2011年10月4日 (火) 掲載

◎駒ケ岳初冠雪 例年より約2週間早く

 3日の道南は冬型の気圧配置となった影響で冷え込み、駒ケ岳(1131メートル)では、初冠雪している姿が見られた。自然公園財団大沼支部によると、例年より約2週間早いという。

 七飯町大沼在住の自営業高瀬宣夫さん(63)によると、午前5時半ごろ、自宅から駒ケ岳を見ると山頂付近が白くなっており、屋外で測った気温は3度だったという。大沼湖畔に出掛け、うっすらと雪に覆われている様子を撮影した。高瀬さんは「駒ケ岳の初冠雪を見ると、間もなく冬だと実感します」と話していた。

 函館海洋気象台によると、函館は10月に入り最低気温が4度前後と、平年より6度低く10月下旬並みの低さとなっている。この日は森2・1度、松前6・8度、八雲町熊石4・9度とそれぞれ今季最低を記録した。(鈴木潤、山崎純一)



◎買い物車両 高齢者の足 七飯町のケアサービスドウナン

 【七飯】七飯町の介護事業所、ケアサービスドウナン(中村久子社長)は8月から、町内緑町を対象に、高齢者の買い物支援としてボランティア車両の運行を試験的に行っている。試験運行は10月末までだが、同社は利用状況などを検証したうえで本格運行をしたい考えだ。

 試験運行は緑町にあるデイサービス「ハッピードウナンU」の送迎車両を「お買いもの号」として活用し、職員が通常業務の合間に車両を運転。毎週月曜、火曜の2回、鳴川と桜町にあるスーパーマーケットまで無料で運行する。町内4カ所に乗り合いの場所を設け、買い物終了後は自宅まで送り届ける。車両はワゴン車で、10人乗り。

 運行当初は登録者5人、1日当たりの利用も1、2人だったが、2カ月弱が経過し、登録者は10人。1日当たり3、4人と着実に利用者は増えている。

 運行前、緑町町内会400世帯にアンケートを行い、約50人から回収。「ボランティア車両」の希望について、「あった方が良い」と回答したのが42人で、利用目的については、「買い物」26人、「病院」12人、「公共施設」8人などという結果が出た。

 七飯町の市街地は傾斜地で、坂道が多い。公共施設やスーパーマーケットなどは山側にあり、坂の下側にある緑町は高齢者を中心に徒歩での買い物に不便を感じ、ボランティア車両のニーズは以前から高かった。

 アンケートの結果や地域の実情を踏まえ、同社は町内会にボランティア車両の運行を提案し、協議の結果、3カ月間の試験運行を申し合わせた。

 利用者からは「今までタクシーを使っていたから助かる」「他の店舗にも行ってほしい」とおおむね好評で、「人数が少ないと利用しにくい」「買い物時間が長くなると他の人を待たせるので気が引ける」といった感想も。80代の女性は「今までは重たい物は買い控えていた。買いたい物が買えるようになったのはありがたい」と継続を望んでいる。

 運行によって、車内で利用者同士の交流の場にもなっており、中村社長は「高齢者が地域に出て自分で買い物することは町の消費刺激にもなる。長い目で見ると介護予防やコミュニティー形成にもつながる」と期待を寄せる。

 本格実施に向け、有料化の是非や、介護サービスを受けている高齢者の扱い、他店舗への運行、地域や関係機関との連携など課題が残されており、中村社長は「事業所として地域に何ができるのかという視点で取り組みたい。町内会や行政など関係機関の意見をうかがいながら今後の運行について決めたい」と話している。(鈴木 潤)

 



◎景況感 大幅改善 9月道南

 日銀函館支店(山田正弘支店長)が3日に発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス15となった。前回6月のマイナス35より20ポイントの大幅改善。同支店は「東日本震災のダメージが和らぎ大きく改善したが、震災前のレベルまで戻ったとは言いにくい」とする。

 前回の全産業のDIは、震災の影響で前々回より14ポイント悪化し、リーマンショック後より悪くなっていた。今回は@1新幹線関連工事の下支えA建設機械などに復興需要がみられるB住宅需要C観光需要—などを背景に、大きく改善。改善幅は、1985年9月期の24ポイント改善に匹敵する大きさとなった。新幹線工事の寄与度について同支店は「下支えの効果はかなりある」とした。

