2010年9月2日 (木) 掲載

◎函館31.4度 9月も真夏日 88年ぶり記録更新

 9月なのにまた真夏日―。1日の本道は南から暖かい空気が流れ込んだ影響で各地で気温が上昇。函館海洋気象台によると、道南の最高気温は木古内32.5度、八雲町八雲31.6度、北斗31.4度、函館31.4度、長万部30.8度、森30.3度、松前29.9度、せたな29.3度でそれぞれ9月として過去最高となった。江差は30.0度で過去4番目、厚沢部町鶉は29.6度で同3番目、今金は29.2度で同2番目の高さだった。

 函館で9月に真夏日となったのは1938(昭和13)年9月5日以来で、最高記録は1922(大正11)年9月4日の31.1度を塗り替えた。9月1日の最高気温の平年値は24.4度で7度も高いことになる。午前8時には27度を超え、日差しが本格化してきた同10時ごろからぐんぐん気温が高くなり、午後1時すぎに30度を超え、同3時0分に88年ぶりの記録更新となった。

 研修旅行などで市内西部地区を訪れている子どもたちは首に巻いたタオルで顔をふきながら歩き、日陰を見付けては休みながら歩いていた。地域の買い物客も同様。市内豊川町の主婦は「(暑さは)もういいです、と空に向かって言いたい。子どもたちもかわいそう。早く外を歩くのに苦にならない気温になってほしい」と話し汗をぬぐっていた。

 同気象台によると2日の本道は日本海の高気圧に覆われ、渡島、桧山とも晴れとなり、最高気温は渡島で31度、桧山で30度と予想している。(山崎純一)



◎今夏の平均気温 過去最高 平年より2.7度高い21.6度

 気象庁は1日、今夏(6―8月)の日本の平均気温が平年差プラス1.64度となり、夏として統計を開始した1898年以降最も高かったと発表した。また、函館海洋気象台が同日にまとめた夏の気象状況によると、平均気温は函館21.6度(平年差プラス2.7度)、江差21.6度(同2・1度)で、ともに過去最高だった。

 気象庁によると、今夏の記録的な暑さの原因は、オホーツク海高気圧や寒気の影響をほとんど受けなかったことや、上空の偏西風が日本付近で平年よりも北に偏って流れ、太平洋高気圧に覆われたことなどが挙げられる。背景として、二酸化炭素などの温室効果ガスが増加し、地球温暖化の影響が現れているものとしている。

 渡島、桧山ではすべての観測地点で「かなり高め」の気温となり、平均気温は平年より1.5〜2.7度高かった。函館で平均気温が平年値を下回ったのは計12日。6月下旬、8月の上旬と下旬は平年より5度以上高く、3度以上高かったのは計37日あった。特に暖かい空気が流れ込み最低気温が下がらなかった。8月の最低気温の平均は21.2度で、平年より3度高かった。8月7日は24.5度でこれまでで最も高く、8月下旬に入っても20度を下回らず(25日除く)寝苦しい夜が続いている。

 8月は各地で特に記録的な暑さとなり、気象庁が観測する全国154地点で77地点で月平均の最高を更新。道南では(気象庁観測以外を含む)森23.2度、北斗24.1度、木古内24.0度、せたな23.8度、奥尻24.3度で過去最高となった。函館は平年より3度高い24・7度、江差は同2.4度高い24.8度でともに2番目の高さだった。8月6日には木古内34.1度、奥尻31.8度と観測史上最も高い気温となり、函館33.0度は過去4番目の高さだった。

 一方で雨の多い夏でもあり、各地の降水量はほとんどが多く推移した。函館は359.5ミリで平年並み、江差は451.5ミリで多かった。8月11日から12日にかけて、発達した前線と台風4号の影響で激しい雨に見舞われたたことが大きかった。一日の降水量は、森で同12日に102.5ミリ、八雲町熊石で同11日に166.0ミリと8月として最高を記録した。

 日照時間はほとんどが平年並みとなった。函館は489.1時間(平年475.0時間)で平年並み、江差は410.4時間(同486.3時間)で少なかった。(山崎純一)



◎北海道新幹線 万太郎路盤など工事着工 

 【北斗】2015年度開業予定の北海道新幹線の万太郎路盤ほか工事区間の安全祈願祭が1日、市三好の工事現場で行われた。新函館駅(仮称)までの区間で最後のトンネルとなる「万太郎トンネル」が含まれ、新幹線はトンネルを抜けた後、南側にある函館湾を挟んで函館山を望みながら、新駅に向かうことになる。

