2011年11月13日 (日) 掲載

◎中部高・蛭田君、土橋さん全国へ…将棋新人大会

 函館中部高校の囲碁将棋部に所属する2年の蛭田将伍君(17)と1年の土橋ゆりなさん(16)が、来年1月27〜29日に京都市で行われる全国高等学校文化連盟将棋新人大会に出場することが決まった。男女そろっての出場は同校初。2人は「諦めない心を大事に、大会で多くの技術を学んできたい」と意欲を語る。

 2人は、4日に札幌で行れた高文連全道将棋新人大会の男女個人戦でそれぞれ3位を受賞した。同大会には、道内から予選を勝ち抜いてきた男子32人、女子8人が出場し、トーナメント戦を行った。全国大会出場枠は男子が上位2人、女子が同4人。蛭田君は2位が辞退したため、出場権を得た。

 小学校の時から将棋に親しんだ蛭田君は中学1年から本格的に学び、同部で部長を務める。試合について「強豪に当たった時は技を盗もうという気で挑んだが、その後の戦いは肩の力を抜いて対局することができた」と振り返る。昨年の9位から順位を上げようと、一局一局を大事に「どうしたら早く勝てるか」と練習を積み重ねてきた。「普段の練習の成果が、安定した対局につながった」と話す。

 土橋さんは、5月から将棋を始め、春の大会に出場するも入賞には至らなかった。その悔しさををバネに、先輩のアドバイスを受けながら腕を磨き、今回の大会に挑んだ。「対局に負けてもいいという気持ちもあったので、楽しく気楽にできた」といい、「出場が決まった時はまさか自分がという戸惑いの気持ちがあった」と話す。

 全国大会に向けて、蛭田君は「チャレンジ精神と初心を大事に、大会では多くの技術を得てきたい」、土橋さんは「人との出会いを大切に、頑張りたい」と期待に胸を弾ませる。

 顧問の成田睦生教諭は「全国大会への出場は男子が約20年、女子が約10年ぶり。2人には上位を目指して頑張ってほしい」とエールを送る。

 全国大会には男女128人が出場する。(平尾美陽子)



◎自慢の商品売りませんか 来月東京にアンテナショップ 函館市あすから公募

 大手コンビニエンスストアローソン(東京)の新店舗で函館の特産品を販売する「函館市アンテナショップ」が12月22日、東京都中央区にオープンするのに先立ち、市は今月14日から、同ショップで販売する商品の一部を公募する。市内のみならず、渡島・桧山管内に事業所を置く製造、卸売、小売業者にも門戸を広げ、意欲のある企業を後押ししていく。

 アンテナショップは中央区内の新店舗「ローソン京橋駅前店」内にオープンする。215平方メートルの売り場内の入り口に、約10平方メートルの専用コーナーを設ける。

 運営を手掛ける函館物産協会(石黒義男会長)加盟企業の商品の中から、水産加工品や菓子類など約80品を並べるが、今回はそのうち10品目程度を公募。函館市内と渡島・桧山管内で作られる加工食品と工芸品が対象で、原則3カ月間販売する。

 陳列の関係上、縦15センチ、横15センチ、奥行き15センチ以内の商品を募る。加工食品の場合では、においの強いものや大きな音のするもの、賞味期限の短いものなどは対象外となる。また、原材料の産地や製造工程が函館やその近郊であることも条件。市と同協会、ローソンで審査し、販売する商品を決定。テスト販売終了後には、出品者に販売情報を提供する。

 市商業振興課は公募について「市として出店するうえで、協会加盟の商品だけでは公平性が保たれない」とした上で、「どんな商品がヒットするか分からない面もあり、意欲のある企業を押し上げたい。売れる商品があれば協議の上、常時置いて定着を図っていく」と話し、応募を呼び掛けている。

 募集は原則、1事業者につき1品。市経済部のホームページからダウンロードできる所定の申込用紙に必要事項を記入の上、30日までに申し込む。問い合わせは同課TEL0138・21・3306。(千葉卓陽)



◎糖尿病予防の知識深める…市民教室

 函館市民糖尿病教室(函館市医師会、函館糖尿病懇談会主催)が12日、函館市大手町の函館国際ホテルで開かれ、市民らが栄養士らの講演などを通して予防の知識を深めた。14日の世界糖尿病予防デーに合わせて会員や参加者ら約50人が青色のかっぱを着て輪になり、啓発のシンボル、ブルーサークルを作って予防啓発の連帯感を深めた。

