2011年10月3日 (月) 掲載

◎弥生小児童、空中飛行を体感

 日本航空協会(東京)で実施している航空スポーツ教室「スカイ・キッズ・プログラム」が2日、函館市千代台町の函館凌雲中学校グラウンドで開かれた。函館弥生小学校PTAなどでつくる実行委員会(高橋俊委員長)が応募して開催が実現したもので、同小の児童約60人が熱気球の搭乗体験やパラグライダーの浮上体験などを楽しんだ。

 同教室は子どもたちに航空スポーツを安全に楽しむ機会を提供しようと2003年から始めた事業で、道内では初めての開講。熱気球搭乗体験、パラグライダー浮上体験、模型飛行機作りの3プログラムが行われた。

 最初に熱気球搭乗体験が行われ、4人ずつが順番にバスケットに乗り込み、約20メートルの高さまで浮上。だが、風と降雨に見舞われ、20人ほどの人数を残して終了した。

 その後、2グループに分かれパラグライダー浮上と模型飛行機作りを体験し、パラグライダー体験では、函館ハングパラグライディングクラブのメンバーが指導した。ハーネスに座った児童は、メンバーや他の児童にロープで引っ張られながら助走。翼が広がると3bほどの高さまで舞い上がり、数秒間の空中飛行を体感した。

 5年生の浅利竜冶君(10)は「全然怖くなかった。飛んだ時、気持ち良くてわくわくした」と笑顔。同クラブの木村政樹代表(54)は「この機会にスカイスポーツに少しでも関心を持ってもらいたい。この中からフライヤー仲間が出てくるといいですね」、実行委の高橋委員長は「楽しんでもらえて何より」と話していた。(鈴木 潤)



◎函館市教委構想、旧市立図書館を「書庫」で活用

 函館市教委は、市内青柳町にある「函館市公民館」と「旧市立函館図書館」の今後の保存、活用方法についての構想案をまとめた。公民館は耐震補強工事を施し、バリアフリー化など利便性向上を図ったうえで、従来通り各種教室やサークルなど市民活動の場として利用。旧市立図書館は耐震改修を行わずに外観を保存し、書庫としての活用を提案している。

 構想案は、いずれも2009年度に実施した耐震診断調査の判定結果や、市民懇話会から提出された提言書を踏まえて作成した。整備、改修時期は未定で、市教委生涯学習部は「市の財政状況やほかの施設改修との優先順位を考慮しながら、早期に整備したい」とする。

 公民館は鉄筋コンクリート造地下1階、地上2階建てで、1947年に開館。耐震診断調査では、2階の床、煙突など部分的に補強が必要と判断された。生涯学習や文化振興としての役割が大きいことから、耐震補強に加えて屋根や外壁の補修を行う。

 また、市民懇話会から要望のあったトイレの改修、エレベーター設置などのバリアフリー化、空調設備や照明設備などの機能性を向上させることを盛り込んだ。事業費は約3億2000万円を見込んでいる。

 旧市立図書館はいずれも鉄筋コンクリート造の本館、本館増築棟、書庫棟からなり、28年に開館。現在は05年の市中央図書館(五稜郭町26)の開設に伴って閉館している。

 耐震診断調査によると、耐震補強壁などの補強が必要と判定。しかし、耐震改修には5億円前後の経費がかかることや、歴史的建造物である同館の外観を損なう恐れがあることなどが懸念される。

 そのため耐震改修は行わず、市中央図書館の資料書庫として外観を保存し、除湿、防水、換気などの整備を行うことを示している。事業費は約5400万円を見込む。(後藤 真)

 



◎被災地復興応援で「食品元気まつり」限定復活

 函館市水産物地方卸売市場で2日、東日本大震災復興応援イベント「食品元気まつり」が開かれた。道南の農水産物や加工食品が格安で並び、大勢の来場者でにぎわった。

 函館地域食品商業活性化協議会(宮川照平会長)と函館市の共催。同まつりは1998年から始まり、昨年でいったん終了したが、「まつりのにぎわいで復興の後押しを」と今年限りの復活開催で、益金の一部を義援金に送ることとした。

