2011年10月29日 (土) 掲載

◎函館のスイーツずらり…棒二森屋でフェスタ開幕

 函館市内・近郊の菓子を一堂に集めて販売する「はこだてスイーツフェスタ2011」(実行委主催)が28日、函館市若松町の棒二森屋本館7階催事場で開幕した。道南の30店・団体が参加し、旬の食材を取り入れた和・洋菓子やパンなどがずらり。初日は女性客を中心に約3500人が来場してにぎわった。30日まで。

 道南の菓子のイメージアップや消費拡大に向け、市や道南の菓子業界団体でつくる実行委が昨年に続いて企画。今年は昨年より出店数が5店増えたほか、青森からもアップルパイの有名店や青森市物産協会なども参加し、3日間で昨年並みの1万5000人の来場を見込む。

 開店前のオープニングセレモニーで若山直実行委員長は「2年目の今年は旬の食材を使った生菓子や焼きたての商品など構成が良くなった。地元の人に函館スイーツの魅力を再発見してもらう3日間にしたい」とあいさつ。備前悟市経済部長も「新幹線開業を見据え、函館スイーツを全国に発信しよう」と述べた。

 甘い香りが漂う会場には色とりどりのケーキや焼き菓子、和菓子をはじめ、旬のクリを使ったロールケーキやぜんざいなど会場限定販売の商品も。実演販売のピザやアップルパイのほか、会場で3種類のケーキを味わえるコーナーも人気で、来場者は試食しながら品定めに夢中だった。

 友人と来場した市内の主婦(36)は「昨年よりも今年はケーキに季節感があっていい。今まで知らないお店も知れて楽しい」と笑顔。札幌から来た専門職の女性(25)は「あれもこれもおいしそうで目移りしてしまう。幸せなひと時です」と話していた。午前10時〜午後7時(最終日は午後5時まで)。問い合わせは実行委電話0138・24・0033。(森健太郎)



◎弥生小 面影残し再生…3学期から使用開始

 建設中の函館弥生小学校(村上一典校長、児童231人)の新校舎が来年1月の冬休み明けから使用開始される。解体した旧校舎の趣を残しつつ、バリアフリー化など学びの場としての環境向上を図った。市教委生涯学習部は「旧校舎の建材の一部などを使用し、情緒が感じられる校舎になった。気持ちよく勉強してほしい」と話している。

 同小は児童数の減少に伴い、2009年4月に函館西小と統合。1938年に建てられた旧校舎は老朽化により解体され、新校舎は総事業費約18億円をかけて2010年6月末に着工した。

 旧校舎は1989年に景観形成指定建築物に指定されており、新校舎も同建築物の指定を継続したため、外壁の一部を残すことを条件に建てられた。多様化する学習環境への対応や、バリアフリー化などを目指している。

 敷地面積は1万1729平方b。校舎はグラウンドを囲む四角形からコの字形に変更し、グラウンドをその分、1・6倍の広さとした。器具庫の上部にあった体育館前のスロープは階段にした。職員玄関の外壁は解体せずに新校舎と結合させ、入り口には修繕した当時の建具を取り付け、陶器のタイルも張ったままにしている。

 地下1階には旧校舎の写真など思い出の資料を展示するメモリアルホールのほか、天井には強度を高めるために作られたアーチのはりを復元。床と階段には旧校舎の床材を使用している。

 バリアフリーにも対応した。エレベーターのほか、車いすでも利用可能な多目的トイレを各階に設置している。

 建物はほぼ完成しており、現在は体育館を建設中。今月18日には旧校舎のサクラの後継樹を敷地内に移植するなど、準備は順調に進んでいる。

 村上校長は「新校舎への移動に向け、お別れ集会やセレモニーなどを開く。子どもたちも3学期を楽しみにしている」と話している。(後藤 真)



◎「高校新卒者の地元採用を」…函館職安など

 函館公共職業安定所などは28日、2012年3月の高校卒業予定者への求人を要請するため、同職安管内の商工会議所や商業団体など5カ所を訪問した。9月末現在の状況は、1070人の求職者に対し703人の求人があり、求人倍率は0・66倍。同職安の佐々木明所長は「現在の求人では足りない。一人でも多く雇用してほしい」と述べ、特に地元からの採用を求めた。

 高校生の就職活動は9月から始まり、同月末現在の就職率は前年同期より1・3ポイント高い17・7%。すでに189人が決定しているが、求職者に対する求人数は300人以上も少ない。また、介護など福祉関係の求人が圧倒的に多い半面、希望者が多い事務・販売系求人が不足する傾向にある。

 この日は佐々木所長をはじめ、渡島総合振興局の柳谷龍彦副局長、函館市職員らが、函館商工会議所や函館地方法人会などを訪問した。

 このうち道中小企業家同友会函館支部では、柳谷副局長が同支部の高橋泰助幹事長に要請文を手渡した。佐々木所長は「地元希望の生徒がたくさんいるが、求人状況から道内や道外の方が早く決まる」として、地元中小企業として新卒採用を積極的に進めることを求めた。

 高橋幹事長は「地元企業についてもっと知ったうえで就職活動をしてほしい」と求職者側の心構えを要望。同支部共同求人社員共育委員会の恩田泰久委員長は「中小は求める人材のレベルが高い。学生と対話する機会を持ちたい」などとした。(小泉まや)


◎今年は大型 ワカサギ釣り…大沼合同遊船桟橋で

 【七飯】大沼合同遊船(大沼公園内、堀元社長)の桟橋からのワカサギ釣りがシーズンを迎えた。晴天に恵まれた28日午前は、10分間で5〜6匹の釣果。今年は例年になく7〜8センチと大型のワカサギが目立ち、同社は「昨年より1〜2センチは大きい。気軽に楽しんでほしい」と呼び掛けている。

 同社では釣りざおや餌などをセットで貸し出し。ワカサギは気温や水温の変化に敏感で、釣果はその日の天候にもよるが、「風の穏やかな晴れた日の午前中に釣れることが多い」とする。モーターボート乗り場の桟橋からは、水面近くを泳ぐワカサギの姿も多く、この時期としては上々の釣果だった。

 釣具のレンタルは1000円。桟橋からのワカサギ釣りは、湖面が凍る12月中旬ごろまで楽しめ、1月中旬ごろからは氷上の穴釣りが始まる。

 問い合わせは同社電話0138・67・2229。(今井正一)


◎市電に揺られワイン堪能…はこだてわいん電車運行

 函館市電の車内で地場産ワインを楽しむイベント「はこだてわいん電車」が28日夜、市内一円で運行された。参加者は貸し切りの車両に乗り込み、ワイングラスを片手に車窓に流れる秋の夜景を堪能した。

 市民団体「函館チンチン電車を走らせよう会」(高田京子会長)の主催で、今年で4回目。市交通部のアミューズメント電車1両を貸し切り、車内でははこだてわいん(七飯町)で製造された5種類のワインが振る舞われた。

 同会のメンバーや市民ら約30人を乗せた電車は午後6時すぎに駒場車庫を出発。車内ではワインや市電、函館の歴史に関するクイズで盛り上がり、函館どつく前や谷地頭を経由する約2時間半の心地よい揺れに酔いしれた。

 参加者は車両備え付けのカラオケなども楽しみ、高田会長(61)は「電車を愛する皆さんと秋の夜長に楽しく交流できてうれしい。市電の魅力やうんちく話にも花が咲き、一人1本は空けてしまいそうな勢いです」と顔を赤らめていた。(森健太郎)