2011年11月22日 (火) 掲載

◎3森林組合 合併に合意…来年6月に新組合発足

 はこだて広域、森町、鹿部町の3森林組合の合併予備契約調印式が21日、函館国際ホテルで行われた。各組合や各自治体、道の関係者ら約60人が出席。田島義勝(はこだて)、松田寿雄(森町)、松川正(鹿部)の3代表理事組合長が予備契約書を交わした。各組合での承認などを経て、来年6月1日に新組合が発足する。

 3組合は昨年8月に合併協議会を設立。約1年掛けて、協議を進めてきた。合併後は函館、北斗、森、鹿部の4市町を事業管轄とし、組合員数955人、所有森林面積約3万ヘクタール、事業収益額約4億円の組織となる。

 田島組合長は「資本力を増強し、渡島東部の中核組織として、地域社会の振興に尽力していく」とあいさつ。渡島総合振興局の永井正博局長は「森林組合の使命役割は一層重要となる。森林の役割は環境面、生活面にも大きく影響している。今後とも、さまざまな努力をしていただければ」と祝辞を述べた。

 調印書には、田島組合長ら3人の組合長、永井局長、4市町の副首長ら6人が立会人として署名した。今後、来年2月の各組合総会・総代会での議決後、道へ認可申請し、6月から新組合となる。(今井正一)



◎乗車料金助成、敬老祝い金 事業見直し案提出…函館市

 函館市は21日、9月の事業仕分けで廃止判定されていた交通機関乗車料金助成と敬老祝い金贈呈の両事業の見直し案を公表した。交通料金助成は旧4町村にも対象を広げるとともに、高齢者など一部で上限を定める。敬老祝い金は一部を除き、本年度限りで廃止とする考え。ともに来年4月からの適用を目指す。

 交通料金助成は、70歳以上の高齢者と障害者に市電・バスの半額・無料利用証を交付する制度。事業仕分けでは利用実績に基づいていない助成方式について指摘され、新たな方式の構築などが求められていた。

 市は指摘を受け、対象に含まれていなかった旧4町村を加えるほか、対象者に応じた制度を構築することにした。

 70歳以上の高齢者は助成を上限5000円までとし、半額利用証を提示する方式から、助成券で専用プリペイドカードを買う方式へと移行させる。

 身体・知的・精神障害者は外出支援を目的に新たに要綱を制定。@施設などの通所者A通所者以外の者—に区分。通所者は全額または半額助成の利用証方式とし、通所実績に基づいて実費精算する。通所者以外は専用プリペイドカード方式とし、障害の種類や程度に応じて助成の上限を設ける。また、児童扶養手当受給世帯は、すでに各種の子育ての経済支援制度が設けられていることなどから廃止とする。

 77、88、99、100、101歳以上と市内最高齢者に対して祝い金と祝品を贈呈する敬老祝い金事業は厳しい財政状況を考慮し、仕分けでは現金支給を廃止するべきといった意見が上がっていた。新事業案では市内最高齢者への祝品贈呈のみ継続する。

 見直しで生まれる財源は、既存の高齢者福祉支援制度や子育て支援などに充てる。市福祉部は「事業仕分けでの意見や経費削減を考慮し、見直しを決めた」としている。(後藤 真)



◎函館弁護士会が「子どもの権利と法教育委」設立

 函館弁護士会(窪田良弘会長)はこのほど、「子どもの権利と法教育委員会」(森越清彦委員長)を設立した。現在、若手弁護士ら7人が中心となり、道南地域に住む子どもたちの権利保障と法教育の拡充に向け、法曹の立場からの取り組みを進めようとしている。

 同委員会は「子どもの権利条約」が日本で批准されても、国内法の整備が進まない現状や法教育の重要性、虐待や不登校、障害を抱える子どもたちに関する問題をサポートする団体をつなげ、法的な目も加えた連携を強めようと発足した。

 森越委員長は「大人と子どもには価値観にギャップがある。大人の強い期待が、若い世代の自己否定や疲へいを強めている感じる」とし、「今後は知恵を出し合って子どもたちの居場所づくりに努めたい」と話す。波戸岡光太弁護士も「積極的に外に出て出前授業などから法教育を充実させたい」と意気込む。

