2011年10月26日 (水) 掲載

◎歌声 力強く高らかに…市中学校合同音楽会

 函館市内の中学生による大規模なコンサート「函館市中学校合同音楽会」(市中学校音楽教育研究会など主催)が25日、函館市民会館大ホール(湯川町1)で行われた。

 今年で64回目を数える音楽会。国公立中学校26校と私立からは函館白百合学園中学校が参加。生徒たちは合唱や合奏など練習の成果をステージ披露し、他校の演奏に真剣に耳を傾けた。

 函館亀田中学校は3年生による学年合唱。合唱に吹奏楽演奏を加えた迫力のサウンドで、会場を引き付けていた。

 全員合唱では合唱曲の定番「夢の世界を」のほか、函館市在住の作曲家、佐々木茂さんが作曲した函館市中学校の歌「明日が見えるから」を歌った。クラスメートと肩を抱きあいながら、息を合わせて懸命に歌う学校も。力強い歌声をホールいっぱいに響かせた。

 函館的場中学校2年の吉村玄君(14)は「みんなでたくさん練習してきた。今日は一体感をもって気持ちを一つに合唱できたと思います」と笑顔を浮かべていた。(堀内法子)



◎アクセス向上 期待の声…高速道路「落部—森」来月開通

 道縦貫自動車道(道央自動車道)の落部インターチェンジ(IC、八雲町)—森IC(森町)間(20・2キロ)が開通する11月26日まで、あと1カ月となった。本線の舗装や建物・設備工事は仕上げに入り、工事進ちょく率は98%(9月末現在)。並行する国道5号が、津波や集中豪雨により通行止めとなった場合の代替路として使える効果が大きい。地元からは観光振興に期待する声も上がっている。

 ネクスコ東日本道支社函館工事事務所(函館市桔梗町)によると、舗装工事は天気が良ければ表層までは今週中に終わる見込み。今後、防護柵(ガードレール)の設置や路面表示(レーンマーク)の敷設などを進めていく。「工事は順調」と同事務所。

 高速道と国道5号は最低標高地点の標高差が約22メートルあり、高速道は津波や集中豪雨にも強い。北部4町(長万部、八雲、今金、せたな)から函館市への救急搬送が早くなる効果も大きい。

 また、札幌—函館間はすべて一般道を利用した場合に比べ、森ICまで高速道を利用すると約80分短縮される。森町鷲ノ木遺跡を現状保存するため、全国初となる遺跡の真下をくぐるトンネル(約96メートル)を施工したのも特徴。環境対策では、動物侵入や鳥類衝突防止対策を取るほか、鷲ノ木遺跡トンネル内には道内のトンネルで初めてLED照明を採用。アスファルト舗装材には地元産ホタテ貝殻粉末を利用している。

 2012年度開通を目指す森IC—大沼公園IC(七飯町)間(9・7キロ)の進ちょく率は55%(9月末)となっている。

 森観光協会の松田勝利会長(67)は「道央圏から客を呼び込むチャンスだ。毎年5月に開催される一大イベント『もりまち桜まつり』はPR活動にもかかわらず、五稜郭、松前、静内に流れていたが、来年からは多くの来場を期待したい。大沼公園IC開通を見据え、通過されない対策も研究していきたい」と話している。

 当日は午後3時の一般供用に先立ち、開通記念行事実行委(委員長・佐藤克男町長)主催の通り初め式(午前11時、森ICから約4キロの本線上)、祝う会(午後零時10分、プラザ武蔵)が開かれる。(山崎大和)



◎介護負担軽減で新制度…市長、市民団体が意見交換

 函館市内で活動する市民団体と工藤寿樹市長がまちづくりについて意見交換する「市長のタウントーキング」が25日、市役所で開かれた。福祉や教育、まちおこし関連の7団体の代表らと市長室で会談し、工藤市長は介護する家族らの負担軽減を目指す「介護支援隊」を市として導入する意向を示した。

 タウントーキングは従来の移動市長室に替わって、市民らの意見や要望を聴き、市政運営に反映させようと、8月から月1回程度のペースで開催。2回目となる今回は応募があった7団体がそれぞれ30分程度ずつ意見交換した。

