田中野町363)付近で子グマ1頭の目撃情報があり、同公園を一時閉鎖したが、6日までに寄せられた情報は「1、2件程度」(農務課)という。トウモロコシなどが食い荒らされるなどの農業被害はまだ出ていない。

 しかし、鉄山町185の谷地山牧場(旧・市放牧場)では、放牧されている子馬が、5月ごろからヒグマに襲われる被害が相次いだ。同牧場の一部を借り受ける秋山邦雄さん(65)によると、これまでに6頭が死に、2頭がけがをしたという。

 牧場内では7月2日に鉄製のおりを設置。同15日にはヒグマ1頭を捕獲したが、「次から次へと出てくる」(秋山さん)と、今月4日には地元猟友会のハンターら約15人が出動して2個目のおりを設けた。秋山さんは「少しでも被害を防ぎたい。銃がなくても、おりに入ってくれればいいのだが」と、悩ましげな表情で話す。

 渡島総合振興局によると、管内でのヒグマの捕獲頭数は昨年度が90頭で、うち函館市は13頭。本年度は4日現在で23頭(函館市は2頭)と少ないが、収穫期を迎える9月以降が要注意としている。

 同振興局や市は、ヒグマ対策としてワイヤに触れると電気ショックを与える「電気さく」を希望者に無償貸与している。購入の場合は国からの助成も出るが、「400bかけるだけで40―50万円かかる」(市農務課)と高額で、広範囲にかける必要があるため、思うように普及が進んでいないのが現状だ。

 夏から秋にかけては、冬眠前のヒグマが人里に下り、農作物を食べ荒らす被害が増える時期。同課は山に入る際の対策として▽単独行動を避ける▽ラジオや鈴など音が出るものを携帯する▽ヒグマの行動が活発になる早朝や夕方を避ける―などを呼び掛けている。(千葉卓陽)


◎エフロードにトライアル出店 25日にオープン

 ディスカウントストア大手のトライアルカンパニー(福岡市)は、函館市北美原1の商業施設「エフロード」内に、「スーパーセンタートライアル北美原店」を開業する。オープンは25日の予定。市内初の24時間営業の大型スーパーの進出で、同社は「将来的には市内に複数店舗を開設したい」としている。

 出店するのは2008年4月から食品スーパー「旭友ストアーエフロード店」が営業し、同12月の撤退後に空き店舗となっていたエフロード内。エフロードを所有する美原商業協同組合と賃貸契約を結び、テナントとして入居する。

 トライアルの道南での出店は、北斗市七重浜7の旧カウボーイを衣替えした「上磯店」に次いで2店舗目。売り場面積は約2050平方メートルで、同社のプライベートブランド(PB=自主企画)商品を中心に低価格販売に力を入れる方針。

 従業員はパート約100人を地元採用する。住宅街に立地するため、午後10時以降は商品の搬入作業は行わず、駐車場の一部も利用を制限する予定。周辺は魚長やマックスバリュ、道南ラルズなど食品スーパーがひしめく激戦区で、価格競争や顧客の奪い合いが一層加速しそうだ。(森健太郎)