2011年10月23日 (日) 掲載

◎マルメロ風呂 香りさわやか

 【北斗】北斗市健康センター「せせらぎ温泉」(本町4)と茂辺地福祉浴場(茂辺地2)で22日、マルメロ風呂が始まった。黄色い実が湯船にぷかぷか浮かび、ほのかな甘い香りで入浴客の笑顔を誘っている。11月13日まで。

 旧大野町時代から続く人気企画で「マルメロの香りで心も体も癒やして」と、市内で収穫したものを用意。今年からは茂辺地福祉浴場でも始めた。改行 せせらぎ温泉では、一日に計100キロを予定し「柔らかくなってきたら入れ替える」という。午前10時のオープン時には30人ほどが訪れ、果実を手にとって一番風呂を楽しんだ。

 市内の小倉三郎さん(82)は「果物のいいにおいで食欲がわく」。大野小4年の長尾美羽さん(10)と萩野幹未さん(10)は「温泉でマルメロをたくさん集めて香りを楽しんだ。また一緒に来たい」とご機嫌だった。

 営業時間は、せせらぎ温泉が午前10時〜午後10時(月曜定休)。茂辺地福祉浴場は火・土曜が男性専用、木・日曜女性専用で、午後2時〜同8時。(田中陽介)



◎道教大函館校教育学部、国際地域創造学部に改組へ

 【札幌】北海道教育大学(本間謙二学長)は22日、函館校の教育学部人間地域科学課程を再編し、「国際地域創造学部(仮称)」に改組する構想案を発表した。来年5月末までに文部科学省の大学設置審議会に構想案を提出し、認められれば2013年4月のスタートを目指す。

 同日札幌市内のホテルで開かれた、第18回日本教育大学協会新課程連絡協議会の本年度国立大学協会大学改革シンポジウムで明らかにした。

 シンポでは13年4月から、函館校の教育学部人間地域科学課程を国際地域創造学部に、岩見沢校の芸術課程、スポーツ教育課程を「芸術・スポーツ文化学部(仮称)」に再編、それぞれ専門分野の研究を深める方向性が示された。

 函館校の新学部再編案は、国際地域創造学部・国際地域創造学科に国際協働コース、公共政策コース、地域環境科学コース、人間コミュニケーションコース(全て仮称)の4コースを設置。国際的な視野をもって地域を活性化する人材養成を行う目的で、語学教育や教養・専門科目を充実し、地域学やコミュニケーションに関わる科目などを取り入れる。

 改組の理由として、同大学の蛇穴(じゃあな)治夫理事は「現在の課程では社会が求める人材育成ができていない。教育大学として培った専門知識を学部として研究し、他大学にはないカリキュラムを作る必要がある」とする。また、教員養成課程からは毎年85%が採用試験を受験し、約3割が卒業後1年目で正式採用されているが、文科省からは「学生が教員となる割合が低い」との指摘もあったという。

 函館校はまた、今年5月から公立はこだて未来大と教育国際化検討委員会を立ち上げ、国際交流プロジェクトを進める新たな取り組みも始めている。本間学長は「地域活性化のためには、学生に国際的な視点を持たせることが重要」と述べている。

 同大学は1学部4課程からなり、教育学部に教員養成課程のほか、人間地域科学課程、芸術課程、スポーツ教育課程がある。06年からは全道に5カ所あるキャンパスのうち、函館校は人間地域科学課程、岩見沢校は芸術課程とスポーツ教育課程、他の3校に教員養成課程と、キャンパスごとに各課程を配置して教育機能の分化を計っている。(小山博美)



◎RSウイルス流行の兆し

 冬場にかけて主に乳幼児に多く感染する「RSウイルス感染症」の患者数が函館市内で例年の倍のペースで増えている。感染すると風邪のような症状を引き起こし、特に3歳未満の乳幼児は重症化のリスクが高い。市立函館保健所などは、手洗いなど予防策を徹底するよう呼び掛けている。

 同感染症は、主にくしゃみなどによる飛まつや接触によって感染し、鼻水やせきなどの症状が出る。年齢を問わず何度でも感染を繰り返し、大人は鼻風邪程度の軽い症状で済むが、乳幼児が初めて感染したときは、肺炎や細気管支炎を引き起こし、合併症を引き起こして死亡したケースも報告されている。今年は全国的にも急増しており、国立感染症研究所ではこれまでにない大流行になるとして警戒を強めている。

 流行の兆しは函館市でも見られ、同保健所によると市内の医療機関7カ所からの今年の感染報告数は、1月から10月16日現在まで計122人。統計を取り始めた2004年以降、最多(239人)だった09年の同期(57人)の倍以上で、最多人数を上回るペースで増えている。

 今年は5月中旬以降急激に増えており、感染者が急増するこれからの時期、家庭や保育所などは注意が必要だ。

 RSウイルスの潜伏期間は4〜5日。通常1〜2週間で症状は良くなるが、有効な治療薬はなく、治療は対症療法が一般的。ウイルスが体内で増殖するのを抑制する注射薬「パリビズマブ」(製品名シナジス)が唯一認可されているが、保険適用が早産児や先天性心疾患のある乳幼児に限定され、それ以外は自己負担額も高額なため普及していない。

 同保健所は「うがいや手洗いを心掛け、人の多い所への外出は避けて。基礎疾患を持っている乳幼児は重症化になる恐れがあるので気をつけてほしい」と呼び掛ける。

 また、函館中央病院の小児科医で、総合周産期センターの木田毅センター長は「発熱がなくても呼吸がゼーゼー苦しそうにしていたら医療機関に受診を。受動喫煙も重症化につながるリスクがあるので、子どもの前では喫煙を控えて」と話す。(鈴木 潤、後藤 真)


◎婚前撮影旅行で香港人カップル3組が来函

 香港のカップルに人気の「婚前撮影旅行」の観光メニューづくりを探る「旅づくり塾」の2回目が22日、函館市内・近郊で始まった。香港や東京から招いた3組6人の香港人カップルらが函館近郊の観光名所などで実際にカメラマンの撮影を体験し、函館観光の新機軸を満喫した。

 「旅づくり塾」は、観光庁が推進する「訪日外国人受入環境整備事業」の一環で、函館など全国12カ所を戦略拠点として選定。リクルートのじゃらんリサーチセンター(東京)の協力で、道内では函館と札幌、登別市の3カ所で誘客促進の新たな仕掛けづくりを目指している。

 函館では7月のワークショップに続き2回目で、今回は22、23の両日に市内・近郊でモニターツアーを企画。初日はあいにくの天候だったが、函館山山頂のカフェでは都内在住の2組のカップルがホテルからドレス姿で訪れ、市内の写真家丸山達也さんが仲むつまじいカップルの様子を次々とカメラに収めた。

 結婚前に香港国籍の会社員ウィリアム・ヤウさん(30)と参加した都内の会社員斉藤伊超(いちょう)さん(28)は「函館は教会や神社などが混在し、ミステリアスな雰囲気でおもしろい。結婚式よりも前撮りの写真にお金をかけるので、ロケーションとして函館の可能性は大きい」と笑顔だった。

 撮影した丸山さんは「香港人は乗りが良く、撮影時にコミュニケーションが取りやすい。函館は撮影に適したロケ場所も多く、函館観光の新たな切り口として発信できるはず」と話していた。23日は元町・赤レンガ倉庫群や香雪園、大沼公園などで撮影し、24日には今回のツアーを総括するワークショップを開く。(森健太郎)