2010年9月4日 (土) 掲載

◎スイーツフェスタ始まる、ケーキや和菓子…25店ずらり

 函館近郊の和・洋のスイーツが一堂に集う「はこだてスイーツフェスタ2010」が3日、若松町の棒二森屋7階で始まった。渡島・桧山管内の菓子店25店が参加。訪れた約3500人の市民は、各店自慢の逸品がずらりと並ぶ“甘いお祭り”の会場をめぐり、おいしそうに味わったり買い求めていた。5日まで。

 函館市や渡島総合振興局、函館商工会議所、各菓子製造業者組合などでつくる実行委の主催。同フェスタを機に道南でつくったスイーツのイメージアップや販路拡大、ブランド化を推進して地域の活性化につなげようと企画した。

 オープニングセレモニーでは西尾正範市長が「市民にも観光客にも函館スイーツのおいしさを再認識してもらいたい」とあいさつ。続いて記念のもちが振る舞われた。

 甘い香りがふんわりと漂う会場には、ケーキや焼き菓子のほか、もちやだんごなどの和菓子、パンなど多彩なスイーツが集結。来場者は試食も楽しみながら、好みの菓子を探し購入していた。3種類のケーキを選んで味わえる「スイーツカフェ」では、入場チケットを求めて列ができるなど人気を集めていた。市内の男性会社員(36)は「スイーツ男子なのでこんなに種類があってうれしい。毎年開催してほしい」と話していた。

 実行委は「4日は参加店が道産食材を使用して新スイーツをつくるコンテストを開催したり楽しい催しが盛りだくさん。ぜひ多くの人に来場してほしい」とPRする。4、5日は日本茶と2種類の和菓子を楽しめる茶屋もオープンする。午前10時―午後7時(最終日は午後4時まで)。(山田孝人)



◎サハリン航空、函館支店が10月で閉鎖

 函館―ユジノサハリンスク線の定期便などを運航していたロシアのサハリン航空は、10月中旬にも函館市高松町の函館空港内にある函館空港支店を閉鎖することを決めた。昨年4月から定期便、今年7月からチャーター便がそれぞれ休止していて、当面の運航再開のめどが立たないため。

 サハリン航空日本地区総販売代理店のUTSエアサービス(札幌)などによると、8月下旬に函館市に撤退の方針を伝えたという。あらためて10月上旬にサハリン航空本社から役員を派遣し、市に対して経緯などを報告し、記者会見する予定。

 同支店は国内初のサハリン路線として運航を始めた1994年4月に開設。当初は9人体制だったが、定期便の休止などに伴い、現在は3人で運営している。現地の石油・天然ガス開発が一段落したことや、昨年3月からウラジオストク航空が成田―ユジノ線の定期チャーター便の運航を始めたことで、近年は利用客が低迷していた。

 函館市港湾空港振興課は「これまでも定期便の運航再開、路線の存続を要請してきただけに撤退は残念。市はユジノと姉妹都市提携を結んでおり、現地の資源開発の状況が変わる可能性もあるので、今後も再開を期待したい」としている。(森健太郎)



◎携帯電話用ゲーム「コロプラ」に熱視線

 携帯電話の位置情報機能を使ったゲームが、新たな観光ツールとして注目を集めている。函館国際観光コンベンション協会は、仮想世界と実際の旅行が連動した道内初の公式ツアーを開催。ゲーム内の特典を得られる実在の店舗や施設などを1泊2日の弾丸ツアー≠ナ巡り、併せて道南の魅力を知ってもらう狙いだ。旅行者のニーズが多様化する中、集客や地域振興の新たな一手として「位置ゲー」に関係者の熱視線が注がれている。

 「このコロカが欲しかったんです。広い北海道を一気に回れて、ついでに観光もできるなんて得した気分」。8月29日、公式ツアーに参加した東京都内の会社員、赤平大輔さん(34)は、後志管内寿都町にある小さな個人商店で買い物した際に受け取ったカードをうれしそうに見せてくれた。

 ゲームは携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)機能を利用した「コロプラ」。実際の移動距離に応じてもらえる仮想通貨「プラ」(1`=1プラ)を使い、仮想の街「コロニー」を発展させていく。現実と仮想空間を結びつけたことで若者や出張の多いビジネスマンらに人気を呼んでいる。

 各地の提携店で品物を買うと、店独自の特製カード(コロカ)がもらえ、そこに書かれた番号を入力すると、ゲーム内で希少な「仮想お土産」を手に入れられる。提携店以外でも、松前城や函館朝市周辺など限られた地域に行かないと獲得できないご当地土産もある。

 コロプラ人気に目をつけた同協会は、旅行会社のJTB北海道函館支店と協力して、首都圏や札幌圏の愛好者を対象にしたバスツアーを初めて企画。同協会の福嶋英人企画宣伝係長は「周遊型の広域観光の新たなモデル。各地で消費行動やそれぞれの魅力を再発見してもらうきっかけになれば」と語る。