 工事区間は、三好地区にまたがる全長1877メートル。このうち、1160bが盛り土工事などを行う路盤区間で、全長530メートルの万太郎トンネルや橋りょう、高架橋部分計187メートルの工事が含まれる。総工費は30億7650万円で、13年2月に完成予定。同区間の着手で、車両基地を含めた北斗市、七飯町側の13工区のうち、8工区が着手済みとなった。残る5工区も本年度中に発注される見通し。

 安全祈願祭には鉄道・運輸機構をはじめ、道や北斗市、工事関係者ら約100人が参列。神事の後、鉄道・運輸機構道新幹線建設局の名越次郎局長、高谷寿峰市長らがかま入れを行い、玉ぐしをささげて、工事の安全を祈願した。

 名越局長は「目の前で工事が完成に向かっていることが実感していただける」とあいさつ。高谷市長は「新幹線が間近に迫っていると実感している。市も駅前開発や観光振興に力を注ぎたい」と期待感を示した。(今井正一)


◎7月の道南経済動向 観光持ち直し上方修正 猛暑で個人消費も好調

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は1日、7月の道南の金融経済動向を発表した。公共投資が予算の削減で頭打ち感を強めているものの、昨年流行した新型インフルエンザの影響による反動増や函館競馬場の改装オープンなどで低迷していた観光が復調傾向にあり、同支店は景気判断を「持ち直しや下げ止まりの動きが広がり、厳しい状況が緩和されつつある」とした。

 全9項目のうち「観光」を2カ月ぶりに上方修正した以外は、前月(6月)までの判断を据え置いた。市川支店長は「猛暑やエコカーの買い替え補助制度に伴う個人消費の好調ぶりは一時的な特殊要因であり、今後、株価の低迷や公共事業の削減など景気の下押し圧力も懸念される」と先行きに慎重な見方を示す。

 個人消費は高温で夏物衣料やエアコンなど季節家電が好調で、主要小売店10社の売上高が前年同月比2・0%増と4カ月連続でプラス。一方、株価下落の影響で宝飾品やブランド品など高額品の動きは鈍った。新車登録台数は9月末で一部終了となる買い替え補助制度の駆け込み需要も出始め、乗用車(軽乗用車を含む)は同21.1%増と12カ月連続で前年を上回った。

 観光は前年同期に新型インフルの影響で落ち込んだ反動や競馬関係者の入り込み増、箱館奉行所のオープンなどが相まって、いずれの指標も対前年比2けたの急伸。「前年に渡航を控えていた外国人客も増えていて、リーマンショック前の一昨年の水準まで回復してきた」(同支店)。

 主要ホテル20社の宿泊客数は同12.2%増で5カ月連続で前年を上回った。函館空港乗降客数は国内便(同12.3%増)、国際便(同5939%増)とも前年実績を上回り、全体(同14.1%増)では7カ月連続で増加。函館山ロープウェイ(同27.2%増)や五稜郭タワー(同12.2%増)の利用客も大幅改善した。

 公共投資は参院選の影響による工事発注の遅れもあり、同31.3%減と3カ月連続で大きく落ち込んだ。函館市内の設備投資は店舗の新設や保育園などの着工があり、棟数、床面積ともに急増。住宅投資は持ち家が同19・0%減と不振が続く一方、マンションなど大口案件の着工で分譲や貸家が大幅に増え、全体では同2.3倍と前年を上回った。(森健太郎)


◎北海道新幹線 万太郎路盤など工事着工 

 【北斗】2015年度開業予定の北海道新幹線の万太郎路盤ほか工事区間の安全祈願祭が1日、市三好の工事現場で行われた。新函館駅(仮称)までの区間で最後のトンネルとなる「万太郎トンネル」が含まれ、新幹線はトンネルを抜けた後、南側にある函館湾を挟んで函館山を望みながら、新駅に向かうことになる。

 工事区間は、三好地区にまたがる全長1877メートル。このうち、1160bが盛り土工事などを行う路盤区間で、全長530メートルの万太郎トンネルや橋りょう、高架橋部分計187メートルの工事が含まれる。総工費は30億7650万円で、13年2月に完成予定。同区間の着手で、車両基地を含めた北斗市、七飯町側の13工区のうち、8工区が着手済みとなった。残る5工区も本年度中に発注される見通し。

 安全祈願祭には鉄道・運輸機構をはじめ、道や北斗市、工事関係者ら約100人が参列。神事の後、鉄道・運輸機構道新幹線建設局の名越次郎局長、高谷寿峰市長らがかま入れを行い、玉ぐしをささげて、工事の安全を祈願した。

 名越局長は「目の前で工事が完成に向かっていることが実感していただける」とあいさつ。高谷市長は「新幹線が間近に迫っていると実感している。市も駅前開発や観光振興に力を注ぎたい」と期待感を示した。(今井正一)