2011年10月28日 (金) 掲載

◎あさひ小児童、朝市で販売体験

 函館あさひ小学校(佐野太三校長)の6年生43人が27日、函館朝市(若松町9)で販売体験活動を行った。「いらっしゃいませー」と児童の元気な声が響き渡り、にぎわいを見せていた。

 朝市で働く人の仕事内容や工夫などを学ぼうと、函館駅二商業協同組合(藤田公人理事長)の協力を得て実施。事前学習として、藤田理事長の講話や、市場に訪れ自分たちで売るコツや課題を探りあったりと準備を行い、販売体験活動に臨んだ。

 この日は、20カ所の店舗に分かれ、約1時間体験を行った。干物や塩辛の瓶詰めなどを片手に、「ご飯と合って、とってもおいしいですよ」と大きな声で商品をPR。買い物客から「頑張ってね」「ありがとね」とねぎらいの言葉をかけられると、子どもたちは、笑顔と威勢のいい声で応えた。

 阿部優斗君は「販売は、物を売るということだけでなく、お客さんとの心のつながりも大切だと思った。声がガラガラになり大変だったけど、今日学んだことを、普段の生活にも生かしていきたい」と声を弾ませ、菊池恒志君は「最初は客足が少なく不安だったけど、1人お客さんが止まると大勢の人が来た。商品について言うと、『よくできたね』と笑いながら買ってくれる人もいました」と笑顔で話した。(平尾美陽子)



◎江差線五稜郭—木古内間、道がバス転換提案へ

 2015年度の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離される江差線五稜郭—木古内間(37.8キロ)について、道は27日までに同区間のバス転換を沿線自治体に提案する方針を固めた。ひっ迫する道の財政状況を踏まえ、道と沿線自治体の財政負担が最も少ないことから判断したとみられる。31日に函館市内で開かれる、道と函館、北斗、木古内の3市町でつくる道南地域並行在来線対策協議会で正式に提案する。

 道はこれまでの協議で、第3セクターによる全区間の鉄道運行や、上磯駅を境とする鉄道・バスの折衷、全区間バス転換など5案で収支予測を示してきた。

 鉄道の場合、初期投資を含めた財政負担額が30年間で69億5000万円、累積赤字が40億6000万円に上ると試算。一方、バス転換では15億9000万円、1億7000万円と開きがある。道財政の厳しさに加え、新幹線の効果が少ない道東や道北など、他地域とのバランスに配慮した格好だ。

 道は31日の協議会でバス転換の正式提案とともに、道と3市町の負担割合を1対1とすることを示す考え。

 協議会では本年度末に方向性を出すことにしているが、北斗市は函館への通勤・通学客の多さや、定時性、安定性に優れている点から鉄路存続の姿勢を堅持しており、函館市は「北斗市の決意次第」として、意向を尊重する方針。木古内町は、地元負担割合が示されるのを待って判断するとしており、路線をめぐる対応は分かれている。

 また、同区間は道内と本州を結ぶ貨物輸送の鉄路が残る見通しだが、その場合の鉄道資産の所有先など、貨物輸送の方策は決まっていない。このほか、札幌延伸時における函館駅—新函館駅(仮称)の経営分離問題にも影響を与えるだけに、結論までにはなお難航が予想される。(千葉卓陽)



◎三森山、看板に猟銃の弾痕

 函館市三森町の三森山(842.1メートル)の大舟松倉林道と大船林道の境目付近で、熊出没注意看板に猟銃の弾痕とみられる穴が多数見つかったことが27日、分かった。看板設置者の渡島総合振興局東部森林室は函館中央署に事件を通報するとともに、同署と連携し周辺のパトロール強化に乗りだした。現場はキジやカモなどの猟場となる一方、キノコ採りで一般人も立ち入る。故意に看板を狙ったとすれば常軌を逸する行為で、ハンターのモラルやマナーが問われる。

 今月16日に、キノコ採りで入山した同市湯川町の男性(58)が発見、この男性は道から鳥獣保護員に任命されていて、22日に日報で事件を同振興局に報告した。26日に男性とともに同振興局環境生活課、東部森林室の職員計4人が現地を訪れ、弾痕らしい穴を確認。同課によると、穴が開いているのは横80a×縦45aの看板1枚で、地上から1b以下、人の目線から見下ろせる位置にある。散弾銃の弾痕とみられ、同課は「弾痕は新しく、今シーズンのものと考えられる。故意に撃った可能性が高く、狩猟の適正を欠く行為だ」と指摘する。