 産業別では、非製造業のうち前回特に落ち込みが顕著だった宿泊・飲食サービス業が42ポイント上昇しマイナス29に。夏場に個人を中心に観光客の戻りがみられたことが大きな要因だが、客単価が下がっていることや10月下旬以降の予約状況がさほど良くないことから、3カ月後の景気予測を示す先行きDIには変化なし。

 非製造業全体では、マイナス23と前回から24ポイント上昇。小売が30ポイント改善しマイナス20に、卸売は27ポイント改善しマイナス21とした。

 製造業はゼロで10ポイント改善した。食料品は今回唯一9ポイント悪化しマイナス9に。震災による代替需要がひと段落し、前回良かった事業所が通常の状況に戻った。機械はゼロで、22ポイント改善した。

 全産業の先行きDIは、1ポイント悪化しマイナス16と、横ばいとの見方。小売では、景気の後退懸念からマイナス50と30ポイントの悪化を見込んだ。

 11年度の売上高・収益計画は、売上高は前回調査より0・6ポイント上方修正し、前年度比3・2%減の見通し。経常利益ベースでは同20・9ポイント上方修正し、同12・3%の増収を見込んだ。

 調査は8月下旬から9月末まで道南の103社(製造業31社、非製造業72社)を対象に実施し、全社から回答を得た。(小泉まや)


◎「津波避難」来年度策定 総務常任委

 函館市議会の総務常任委員会(工藤恵美委員長)が3日開かれた。8月25日開催の防災会議幹事会で示された、市地域防災計画の見直しに関する質疑を行い、市総務部は来年度に津波避難計画を策定する考えを示した。

 市は、国や道の見直しを踏まえて地域防災計画を再検討する考えで、委員会では見直しに当たっての基本的考え方、東日本大震災における災害対策の検証、津波避難所と避難路の検証について質疑を行った。

 この中で阿部善一氏(民主・市民ネット)は「津波の大きさや到達時間をより詳細に記すべき。精度の高いものをつくってほしい」と指摘。谷口諭総務部次長は「北海道が地震の想定数を増やしてシミュレーションをし直す」と前置きしたうえで「道の試算をもとに、遅くとも来年度中には全自治体で津波避難計画をつくる」と説明。道の計画策定支援事業における太平洋沿岸部地区のモデル都市となっている北斗市を参考に、計画策定を進めるとした。

 また、板倉一幸氏(同)は「大間原発で福島のような事故が起こったら直接被害を受ける」と、対応策を盛り込むよう求めた。上戸慶一総務部長は、市が無期限凍結を求める方針から現状では困難としたが、「道と連携しながら、万が一建設が再開された場合の対応は協議が必要」と述べた。(千葉卓陽)


◎園児の安全目指し災害時に相互協力 高丘幼稚園と町会協定

 函館市内の高丘幼稚園(玉利達人園長、園児110人)と高丘町会(武下秀雄会長)が3日、「災害時における相互協力に関する協定」の締結調印式を行った。全園児のほか保護者、近隣住民などが大勢参加。地域での防災意識向上の大切さを再確認した。

 同町会ではかねてより、6つの福祉施設と防災協定を結んでいる。これまで培った防災に関するさまざまな資材を子どもたちのためにも活用しようと、同園とも協定を結ぶことが決定。市内で幼稚園と町会との防災協定は初めての試みという。

 調印式では玉利園長と武下会長が証書にサインしたのち、園児を代表して芹田翔斗君と小林彩心ちゃんが「地域や消防の皆さん、いつもありがとう。ぼくたち私たちは決まりを守って生活します。これからもどうぞ見守ってください」と元気よく宣言。玉利園長と武下会長と4人で、がっちりと握手をした。

 来賓には函館市総務部総務課の武田忠夫参事らが訪れ、協定式に臨む子どもたちの姿を見守った。函館市東消防署の亀井一成副署長はあいさつで「地域の防災ネットワークを強めて、安心安全の町を目指して下さい」と呼びかけた。

 調印式後は地震と火災を想定した避難訓練を実施。町会員らが誘導や交通整理の協力をするなか、同地区の避難場所に指定されている函館高丘小学校のグラウンドまで避難する練習を行った。(堀内法子)