2011年11月2日 (水) 掲載

◎松前でフユザクラ

 【松前】サクラの名所、松前公園でフユザクラの花が咲き始めた。松前神社境内を散歩する町民らは、秋の温かな日差しを浴びる白いかれんな花に足を止め見入っていた。

 松前のフユザクラは、春は3〜4月ごろ、秋は11〜12月ごろの年に二度咲く。同公園内には約20本あり、今年の春は4月上旬に咲いた。町商工観光課によると、咲き始めたのは10月29日で、昨年と同じ時期だったが、平年より早めだという。同神社の境内では、一本の木に3〜4輪の花を付けている。

 松前城隣にある観光案内所は10月31日で今季の営業を終了。同案内所のガイドらは「ユキムシが飛び回り、フユザクラが咲くともう冬という感じがする」と話していた。(松宮一郎)



◎ふくしまキッズ、12月24日から冬プログラム

 【七飯】福島第一原発事故の影響が続く福島県内の子どもたちに冬休みを過ごしてもらう支援事業「ふくしまキッズ冬のプログラム」が、12月24日から七飯町などで開催される。大沼ふるさとの森自然学校(町東大沼、流山温泉)を拠点に同24〜30日の7日間、112人の参加が決定。期間中に1泊2日の民泊体験を実施するため、「大沼グリーンツーリズム推進協議会」(若松時彦会長)が近く、協力家庭の募集を行う。

 「福島の子どもを守ろうプログラム実行委員会」(進士徹委員長)、「子どもを守ろうプロジェクト協議会」(安江こずゑ会長、札幌)の主催。518人の子どもたちが道内で過ごした「夏季林間学校」の報告会を10月に東京、札幌、福島で開催し、福島の保護者からは「夏に引き続き少しでもきれいな空気を吸い、放射能の心配がない場所で過ごさせてあげたい」などとする声が寄せられた。

 参加募集は、10月31日に締め切り、北海道のほか、神奈川県に91人、愛媛県に32人の参加が決まった。北海道では同自然学校を拠点に、大沼近郊の宿泊施設に分散。12月28日から1泊2日でホームステイを実施する。滞在中は、生活リズムを身につけてもらうため、午前中は学習時間、午後を自由活動時間に充てる。

 実行委は「子どもを社会全体で育てる」ことを活動理念としており、交通費実費分の3万円のみ負担してもらい、活動経費は支援金で賄う。今夏の経過をまとめた報告書や活動動画をホームページ(http://fukushima-kids.org/)で公開し、支援を呼び掛けている。

 進士実行委員長(55)=NPO法人あぶくまエヌエスネット理事長、福島県鮫川村=は「夏に参加した子どもたちは北海道の地で、たくましく成長できた。8カ月になろうとする今も原発事故がいまだに収束していない。福島の子どもたちが、厳しい寒さの中で、人の心の温かさを感じ取ってくれると信じています」と話している。(今井正一)



◎函館市、給与削減を正式提案

 函館市は1日、職員給与の10%独自削減を柱とする人事・給与制度の見直し案を、市役所労働組合連合会(市労連、長谷川義樹執行委員長)に正式提案し、同日夜から団体交渉を開始した。12月1日からの実施に向け、市は今月中旬をめどに妥結を目指す意向だが、組合側は反発を強めている。

 提案は、本年度の人事院勧告に準じて給料表を平均0・23%減額改定し、そのうえで独自策として給与の10%減額、退職手当の10%減額(来年度以降20%、医療従事者は除く)、持ち家にかかる住居手当の来年度からの廃止など。市総務部によると、医療従事者を除く約3000人の職員が対象で、主査職(係長クラス)の場合で年間約70万円の減収になるという。

 併せて、06年度から試行してきた人事評価制度を来年度から本格導入して勤勉手当の算定に反映させる。また退職した公務員を再雇用する「再任用制度」の導入に向け、来年度は勤務時間などの労働条件を設定し、13年度から実際に配置する考え。

 提案とは別に、12月から特別職(副市長、常勤監査委員、教育長、企業局長)の給与の20%減額、退職手当の本年度10%、来年度以降20%減額(病院局長は給与10%、退職手当10%)や、管理職手当の10%カット(医療従事者は5%)を行う。

 午後6時からの団体交渉に出席した工藤寿樹市長は「約50億円の財政赤字を埋めるためには内部努力をしなければならない。官民格差もある」と述べて理解を求めたが、組合側からは「これまでも職員削減に協力してきたが、今回の提案は人生設計を狂わせる内容だ」などと批判が相次ぎ、主張は平行線をたどった。(千葉卓陽)


◎函館でも年賀はがき販売

 2012年用のお年玉付き年賀はがきの販売が1日、全国の郵便局などで一斉に始まった。函館中央郵便局(函館市新川町1)には、販売を待ちわびた市民らが次々と訪れ、束で買い求めていた。

 来年の年賀はがきは、無地(50円)、東日本大震災への寄付金付き(55円)、インクジェット写真用(60円)のほか、人気のディズニーキャラクターや干支(えと)のたつ、北海道限定でタンチョウの絵柄入りなど11種類を販売する。

 初日に買い求める人は年々減少傾向にあるというが、販売を開始した午前9時には数人の客が窓口を訪れ、目当てのはがきを購入していた。郵便事業会社函館支店によると、渡島・桧山管内では約1164万枚を販売予定。雪が降り始めると購入者が増加する傾向といい、販売のピークは「11月下旬から12月上旬にかけて」と予測する。

 年賀はがきの受け付けは12月15日から。同支店郵便課の山口直喜課長(47)は「年初めに心を伝えるコミュニケーションツールとして多くの方に利用していただきたい」と話していた。(小杉貴洋)


◎燃料盗難ご用心、桧山南部で警戒強化

 石油価格が上昇する冬を迎えて、桧山南部では、漁船などの燃料や、家庭の灯油などを狙った窃盗事件の発生に備えて警戒を強めている。乙部町の漁港では高性能の監視カメラを設置し、様子を見守っている。

 昨年10月から11月にかけて、乙部漁港では停泊中の漁船から燃料を抜き取られたり、燃料タンクが盗まれる被害が10件以上も続発。石油価格が高騰した2008年に続き、渡島・桧山両管内の漁港でも被害が多発した。

 いずれも深夜から未明にかけて停泊中の漁船に侵入。取り外し可能な船外機などの燃料タンクを持ち去ったり、燃料を抜き取る手口だった。

 被害の多発を受けて、乙部町は今年に入り、高出力の防犯灯5基を乙部・豊浜の両漁港に設置。町内の漁業者でつくる乙部ナマコ協議会(工藤智司会長)も7月、窃盗被害や密漁の抑止に向けて、乙部漁港に高感度の監視カメラを設置した。カメラは高感度の赤外線暗視装置を備え、夜間でも人や車両の姿を鮮明に捉える。パソコンや携帯電話を通じて、24時間態勢で漁港の様子を監視できるという。

 桧山南部では昨年、民家や店舗のガスボンベや灯油を狙った窃盗事件が続発。厚沢部町では、飲食店のホームタンクから灯油を抜き取ろうとした無職男(当時88)を店主が発見、江差署に身柄を引き渡した。江差町でも、住宅などからガスボンベを盗み、自宅で繰り返し使用していた男(当時25)が逮捕された。同署管内では今秋、燃油類を狙った目立った窃盗事件は発生していないが「厳冬期には事件が増える可能性もある」(同署)として警戒している。(松浦 純)