 開会式で宮川会長は「復興への思いに賛同してくれた多くの関係者と大勢の来場者に感謝したい」、工藤寿樹市長も「東北とともに函館も元気にしていかなければならない」とあいさつした。

 鮮魚や青果、米、豆腐、肉、麺、パン、菓子、花を対面販売。「いらっしゃい。どれもおいしくて安いよ」と威勢のいい掛け声が響き、完売が相次いだ。毛ガニ汁、南京そば、揚げパンの実演、新米のすくい取りやマグロの解体ショーもあり、子どもたちも興味津々の様子だった。

 市内東川町の渋谷稚子(わかこ)さん(30)は「安くていいものが並んでいて、子どもが楽しめる内容も素晴らしい」と話し、長男の涼太ちゃん(4)は「カニ汁がおいしかった」。同本通の黒田弘身さん(66)は「買った荷物を一度、車に置いてからまた来て、ラーメンやカニ汁をゆっくり味わっている」と満足の様子だった。(田中陽介)


◎冬季スポーツ普及目指しアスリートが講演

 道教委主催の北のスポーツ王国プロジェクト「冬季スポーツ普及啓発事業」函館会場が2日、函館市五稜郭町の五稜郭タワーアトリウムで開かれた。講師に招いた長野五輪男子カーリング5位入賞の工藤博文さん(52)=士別市役所=と、札幌大倉山ジャンプ競技場のバッケンレコード保持者(145メートル)の金子祐介さん(35)=東京美装北海道=が、子どもら約50人に夢や目標を持つことの大切さを伝えた。

 道教委が本年度から3カ年計画で実施、トップアスリートが競技方法や楽しさを紹介することで冬季スポーツに親しむ子どもを増やす狙い。9月下旬の十勝管内浦幌町を皮切りに道内7カ所で開催、道南では函館会場のみ。

 金子さんは、2005年11月に合宿先のフィンランドで顔面骨折などの大けがに遭い、意識不明の重体に陥りながらも、翌シーズン奇跡的に復活、国体のジャンプ競技で優勝するなど一躍有名になった。08年3月に現役を引退した。

 五輪で金メダルを取るという目標を持っていた金子さんは「けがで自分の人生は終わったと思い、朝起きるとつらかった。でも、目標に向かいたいという気持ちが強かった。どんなときも、必ず一筋の道があると念じながらリハビリを続けた」と紹介。不安でつらい思いに駆られ自殺を考えたときも、自分のスキーへの情熱や多くの人の支えがあったからこそ復活を果たせたと強調し、「夢や目標を持ち、前向きに挑戦し続けることが大切」と呼び掛けた。

 現役で競技を続ける工藤さんも、カーリング競技の楽しさなどを話した。

 講演後、冬季スポーツの種目を紹介するDVD上映があり、参加者は冬季スポーツの楽しさに触れた。(山崎大和)


◎元町露地裏マルシェ盛況

 元町を盛り上げる恒例イベント「元町露地裏マルシェ」(同実行委主催)が2日、ギャラリー1107物語(元町17)付近で行われた。

 手作り雑貨などを持ち寄って販売し、元町に訪れる市民や観光客に楽しんでもらおうと、数年前から実施している。今年3回目で、本年度最後の開催となった。

 この日は北海道全域に寒気が入り、函館でも気温が低く午前中は強い雨も降った。それでも14店舗がブースを構え、古美術品や雑貨、和布、手作りせっけん、写真など、バラエティー豊かなラインアップで来場者を楽しませた。知内産の地物野菜のコーナーでは、色が薄く青臭さが少ないという「バナナピーマン」や、ラグビーボールのような形のカボチャ「ロロン」など、珍しい野菜も用意され、注目を集めていた。

 寒さのなか大人気だったのが飲食ブース。冷えた体を温めようと、豚汁とおにぎりのセットは飛ぶように売れた。ほか、天然酵母パンも好評だった。

 同実行委の伊原祐子さんは「寒い中、多くの人が来てくれてよかった。来年も続けて元町の魅力を発信したい」と話していた。(堀内法子)