 同委員会の設立記念の集いとして26日午後2時から、市亀田福祉センター(函館市美原1)で特別講演「子どもたちに寄り添う〜いじめ・虐待・非行の現場から〜」(入場無料)が行われる。講師に日本で初めて子どもたちを受け入れるシェルターを創設した、弁護士で社会福祉法人カリヨン子どもセンター理事長の坪内節子さん(東京)が、昨今の現状や経験談などを話す。

 同会では「講演の中に必要なヒントがあるはず。悩んでいる人や子どもをサポートする団体の方などに聞いていただきたい」と来場を呼び掛けている。詳しくはTEL0138・41・0232(同委員会)。(小杉貴洋)


◎列車火災 迅速に避難…JR北海道が知内で訓練

 【知内】列車内で起きた火災に対応するため、JR北海道函館支社は21日、知内駅で青函トンネル総合防災訓練を行った。今年5月に石勝線トンネル内で脱線炎上事故があったこともあり、同社の社員らは不測の事態に備え、迅速に避難誘導をするなど真剣な表情で訓練に取り組んだ。

 同社では防災体制の強化と2次災害の防止、関係機関との連携強化を目的に、青函トンネル内や本道、本州側の駅で年に2回訓練を実施している。この日は同社社員のほか、警察、消防合わせて約160人が参加した。

 訓練は津軽海峡線を走行する函館発青森行きの特急列車(6両編成)内で火災が発生し、負傷者が出たとの想定で行った。

 木古内駅通過後に列車内で煙が発生したとして停車。車掌らが、乗客役として乗り込んだ同社社員を安全な先頭の6号車と最後尾の1号車に移動させる措置を取った。知内駅に到着するとすぐに誘導係が迅速に乗客を避難させ、救命士が負傷者役を担架で搬送した。駅構内の消火設備から火災が発生した車両に向かって放水し、消火活動の訓練も行なった。

 訓練終了後の講評で同支社の鈴木理夫次長は「連絡や避難誘導が速やかにできた。安全な運行を心掛けていく」と話した。(松宮一郎)


◎輸出3カ月ぶり減少…10月の函館貿易速報

 函館税関が21日に公表した10月の函館貿易速報によると、輸出は船舶などが減少し、前年同月比73・2%減の9億5300万円と3カ月ぶりに減少に転じた。輸入も船舶や石炭などが減少し、同61・3%減の12億7100万円と6カ月ぶりのマイナスとなった。

 輸出の大きな減少要因は、主力の船舶が全減となったこと。このほか鉄鋼のくずは同71・5%減の1億700万円。非金属鉱物製品(セメント)も同42・1%減の1億1100万円にとどまった。

 品目別で最も金額が大きかったのは一般機械で、同534倍の5億3900万円だった。内容はロシア向け木材加工プラント用の機械部品。魚介類・同調整品は同9・1%増の1億8400万円と若干の増加。不漁のサケが全減だったが、タラは全増の1300万円。このほか冷凍イカやカタクチイワシなどその他の冷凍魚が前年より増えた。

 輸入は、船舶が前年に貨物船1隻の扱いがあったが全減に。石炭は同52・9%減の2億9800万円。魚介類・同調整品は、全体は同41・0%減の4億2800万円で、サケ・マスの扱い減が響いた。ただイカは同5・9倍、イカ調整品を含む魚介類の調整品は同2・7倍と伸びた。

 増加したのは小麦・メスリンで同2・7倍の2億900万円。石油製品(石油アスファルト)は5600万円、動物性油脂(魚油)は1億1500万円でいずれも全増。このほか耐火レンガや果実のシロップ漬けなどが増えた。

 同税関管内(道内と青森、秋田、岩手の東北3県)は、輸出が同17・6%増の518億5800万円と2カ月ぶりのプラス。輸入は同38・6%増の1593億100万円と22カ月連続で増えている。(小泉まや)