2010年9月28日 (火) 掲載

◎「ふっくりんこ」新米店頭に 品質上々 安全PR

 道南を代表する銘柄米「ふっくりんこ」の新米が27日、函館市内の一部店舗で先陣を切って発売された。新函館農協によると今年の品質は上出来で「ご飯そのものがおかずになるうまさ」と紹介。28日から市内近郊の店舗にも出回る。

 今年の稲作は、春先の天候不順や夏の酷暑と厳しい自然条件にさらされたが、農家や農協、農業改良普及センターなどが連携を図り、この難局を乗り越えた。研究機関によると、平年並みの収穫を見込んでいるという。

 ホクレンショップ函館昭和店(函館市昭和1)では27日午前、コメ売り場に「ふっくりんこ」専用コーナーを設置。渡島・桧山のコメ農家が出演するDVDを流し、「安全でおいしい、自信たっぷりのコメです」と宣伝。同店では全国の15品目を取りそろえ、そのうち客の購入割合は20%がふっくりんこだという。佐藤耕司店長は「ブランド米としての知名度が定着し、安定した人気を誇っている」と話す。

 正午すぎに同店を訪れた市内湯川町の主婦(58)は「ふっくりんこの新米を探していたので、今日発売と聞いてうれしい。地元の農家を応援するためにも、たくさん食べたい」と話していた。

 新函館農協米穀課の三浦治係長は「道南のコメは試食会で高い評価を得た。味はお墨付きで、PRにも力を入れたい」と意気込む。10月中旬に農業関係者が手掛ける、新作の宣伝DVDも披露される。(田中陽介)



◎函館市、照明灯のLED化に着手

 函館市は本年度、照明灯のLED(発光ダイオード)化に初めて着手する。本年度は川原緑道(本通3、延長490b)の照明灯をLEDに切り替える方針で、市土木部は「照度や二酸化炭素(CO2)の削減効果を検証したい」と話している。

 LEDは一般的な蛍光灯に比べて寿命が長い上、消費電力を大幅に抑えられるため、CO2の排出量削減効果が高いとされる。一方では導入費が高額のため、普及が進んでいないのが実態だ。

 市土木部によると、LED化は昨年度新たに創設した、地球温暖化対策基金を活用して実施。中核市には国から一律8780万円の補助金が計上されている。

 川原緑道は歩行者と自転車専用の道路。現在14基の水銀灯が設置されているが、設置から30年以上が経過し、老朽化も著しいことから、今回の更新でLEDに切り替える。ランプの寿命が水銀灯が1万時間に対し、LEDは4万時間と延びる一方、光の届く量が水銀灯と比較して狭いとみて、16基を目安に基数を増やす考え。

 第3回市議会定例会に提出した補正予算に、関係予算1700万円を計上。議決を経て来年2月ごろをめどに設置する方針で、市緑化推進課は「モデル的事業と位置付け、試行的に設置したい。ランニングコストがどの程度減り、照明効果がどれほど期待できるのかを含めて検証したい」と話している。(千葉卓陽)



◎中島れんばい スポンサーパスを販売 商品の割引などお得

 NPO法人日本障害者・高齢者生活支援機構(能登正勝理事長)は今月から、「中島れんばい『街』活性化プロジェクト」の一環として、廉売内の店舗での割引きなど、特典がついたスポンサー・パスを同法人で販売している。関係者は、「廉売活性化の力になれば」と期待を寄せる。

 スポンサー・パスは、青とオレンジの2種類。青が1枚1万円、オレンジが1枚2000円となっている。「中島廉売内の空き店舗を利用した「中島れんばいふれあいセンター」改修工事の費用に充てることを目的にしている。

 同パスは、廉売内22店舗で商品購入の際5%引きや、商品の無料サービスなど。毎月、第4金、土曜日に開催されるれんばい横丁に出店している店舗のほか、「函館カルビホルモン研究所」や、「BARオウンゴール」、「魂のフォーク亀しょう」などの飲食店、モーモータクシーなどでも特典や割引きがある。

 種類によってそれぞれ期限があり、オレンジが2010年12月31日、青が11年4月30日まで。期限が切れても、パスを持った人が「中島れんばいふれあいセンター」のスペースの利用を希望する場合には、減免措置などを受けられる。同法人の能登理事長は「中島廉売、れんばい横丁利用の際に役立つものなので、ぜひ手に取ってほしい」と呼び掛けている。スポンサー・パスに関する問い合わせはTEL0138-51-0026(同法人)(黒田 寛)


◎児童見た函館の魅力を報告 中の沢小で「こども町並み観察隊」

 函館の街並みの魅力を子どもたちの視点で考える「こども町並み観察隊」の活動報告会が27日、函館市桔梗5の函館中の沢小(三上清和校長、児童443人)で開かれ、参加した児童が劇や紙芝居、クイズ形式などで趣向を凝らして紹介した。

 市が子どもたちの景観教育の一環で1997年度から毎年開催していて、今年で14回目。本年度は7月中旬に同校の5年生85人が計15班に分かれて西部地区を散策し、現場で見聞きして感じた施設や店舗、歴史、文化などまちの魅力をレポートにまとめた。

 同校体育館で開かれた報告会では、各班が旧函館区公会堂や教会、金森赤レンガ倉庫群などの研究テーマを発表。函館公園のフクロウが事故に遭って保護された経緯を演劇で披露したり、摩周丸の乗船客へのインタビューを紙芝居で紹介したりするグループもあった。

 児童らは報告の中で、商店の新商品や歴史を絡めた観光ツアーなど大人顔負けの提言も盛り込み、見学に訪れた保護者らを感心させていた。北方民族資料館で学んだアイヌ文化について発表した佐藤礼美さんは「独特の文様を作るのが難しかった。知らなかった歴史をたくさん知り、函館ってすごいまちだと思った」と話していた。(森健太郎)


◎ユジノ青少年交流団が函館表敬訪問「美しい街並みに感動」

 函館市の姉妹都市・ユジノサハリンスク市(ロシア)の青少年交流団が27日、西尾正範函館市長を表敬訪問した。同市の小中学生15人が、学校訪問や観光、ホームステイ先との交流などで感じた函館の印象を西尾市長に伝えた。

 交流団の訪問事業は2001年から始まり毎年実施されていたが、昨年は新型インフルエンザの影響で中止となったため、今回の訪問は2年ぶり。今月22日から、ユジノ市内の学校に通う11〜15歳の児童、生徒15人がホームステイを行いながら、函館市内の中学校への訪問や、ハリストス正教会などの観光施設見学などを行ってきた。

 西尾市長は「ようこそ函館へ。函館で思い出とたくさん友だちを作ってください」とあいさつ。子どもたちを引率するユジノ市職員のシショワ・エレーナさん(33)は、「日本の伝統文化に触れ、子どもたちもホームステイ先と心温まる関係が築けた。両市の関係もより良いものになるでしょう」と応えた。

 子どもたちは市長に対し、「美しい街並みに感動した」「訪問先の中学校で歓迎されてうれしかった」などと感想を述べた。ボチャルニコフ・イリヤ君(13)は「温かい歓迎を受けてうれしい。今年1番の思い出になった」と笑顔を見せていた。一行は28日に離函する。(黒田 寛)