 ツアー名は「広大な大地 みなみ北海道制覇2日間」。初日は新千歳空港から苫小牧や登別温泉などを経由して寿都町にある道南唯一の提携店・吉野商店に。その後、南下して函館市内で宿泊。2日目は函館朝市や西部地区を通って松前まで足を延ばし、最後に五稜郭・箱館奉行所を訪れ、函館空港やJR函館駅から帰る。

 全行程約600キロを1泊2日で巡り、「バスでの移動時の方が長いぐらいの強行日程」(JTB北海道函館支店)という。1カ所の滞在時間は長くても1時間足らず。洞爺湖や室蘭の地球岬ではわずか10分ほど立ち寄っただけで、「こんなツアーは初めて」とベテランのバス運転手も驚く。

 今回の参加者は首都圏や札幌在住の10―50代の12人。多くが1人で参加し、中には母親が愛好者という親子もいた。札幌から参加した40代の女性会社員は「自分一人では回りきれないけど、ツアーでは同じ目的を共有したり、情報交換したりできる。実物のお土産も買い込み、リアルマネーも相当落としました」と満足げだった。

 本年度のツアーは10月2、3の両日と同16、17の両日にも企画されている。羽田発4万9800円、新千歳発2万8800円。定員は各回とも40人で、添乗員やガイドも同行する。申し込み、問い合わせはJTB北海道函館支店TEL0138-56-1711。(森健太郎)

 〈コロプラ〉 正式名称は「コロニーな生活☆PLUS(プラス)」。携帯電話に搭載されたGPS機能を使い、通勤や通学、旅行などで実際に移動した距離に応じてゲームで使える仮想通貨「プラ」を入手。プラを元手にアイテムを買い、人口を増やして仮想の街「コロニー」を発展させていく携帯電話ゲーム。愛好家は全国で120万人に上る。


◎神山老人花園菜園の収穫祭

 函館市社会福祉協議会(市社協、谷口利夫会長)が開設する神山町地区老人花園菜園の収穫祭が3日、亀田支所(美原)で行われた。菜園活動に参加した老人クラブの会員ら約30人が今年の豊作を祝った。

 菜園は高齢者の生きがいづくりと健康増進の一環で開設し、今年の活動には陣川みどり幸寿会、東富岡クラブ、亀田本町クラブ、赤川清流会の4老人クラブから35人が参加。5月に菜園開きをし、トウモロコシや枝豆を植え、定期的に農作業に取り組んできた。今年は7、8月と好天に恵まれ、トウモロコシ、枝豆も前年以上の豊作となった。

 この日の収穫祭は雨天のため支所で行った。神事にのっとり祭事が行われ、市社協の高橋徳吉副会長が「作業を通して各老人クラブの連携意識が芽生えた」とあいさつした。

 毎年恒例となっている福祉施設への収穫物の贈呈式が行われ、高橋副会長が特別養護老人ホーム「ももハウス」、同ホーム「幸成園」の両施設長にかごにたっぷり入った枝豆を手渡した。

 その後、収穫を祝う会が開かれ、参加者は収穫した枝豆とトウモロコシを味わった。

 収穫祭に先立ち、函館生命保険協会と生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会函館協会が菜園活動に役立ててもらおうと市社協に草刈機を贈呈した。(鈴木 潤)


◎北斗市の高校生まで医療費助成拡大、10月診療分から実施

 【北斗】市は子育て世帯の負担軽減策として、現在、中学生までの医療費を無料としている助成対象を高校生まで拡大し、10月診療分からの適用開始を目指す。高谷寿峰市長の目玉公約≠フひとつで、一般会計補正予算案に医療給付経費として約1744万円を計上するとともに、関連条例改正案を7日開会の第3回定例市議会に提出する。

 市国保医療課によると、新たな対象者は18歳以下の子どもで、高校などに在学していることが条件となる。市は6月末現在の住民基本台帳などから、新たな対象者数を1242人として、10月診療分から5カ月分の医療費約1538万円のほか、受給者証を発行する印刷費など必要経費を補正予算案に盛り込んだ。

 改正条例案では、条例の名称を「市乳幼児および児童医療費の助成に関する条例」から「市子ども医療費の助成に関する条例」に改称。条文の記載もすべて「子ども」と改めた。また、「次代を担う子どもたちの健康増進と健やかな育成を図るとともに、子育て世代の負担軽減を図る」との文言を盛り込み、すべての子育て世帯を応援する市の強い姿勢を明確に示した。

 同課は、議会で予算などが成立した後、新たな対象者がいる世帯に案内を送付し、順次、申請を受け付ける方針。(今井正一)