2011年11月21日 (月) 掲載

◎和太鼓の迫力楽しむ

 函館市美原1の亀田ゆたか幼稚園(佐藤篤正園長、園児132人)で20日、函館巴太鼓振興会(小椋浩史リーダー)による和太鼓演奏会が開かれた。園児や保護者、地域住民ら約90人が訪れ、迫力ある和太鼓の音色を楽しんだ。

 園児の父親でつくる「お父さんの会」(沢田義治会長)に同振興会のメンバーが在籍していることから始まり、今回で2回目。普段触れる機会が少ない和太鼓を間近で楽しんでもらおうと行われた。

 勇壮で力強い演奏が鳴り響き、会場全体が振動しているような音に、園児たちは驚きの表情だったが、徐々に慣れると笑顔に変わった。体験コーナーでは園児たちが指導を受けながら連打に挑戦。力いっぱい太鼓をたたき、楽しむ姿が見られた。

 園児の加藤美海ちゃん(5)は「近くで見たのは初めてで、すごい力強さだった。太鼓がたたけてすごく楽しかった」と笑顔だった。(柏渕祐二)



◎携帯電話から検索、予約OK

 函館市中央図書館は12月1日から、同館と市内各図書室の蔵書検索システム「OPAC」の機能を拡大する。これまで館内とパソコンからに限られていた図書検索や予約受け付けなどの機能を、携帯電話でも行えるようにする。同館は「新システム導入を機会に、より多くの方に図書館を利用してほしい」としている。

 携帯電話からアクセスする「モバイルOPAC」では、パソコン版と同じ機能を搭載。利用者カードの番号を打ち込むと、予約申し込みをはじめ、貸出中の本の返却期限や一覧の確認が可能となる。これまで電話とカウンターでのみ受け付けていた貸出期間の延長も申し込める。年齢制限は設定しておらず、誰もが場所を選ばず利用できる。

 館内にあるOPACでも利用照会や予約申し込み、貸出期間の延長機能を新たに取り入れた。また、パソコン版では貸出期間延長機能を加えたほか、高校生以上としていた端末利用の制限も撤廃する。同館は「データ化したことで利用状況などが確認しやすくなる」と話す。

 併せて、持ち出し防止機能を搭載する館内ゲートと自動貸出機の機械を一新するほか、桔梗配本所(桔梗4)にもOPACを設置させる。

 同館は「利用者からの要望や機械の老朽化を受けて実施した。今後も利用者のニーズに応え、図書館の利便性向上を目指し、新サービスを考えていきたい」としている。

 システム更新のため、中央図書館と移動図書館車は24〜30日まで、各図書室・配本所は23〜30日まで休館する。併せてインターネットでの蔵書検索、予約機能も停止する。休館中はブックポストでの本の返却のみ受け付ける。問い合わせは同館TEL0138・35・6801。(後藤 真)



◎教会に響け歓喜の歌 来月29日、市民が第九に挑戦

 合唱愛好家40人でつくる函館の市民団体が12月29日、ベートーベンの交響曲第9番の第4楽章に挑戦する演奏会を市内で開く。市内在住の若手作曲家、作道(つくりみち)幸枝さん(31)が編曲したピアノとオルガンの伴奏で披露する予定で、主催者は当日出演できる市民も募っている。

 主催するのは、函館の音楽と歴史を考える会とカトリック湯川教会音楽委員会。両団体の中心メンバーである声楽家の徳永ふさ子さんが「いつかこの大曲を市民で演奏できれば」と長年考え続けてきた。今年夏から、徳永さんが主宰する「函館メサイア合唱団」が練習を重ねている。

 「第九」は1〜4楽章から成るが、演奏に1時間以上かかり「技術的にも難しいため」(徳永さん)、本番では合唱付きの第4楽章のみ。オーケストラも練習に時間がかかるため、伴奏パートは合唱と合同練習がしやすく、管弦楽器の雰囲気を再現しやすいオルガンとピアノだけにし、徳永さんが作道さんに編曲を委嘱した。

