2010年8月8日 (日) 掲載

◎満員の観客 全員で合唱 函館野外劇最終公演 

 函館野外劇の第23回公演「星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)の最終公演が7日夜、国の特別史跡・五稜郭跡の特設ステージで開かれた。客席は約1460人で満員となり、函館の歴史絵巻を楽しんだ。

 今年は7月9日開幕。観客は華麗なフラッグダンスや大迫力の箱館戦争のシーンに見入った。箱館奉行所開館を祝い、五稜郭築城の場面では「号外、号外、箱館奉行所が完成したよ」とのナレーションが入った。

 フィナーレは出演者全員が舞台へ登場し、テーマ曲「星のまちHAKODATE」を観客とともにペンライトを振りながら合唱。終演後、同会の寺坂伊佐夫副理事長は「11日間で延べ6000人のボランティアがこの野外劇を支え、無事最終日を迎えられた。箱館奉行所のオープンで五稜郭の存在意義はますます重みを増した。この劇が25、30回と続くよう、今後もご支援をお願いします。また来年、この城の城でお会いしましょう」とあいさつした。

 期間中の入場者数は約9000人となり、1万人を割り込んだのは2年連続となった。

 来場した函館市亀田本町の岩田照美さん(66)は「ほとんど毎年観劇するが、最終日は初めてで、いつもより感動した。市民で支える野外劇はこれからも続けてほしい」と話していた。(山崎純一)



◎久しぶり! 再会喜ぶ

 お盆を古里で過ごす人たちの帰省ラッシュが7日、始まった。函館でも、空路やJRを利用して帰省する人たちの姿が見られ、出迎えた家族らと久しぶりの再会を喜び合っていた。

 航空各社によると、本州から函館に向かう便は9日から混雑。本州方面への便は15日以降に本格的に込み合うという。JR函館駅によると、札幌や本州からの特急では8、9日がほぼ満席。本州方面への列車も8日がほぼ満席で、9日以降も混雑が続くという。

 函館空港(高松町511)では7日、大きな荷物を抱えた帰省客でにぎわった。千葉から函館に帰省した会社員の男性(20)は「1週間くらい実家でのんびりしたい」と笑顔を見せていた。

 JR函館駅(若松町12)でも土産物を手に特急に乗車する人たちの姿が見られた。8連休を取得し、札幌市の実家に帰省するという函館の会社員、高橋健さん(38)は「去年の夏は仕事で忙しく帰省できなかった。今年は昔の友人と再会する楽しい予定を立てています」と声を弾ませていた。(長内 健、黒田 寛)



◎部員7人 伝統守る 珠算の甲子園≠ナ入賞

 千葉県で3日に開かれた全国高等学校珠算競技大会(全国商業高等学校長協会など主催)で、函館商業高校珠算部(宮谷真弥部長)が珠算・電卓の両部門で入賞した。珠算の甲子園≠ニも呼ばれる大会に向けて、部員7人が切磋琢磨(せっさたくま)してきた成果が表れた。秋には3年生5人が引退し、部員は2年生2人だけとなるが、3年生は「珠算部の長い伝統を継いでほしい。わたしたちも応援していく」と期待している。

 同大会はそろばんや電卓を使い、見取り算と応用問題2つの総合得点を競う。

 5月末の全道大会団体戦で同校は電卓、珠算それぞれで優勝、準優勝に輝き、個人戦でも両部門合わせて7人全員が入賞。珠算部門に126校300人、電卓部門に82校186人が出場した全国大会では、団体競技でそれぞれ16位、9位に、個人競技でも3年の新井田琴江さん(17)が入賞するなど大健闘だった。

 部員7人は、全国大会で2度の優勝経験を持つ谷口真一教諭(33)の指導で週6日、練習問題に専念。谷口教諭自らが作った難易度の高い応用問題と毎日向き合い、大会で実力を発揮した。

 しかし、この秋に活動を引っ張ってきた3年生が引退を迎える。谷口教諭が顧問になった2008年の秋も、現在の3年生2人だけだった。少ない人数で互いを励まし合う苦しい時期もあったが、やがて部員が増えると夏の大会に向けた意欲も増してきた。

 3年生の宮谷部長(18)は「入賞できたのは谷口先生のおかげでとてもうれしい。部活を離れても応援していきたい」と語り、2年生の光森愛香さん(16)は「来春は新入生を積極的に勧誘して全国大会を目指したい」と張り切っている。

 谷口教諭は「全員が最善を尽くした結果で悔いのない大会になったのでは」とし、「珠算部は120年もの歴史がある。新入生が入ったら、そこからまた地道に頑張りたい」と話している。 (長内 健)


◎水しぶきあげバトル

 牛乳パックを使った手作りのボートでタイムなどを競い合う「金森ミルクパックボートレース」(同実行委主催)が7日、函館市豊川町の金森赤レンガ倉庫BAYはこだて掘割で開かれた。小学生から一般まで10チームが参加。連日の猛暑が続く中、水しぶきを上げながらさわやかなバトルを繰り広げた。

 同レースは函館港まつりの協賛行事として1990年から開催され人気を集めたが、諸事情により92年を最後に休止。しかし、函館開港150周年を迎えた昨年、17年ぶりに復活した。

 復活から2回目となる今回は、一般8チーム、小学生2チームが参加。タイムだけでなく、ボートのデザインも加えた総合評価で順位が決まるため、工夫をこらした多彩な船が次々と姿を表し、市民や観光客ら多くの観客を楽しませていた。

 小学生の部で優勝したのは北美原小学校のカオスユニコーン号。同小6年3組のクラス全員が2カ月かけて作ったボートに、4人のクラスメートが代表して乗り込んだ。チームリーダーの菊地來君は「クラスの思いが詰まったボートで優勝でき、とてもうれしい。中学生になっても同じメンバーで出場したい」と喜んでいた。

 このほか、一般の部ではまちづくりセンターのまちせん箱館丸が優勝した。 (小川俊之)


◎調定、収入額 2年連続減

 渡島総合振興局は2009年度の管内道税収入決算見込みをまとめた。調定額は前年度比6.9%減の245億1800万円、対する収入額は同7.6%減の226億4800万円にとどまった。調定、収入ともに2年連続の減少で、徴収率は92.3%と近年では最低。長引く不景気のあおりを受け、主要税目が軒並み減少した。

 主要税目別の収入額は、個人道民税が同1・8%減の107億3400万円。法人道民税は18.5%減の5億3300万円で、ともに不況による所得の減少が大きく影響し、地元経済の低迷を浮き彫りにした形だ。唯一増えたのは、軽油引取税で同6.6%増の15億3400万年。前年度の暫定税率失効と数量の増加のため。

 土地・建物の売買や譲渡にかかわる不動産取得税は、不動産取引の減少で同15.9%減の11億6700万円。自動車税は、課税対象自動車台数減で同2.1%減の59億9200万円。自動車取得税は、販売低迷とエコカー減税の影響から同32.2%減の7億8700万円だった。

 全道分の収入額は、同10.6%減の5236億2800万円。軽油引取税が45億2300万円の増となったが、法人事業税が388億3400万円減、地方消費税が96億7500万円減となり、前年度より計620億5500万円下回った。

 渡島の未収額は累積17億4400万円で7割が個人道民税。同振興局納税課は「経済状態がそのまま数字として表れた。景気回復の兆しの声が聞かれているが、今年3月末時点においては、景気上昇の芽は出ていなかったとする見方が強い。一年後は、今より若干良くなっていると推測できるが、急激なばん回には難しいと思う。いずれにしても個人道民税などの収納対策に力を入れたい」としている。(田中陽介)