 同課によると、公道上の発砲は銃刀法の発射の禁止に該当する可能性があるほか、鳥獣保護法でも狩猟に関する必要な適正を欠くことが判明した場合、狩猟免許の取り消しも。同課は本庁へ今回の事件発生を報告し、本庁が必要と判断すれば地元猟友会に注意喚起の文書を出すこともあるとしている。同課は「キノコ採りで山に入る人は十分に注意してほしい」と呼び掛ける。

 道東では、獲物を狙って撃った流れ弾が道路標識を直撃するケースはあるが、看板を標的に撃ったとみられるケースが確認されたのは管内でも初めてという。

 道猟友会函館支部の関係者によると、エゾシカ猟では威力の少ない散弾銃ではなく、マグナムを使用。銃器は水平打ちできない規則があり、今回のケースはその扱いに未熟な人がキジを狙っていた可能性もあるといい、ある会員は「誰の仕業か分からないが、10月はキノコ採りの入山者が多い時期でもあり、誤射が起きなくとも大問題。危険極まりない行為で明らかなマナー違反だ」と話している。(山崎大和、長内 健)


◎北斗のアピアビル、暴力団排除宣言ビルに指定

 【北斗】今年5月に北斗市飯生2の「アピアビル」(2階建て、8店舗)に入店する飲食店で、暴力団構成員によるみかじめ料を要求する恐喝未遂事件が発生したことを受け、函館中央地区北斗市暴力追放運動推進協議会(磯部正博会長)と函館中央署が同ビルを「暴力団排除宣言ビル」に指定。27日に北斗市商工会で宣言式が行われた。

 今回の指定は、みかじめ料要求事件、今年4月に施行された「北海道暴力団の排除の推進に関する条例」などを受け、「暴力団などの反社会的勢力を排除し、明るく健全な街づくりに貢献しよう」と同商工会(宮崎高志会長)が提案して実現した。

 宣言式で磯部会長は「暴力のない平穏な環境は市民の願い。関係機関と連携を強めて断固たる決意と勇気で、排除に向けた運動に積極的に取り組みたい。これが契機となり機運が高まればうれしい」とあいさつ。宮崎会長が@不当行為に恐れず関係機関に通報するA金銭などの要求は断固拒否するB安心して楽しめる街づくりに努める—と暴力団排除宣言し、宣言書を藤田裕二署長に手渡した。

 その後、アピアビルに移動して、磯部会長と宮崎会長がガラスドアに「暴力団排除宣言ビル」の証しとなる標章を掲示した。道内では札幌、釧路に合わせて10棟指定ビルがあり、今回が11棟目。

 来賓として出席した高谷寿峰北斗市長は「暴力団排除は官民一体となって取り組まなければならない。今回の指定は市の安心・安全を守る上でとてもうれしく思う」と感想を述べていた。(小杉貴洋)


◎西部地区の景観で議論

 函館市西部地区の景観について市と地域住民が話し合う意見交換会が27日、末広町会館で開かれた。市は都市景観条例などの見直しに向け、罰則規定の強化や維持保全の助成の拡充を検討していることを説明。約30人の参加者からは二十間坂上にある「自由の女神像」についても議論が及んだ。

 市が進める景観条例の見直しに向け、地域の住民に検討案を説明し、広く意見を聴こうと、市都市デザイン課が初めて企画。都市景観形成地域内の住民に呼びかけ、26日には弥生町、船見町、弁天町、大町、27日は末広町、元町、豊川町の住民を対象にそれぞれ行われた。

 同課の高橋哲郎課長がスライドで景観形成基準や景観重要エリアの新設、屋外広告物許可基準などの見直し案を説明。一方、参加者からは「女神像」についての意見が目立ち、「なぜ建築奨励金が出たのか」「条例改正しても既に出来上がったものは手をつけられないのか」「像の肖像権や著作権はどうなっているのか」などの声が上がった。

 このほか、「街路灯が少ない」「街路樹が伸び放題で景色が見えずらい」「津波被害で沿道のツツジが枯れている」と観光面への影響を指摘する声も。歴史的な建物の解体が相次ぐ中「新たに指定や登録を増やす工夫も必要」との提言に、高橋課長は「新たに伝統的建造物などに準じた『登録建築物』といった指定制度も検討し、街並みに幅を持たせていきたい」と話した。(森健太郎)