 同教室は毎年この時期に開催していて今回で24回目。薬剤師や管理栄養士が昨年のアンケート結果の解説や薬にかかわるミニレクチャーをしたほか、市立函館保健所の保健師の指導で、「いか踊り体操」も行われた。別室では、医療、栄養指導コーナー、血圧、血糖測定のコーナーも開かれた。

 後半は上大類病院(群馬県高崎市)の堀口時子管理栄養士が「張り切り母さん登場〜管理栄養士として・患者として〜」と題して講演。血糖値を下げるインスリンが欠乏する1型糖尿病を18年前に患い、その闘病体験を語り、発病しても前向きに生活する意義を訴えた。食事の大切さも強調し「糖尿病の食事は健康食。すべての栄養素を過不足なくバランス良く取ることを心掛けて」と呼び掛けた。

 終了後、同懇談会の呼び掛けでブルーサークルを実施。国内でも近年、各地で公共施設を青色にライトアップしたり、大人数で青色の衣類にまとって輪になる活動が広がりを見せている。

 同懇談会の高橋清仁代表幹事は「今後、ますます糖尿病患者は増えると予想されている。今回の輪が地域全体に広まれば」と話した。(鈴木 潤)


◎日ごろの研究成果披露…8高等教育機関

 函館市内の8つの高等教育機関が参加する合同研究発表会(キャンパス・コンソーシアム主催)が12日、市青年センターで開かれた。各校の学生が、日ごろの研究成果や野外活動について発表した。

 この日は、学生や教職員約200人が参加。会場には全42ブースが並び、研究活動をパネル展示したものやデモ体験できるもの、触れて楽しむ作品など、それぞれ思考を凝らしたプログラムで、来場者を楽しませた。

 身近な素材と手触りにこだわったおもちゃをはじめ、クレーンゲームやイカロボットは来場者の目を引き、学生の説明を受けながら「ほー!」と関心の声が上がった。

 また、モヤシの残りかすとホエーを使った飼料を給餌させたエコフィード豚の試食、日本とロシアの歴史を年表に起こした展示品や養殖魚をポスター展示したブースなども並び、来場者は学生たちの解説に熱心に耳を傾けていた。

 来場した市内在住の50代男性は「学生から熱いパワーをもらった。どの研究も実に興味深く、これからも頑張ってほしい」と笑顔で話していた。(平尾美陽子)


◎桧山沖スケトウ 爾志海区15日初出漁

 【八雲】乙部町と八雲町熊石で、スケトウダラ漁を営む漁業者で組織する「爾志海区助宗(すけそう)部会」(佐藤弘部会長)の通常総会が12日、同町熊石で開かれた。今シーズンの出漁日を15日とすることを正式に決定した。

 桧山沖のスケトウダラ漁は同海区の水揚げが主力。出漁を予定しているのは、乙部船団15隻、豊浜船団12隻、熊石船団10隻と、昨年より1隻少ない計37隻。15日明け方にかけて、乙部沖から熊石沖に分かれて3船団が出漁する。

 総会では、函館水産試験場が、桧山沖での漁獲見通しを説明。魚群の回遊に遅れがみられ、漁模様は、昨年をやや下回る3000トン前後の低水準で推移する見通しという。日本海では1990年以降、海水温が上がる温暖期が続いており、現在も稚魚の生存を妨げていることが不漁の原因とみられるという。

 ただ、05〜06年に生まれた5〜6歳魚が漁獲の中心となるとみられ、体長が40センチ前後のスケトウが水揚げされる見込みという。桧山沖は、日本海に生息するスケトウの唯一の産卵場で、産卵期を迎えた5〜6歳魚の繁殖状況が、今後の資源量を左右する。同海区の漁業者が独自措置として行っている、産卵期の自主禁漁など、資源保護の取り組みがさらに重要性を増しそうだ。

 桧山産のスケトウは、韓国向けの高級食材として、09年度には漁獲の3分の1に迫る輸出量を記録したが、昨年度は円高とウオン安の影響で減少。今季はさらに、東電福島第一原発の事故に伴う風評被害が重なり、輸出量は減少する見込み。このため、ひやま漁協や同部会は、国内向けの生鮮販売を強化。品質と価格の維持に取り組む方針だ。(松浦 純)