 愛知県立芸大作曲科出身の作道さんは、学生時代からオーケストラを中心に作曲していた。今回は「壮大で勇壮な原曲の雰囲気を最大限生かすように努めた」という。

 作道さんはさらに、縄文時代に鳴り響いていたとされる音の研究を続ける徳永さんの依頼で、海や森といった当時の大自然をイメージして合唱や独唱曲など「縄文三曲」も手掛けた。いずれも日本の音楽のルーツとされる5音音階「ドレミソラ」を用い、郷愁を感じさせる曲調に。「第九」と合わせて演奏会本番で取り上げるほか、早ければ12月上旬にも楽譜の出版を予定している。

 作道さんは「縄文三曲」について「自分なりに透明感のある響きを求めた。5音音階ならではのきれいな旋律も楽しんでもらえたら」と期待。徳永さんは「第九」について「人間の友好や絆、力強さを訴えかける曲。東日本大震災被災者へ祈る意味でも、力を込めて披露したい」と意気込んでいる。

 演奏会はカトリック湯川教会(駒場町14)で午後2時から。「第九」出演希望者は12月16、27、28日の合同練習に参加可能で、それまでに自分のパートの音取りを終えること。また、12月8日午後6時からは渡島総合振興局(美原4)で「縄文三曲」などを披露する演奏会も。いずれも入場無料。問い合わせは事務局TEL080・4048・5182。(長内 健)


◎大間原発反対訴え行進

 青森県大間町に建設中の大間原発の建設中止を訴える「バイバイ大間原発はこだてウォークD」が20日、函館市内繁華街で行われた。今年最後のデモ行進とあって参加者約150人は、寒風を吹き飛ばす勢いで「大間原発大間違い」「エネルギーシフト!」と声をそろえ、“脱原発”で「豊かな自然や未来ある子どもたちを守ろう」と結束を強めた。

 函館の市民団体「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表、NPO法人南北海道自然エネルギープロジェクトのピーター・ハウレット代表理事らが呼び掛け、これまでに大間町の対岸にある函館大森浜などから、4回にわたり建設中止へ声を張り上げてきた。

 行進に先立って、千代台公園で集会を実施。福島第一原発事故の影響で、福島市から避難し、妻と離れ子どもと函館で暮らしている鈴木明広さん(51)が「放射能の影響は人体だけでなく良好だった人間関係までも断ち切ってしまった」とし、「(福島県の人たちの)生存権、人権が無視されている。建設の即時中止を強く求める」と訴えた。

 同公園を出発した参加者は、この日のために作った「放射能にNO!」など4種類の掛け声を連呼。五稜郭公園までの約1・5キロを練り歩き、ゴールでは大間原発を確実に止まるまでウオークをし続けると約束した。

 また同訴訟の会は12月上旬に、建設差し止めなどを求める第2次訴訟を起こすことから、竹田代表が「函館には何のメリットもない。燃料が入る前には絶対止めたい」と話し、原告団への加入を呼び掛けた。(小杉貴洋)


◎タイヤ泥棒に注意を!

 道警函館方面管内でタイヤ盗被害件数が10月末現在で、昨年同期の約3倍に上っていることなどから、函館西署は20日、ミスタータイヤマン函館港店(港町1)で盗難防止についての広報活動を行った。この日がタイヤ交換のピークとあり、訪れた多くの客に「適切な管理で被害を防いで」と呼び掛けた。

 同方面管内のタイヤ盗発生状況は、10月末で114件(昨年同期比73件増)。同署管内でも昨年が8件だったのに対し、今年は28件と激増した。履き替え時期になるまで犯行に気付かないケースが多く、タイヤ交換をするこの時期になると、被害の届け出が多くなる。

 被害の約55%が無施錠の物置や車庫からといい、タイヤをチェーンで固定しなかったり、屋外に野ざらしの状態で盗難に遭うことも少なくないという。そのため、署員は啓発チラシを来店客に手渡しながら、「適切な管理を」と訴えた。

 同店の横内清一社長は「盗まれてタイヤを購入される人も増えている。有料ですがタイヤの保管も受け付けているので、気軽に相談してほしい」と話していた。(小杉貴洋)