 道南の介護支援専門員でつくるNPO法人ケアマネジャーネットワーク函館との懇談では、同団体が実際に介護現場で発生した無理心中の事例を映像で紹介。工藤市長は介護の負担が深刻化していることを指摘し、「家族などが追いつめられないように、少しでも助けていきたい」と話し、介護する側の負担軽減に向けたサービス拡充に力を入れる考えを示した。

 市福祉部によると、介護支援隊は工藤市長の選挙政策の一つで、市民税非課税世帯などに経済援助を行う現行の「家族介護慰労事業」「在宅ねたきり高齢者等家族介護用品給付事業」のほかに、新たな公的支援を行うもの。市は今後、ニーズの把握や先進地の事例調査を行い、具体的な仕組みづくりを検討していく。

 また、特別養護老人ホーム戸井潮寿荘との対話では、災害時の避難場所にも指定されている施設のインターネット環境の改善を求める声があった。若手経営者らでつくる函館黒船地域活性化協議会との会談では、市長から函館出身の人気ロックバンド「GLAY」が2万人規模のコンサートを函館で開催したい意向があることや、「緑の島」にステージを常設するなどの整備の検討に着手したことが明らかにされた。(後藤 真、森健太郎)


◎スケトウダラ好漁続く…南かやべ、えさん漁協

 道南太平洋海域(渡島、胆振、日高)のスケトウダラ刺し網漁で、来遊が早いため先行して6日から操業が始まった南かやべ、えさん両漁協の水揚げ量は1627トン(24日現在)で、10月の漁獲上限量(2500トン)に対する消化率は65・1%となった。今季は安定した水揚げがあり、高値で取引されており、浜は活気に満ちている。

 渡島総合振興局によると、両漁協では網の数を減らしたり、毎週土曜を休漁とするなど独自の調整を続けている。価格は1キロ当たり80〜90円で取引されている。昨年は管内全漁協が10月6日から出漁していて、水揚げ量も多かったため10月全体の管内平均価格は同53・5円だった。

 南かやべ漁協は「水揚げ量は1日当たり150〜200トンペースで、好漁が続いている」とし、単価高については「量の少なさに加え、スケトウの型が例年より大きく卵の成長がいいためでは」とする。

 両漁協では、10月中に2500トンに達した時点でいったんすべての網を上げる。1カ月延期する自主規制を取った鹿部〜長万部の管内6漁協も11月1日から一斉に網を入れる。胆振管内も同日から始まる。

 漁は資源確保のため、国が定める漁獲可能量(TAC、渡島、胆振、日高管内で4万7400トン)下で操業する。(山崎大和)


◎函館聾学校中学部3年・餌取君2年連続最高賞…市児童生徒俳句大会

 函館聾学校中学部3年の餌取皇大君(15)が、このほど行われた函館市児童生徒俳句大会(函館俳句協会主催、市教委後援)で最高賞である特選に選ばれた。昨年に続いての連覇で、力作が評価され、喜びに沸いている。

 若い世代に俳句に親しんでもらおうと、2003年から毎年実施。今年は小学生が1377人から3379句、中学生が347人から917句の応募があった。

 1人3句まで応募でき、餌取君は3作品をエントリー。特選に選ばれたのは「手をつなぐ 君のひとみに ほたる飛ぶ」—という作品。コミュニケーション向上のために短文に気持ちを込める練習を行っていた自立活動の授業の一環で作った。

 餌取君によると、かつてテレビで見た、京都にある古民家の庭先にある池をイメージしたという。「カップルや家族が2人で見つめ合っているところにホタルが飛んできた様子を俳句にした」と笑顔を浮かべる。

 2年連続の快挙に「今年も特選をもらえるとは思わなかった。でも、やっぱり受賞はうれしい」と餌取君。標語や作文なども積極的に学び、機会があれば各種大会に応募しており、「この大会は今年最後だが、文章を書くのが好きなので、また何かに挑戦したい」と声を弾ませていた。(堀内法子)