2010年9月16日 (木) 掲載

◎国立函館病院がリンパ浮腫外来を新設

 国立病院機構函館病院(函館市川原町18、石坂昌則院長)は14日から、乳がんの手術後に腕などが太くなるリンパ浮腫(ふしゅ)の専門外来を新設した。道南の総合病院では初めてで、同病院は「今はリンパ浮腫の治療が可能となった。一人で悩まず相談に来てほしい」としている。(鈴木 潤)

 リンパ浮腫は乳がんの手術でリンパ節を切除した際、リンパの流れが悪くなり、腕や脚がむくんだり、腫れてしまう症状。手術後にはすぐに症状が現れず、一度太くなると根治が難しいとされている。

 これまでは、手術の後遺症と認識され、医療機関でも十分な対応ができなかったのが実情だ。

 がんの予後治療に力を入れている同病院は、こうした実情や患者の声を受けて体制づくりに着手。6月には看護師2人がリンパ浮腫指導技能者養成協会(福岡市)認定のリンパ浮腫指導技能者を取得。日本乳がん学会認定医で、同病院の小室一輝外科医長と資格を取得した布施美江、藤尾彩子両看護師の3人で専門外来を受け持つ。

 外来ではカウンセリングの後、治療方針を決め、医師の診療や患部をマッサージする「リンパトレナージ」、セルフケアの指導などを行う。

 布施看護師は「治療に臨む患者さんの力になれれば。リンパ浮腫に苦しんでいる方はもちろん、乳がんの手術を受けた方も相談に来てほしい」と話す。

 当面、腕のリンパ浮腫のみの治療をし、専門スタッフを養成するなどして脚の部分も対応していく考え。

 外来は毎週火曜に実施し、完全予約制。受診前に検査が必要。問い合わせは同病院相談支援室TEL0138・51・0229。



◎JPS函館支部が箱館奉行所の記念切手を発行

 切手収集家でつくる日本郵趣協会(JPS、東京)の全国会員大会が25日から函館国際ホテル(函館市大手町5)で開かれるのに合わせて、大会を運営するJPS函館支部(渡利正義支部長)は、今年7月にオープンした箱館奉行所の記念切手を発行し、大会当日、50シート限定で販売する。渡利支部長は「切手収集家だけでなく一般の人も来場してほしい」と呼び掛けている。

 大会は28回目で、函館開催は初めて。26日までの2日間にわたり、切手展や切手のオークション、シンポジウムなどが行われる。

 記念切手は80円切手10枚1組で1200円。奉行所の外観の写真を使い、JPS第28回全国会員大会in函館と印刷されている。大会期間中、会場内に設けた郵便事業会社函館支店の臨時出張所で販売する。同出張所では、25日限定の消印用の記念スタンプ2種類も用意。記念切手とともに人気を集めそうだ。同出張所は25日が午前10時から、26日は同9時から開く。

 大会には会員ら約130人が出席。初日の25日が有識者の記念講演やパネルディスカッションのほか、午後5時半からの記念パーティーの時間帯に切手オークションが行われる。2日間にわたり開かれる切手展では、希少価値の高い名品、珍品切手を特別に披露。函館支部や全国各支部の会員が所有する切手も併せて展示する。東京などの切手専門店や販売業者13組も出店する。

 渡利支部長は「めったに見ることができない切手が集まるまたとない機会」と話す。

 入場無料。参加申し込み、問い合わせは事務局次長の佐藤純司さんTEL0138・54・8302。(鈴木 潤)



◎函館市議会、行財政改革推進へ懇話会設置へ

 函館市議会の第3回定例会は15日も一般質問を継続し、6氏が質問に立った。西尾正範市長はさらなる行財政改革の計画策定や推進に向けて、年内をめどに外部の有識者からなる懇話会を立ち上げる考えを明らかにした。

 茂木修氏(公明党)の質問に答えた。

 市は2008年に「行財政改革新5カ年計画」を策定。行革の累積効果額を160億円、病院局を除く職員削減数の目標を650人と定め、12年までを計画期間としている。

 茂木氏が「外部の意見を取り入れた行革の推進が必要」とただしたのに対し、西尾市長は「職員数や経費削減ばかりでなく、市役所の仕組みの見直しや職員の意識改革など全般にわたった取り組みが必要」と答弁。新たな行革の計画策定と推進について「市民を含めた外部からの意見・提言を採り入れていくことが肝要。基本的な考え方を整理するにあたり、懇話会的なものを立ち上げたい」とした。

 市行政改革課は懇話会について「5カ年計画の期間が残り2年となり、新たな視点で行革を進めていかなくてはならない。まずは市民の視点で行財政の取り組みを聞きたい」と話し、年内開催に向けてテーマ設定や人選などの制度設計を進める方針。

 また、上戸慶一総務部長は7、8月に実施した「事業レビュー」での評価結果について「10月下旬をめどに都市経営会議で方針を決め、結果を公表したい」と述べた。道畑克雄氏(民主・市民ネット)への答弁。

 このほか北原善通氏(市民クラブ)、紺谷克孝氏(共産党)、阿部善一氏(民主・市民ネット)、竹花郁子氏(無所属)が登壇した。一般質問はこの日で終了。17日に各常任委員会を開き、本年度一般会計補正予算案など議案10件を審議する。(千葉卓陽)


◎棒二森屋で「大京都まつり」

 京都の老舗の逸品を集めた物産展「第33回おいでやす大京都まつり」が15日、棒二森屋本館7階催事場で始まった。京都・先斗(ぽんと)町から来函した芸妓(げいこ)の市笑さんと舞妓(まいこ)の市楽さんの舞台もあり、催事に花を添えた。

 京都府物産協会などの主催で、今年は京都にある工芸品19社と食品41社が出店。初登場の布小物店「一布や」では京都産の織物柄の巾着付きバッグが人気を集めたほか、食品では弁当や総菜、和菓子などを会場で実演販売する店も多く、職人の手さばきを見入る人だかりができていた。

 初日は芸妓と舞妓の2人が会場内の特設舞台で京の踊りを計3回披露。空き時間にはあでやかな着物姿で会場を練り歩き、京都の魅力をPRしていた。市内の女性は「函館にいながら京都に旅行しにきた気分」と笑顔だった。

 会場では20日まで、函館の各流派による日替わりの茶席が設けられているほか、19日には会場で3150円以上購入した人を対象に京都の物産などが当たる抽選会もある。 物産展は21日まで。午前10時—午後7時(最終日は午後6時まで)。問い合わせは同店TEL0138・26・1211。(森健太郎)


◎亀田八幡宮例大祭で神輿渡御

 函館市八幡町の亀田八幡宮(藤山豊昭宮司)の例大祭は15日、例祭を迎え、神輿(みこし)渡御が行われた。氏子らがみこしを担いで勇壮に練り歩き、威勢の良い声を響かせた。

 午前9時に亀田八幡宮を出発したみこしは、八幡通りや桐花通りを経由し正午ごろに亀田港町会館に到着。休憩後は大野新道から国道228号に抜け、港町や北浜町を通り午後4時過ぎに亀田八幡宮に戻った。この日の函館の最高気温は平年を4・6度上回る27度まで上昇。担ぎ手は汗だくになりながらも「わっしょい、わっしょい」と力強い掛け声を発しながら約10キロの行程を進んだ。

 神輿渡御は16日も行われ、白鳥町や中道、富岡方面を巡る。また亀田八幡宮境内では午後6時半から「民謡と舞踊の夕べ」、同7時半から「江戸芸かっぽれ」、同8時から「よさこいソーラン演舞」などが行われる。(小川俊之)