2011年11月5日 (土) 掲載

◎クジラ肉にガブリ!…市内小中学校の給食で竜田揚げ

 函館市内の小中学校で4日、給食のクジラ肉メニューの提供が始まった。初日は小学13校、中学11校でクジラの竜田揚げが出され、児童らがおいしそうに頬張った。  函館市では古くからクジラ肉を食べる風習があり、1977年までは通常の給食メニューとして提供。2004年からは食文化の伝承を目的に、毎年期間限定でクジラ肉メニューを取り入れている。

 今年は昨年6〜8月に北西太平洋沖で調査捕鯨として水揚げしたイワシクジラの副産物920キロ分を使用。ショウガや酒、しょうゆで下味をつけ、油で揚げた。

 青柳小学校(加藤潔校長)では全校児童234人がクジラ肉メニューを楽しんだ。そのうち、1年1組の児童20人は真っ先に竜田揚げに箸を伸ばし、なくなるとお代わりをするなど、おいしそうに食べていた。

 同組の豊川達也君は「クジラを食べたのは初めてだったけど、何個でも食べたいと思った」、紅谷愛夏さんは「普通のお肉より柔らかくておいしかった。家でも食べたい」と笑顔を浮かべていた。

 クジラ肉は28日まで、市内74の小中学校で提供される。(後藤 真)



◎香雪園の紅葉 見ごろピーク

 函館市見晴町56の香雪園(見晴公園)で紅葉がピークを迎え、カエデ科のオオサカズキやイロハモミジ、ヤマモミジが赤や黄に染まった。夜間のライトアップでは葉の形が暗闇に美しく映え、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 今年は10月20日ごろから色づきが本格化し、同下旬には園内が見事な色に染まった。最近は暖かい日が続き、大勢の市民や観光客が紅葉狩りや散策を楽しんでいる。夜間は照明効果で昼とは違った色合いとなり、イロハモミジの大木が浮かび上がるように見えるなど、来場者は感嘆の声を上げている。

 4日の昼夜2回訪れたという市内の30代女性は「昼は葉がきれいで、夜は木がすごいという印象。さまざまな色があり、本当に楽しい」と話していた。

 園内では13日まで、多彩な芸術の観賞、体験を楽しめる「はこだてMOMI|Gフェスタ」を開催中で、ライトアップは午後4時から同9時まで。(山崎純一)



◎北大大学院生が「自習学館」開校…港町北部町会館会員の村松さんら

 教員志望の北大水産学部大学院生らの有志4人が4日、同大と同じ地域にある港町北部町会館(函館市港町3)で、子どもたちが自由に勉強できる場を設けた。問題が解けない児童・生徒を手助けする金曜日限定のボランティアで、「自習学館」と命名。同町会(久保田公雄会長)も快く会場を貸し出した。中心メンバーの一人で町会員でもある村松康太さん(22)は「自主的に勉強する子どもがどんどん生まれれば」と意気込んでいる。

 村松さんは東京都多摩市出身。中学時代、地元のボランティア団体が子どものために自宅に設けていた「自習学館」に通い、教員免許を持つ講師から勉強を教えてもらった。「進路相談もいい思い出。ずっと子どものために何かできればと考えていた」と振り返る。

 同水産学部進学で3年前に函館に来た村松さん。同町会の夏祭りで出会った幅広い世代との交流に魅力を覚え、町会に加入。行事に参加し続ける中、自習学館の構想を打ち明けたところ、久保田会長(74)らが快諾。今年8月から計画を詰め、開校の周知を図ったり、対象の小4〜中3の子どもに参加を募った。

 村松さんの呼び掛けで友人の横地恵一さん(22)、和泉裕志さん(24)、山根慶子さん(20)がスタッフとして参加。初日は町内の小中学生10人が集まり、問題集やノートを広げて思い思いに計算問題や漢字の書き取りに取り組んだ。「割り算が分からない」「この漢字はどう読むんですか」。子どもたちの疑問に、村松さんらスタッフ4人が親身に対応。その場で簡単な課題を作って解かせる臨機応変さも。

 函館港中1年の越尾唯純さん(12)は「自宅だと勉強できないこともあるけど、ここは雰囲気がいいから集中できる」と漢字の練習を繰り返していた。

 久保田会長は「町会に入っている大学生の存在そのものが珍しいばかりか、取り組みも素晴らしい。応援したい」と協力を惜しまない考え。村松さんは「町会員になると横のつながりが生まれるし、場所を借りられたのも互いの信頼関係ができているから」と話す。その上で「活動はどう展開するか分からないけど、半年間試行錯誤を続けた後、成果と課題を整理してもっと軌道に乗せることができれば」と夢を膨らませている。

 自習学館は午後5時〜同7時。参加無料。問い合わせは同町会館TEL0138-43-3292。(長内 健)


◎函館—ソウル 来月20日に定期便再開

 大韓航空は4日、東日本大震災の影響で運休している函館—ソウル(仁川)間の定期便について、再開時期を予定より1週間前倒しした12月20日とすることを正式に発表した。同社函館支店は「日韓とも冬休みに入る時期で、辛うじて『はこだてクリスマスファンタジー』(12月1日〜25日)に間に合わせることができた」とする。

 同路線は週3回(火・木・日曜日)の定期便だが、ゴールデンウイーク期間などを除き、東日本大震災後の3月22日から運休している。再開は当初12月27日の予定だった。

 放射能汚染に対する懸念から韓国国内からの集客が見込めないとする同社に対し、函館市の政財界は9、10月のチャーター便運航に協力したり、10月上旬にはトップが本社を訪問するなど早期再開を求める活動をしてきた。

 同支店の津野圭司支店長は「(これらの活動が本社の決定に)大きく影響した。皆さんのおかげで再開できる」とした。当初は10月下旬にも再開前倒しを決定する予定だったことに対しては「日韓の政府機関の許可を待っていた」と説明した。

 函館市の工藤寿樹市長は、「お願いを真摯(しんし)に受け止めていただいた結果。これまで以上に多くの観光客が訪れるとともに、今後も安定的に運行するよう地域一丸で取り組みたい」とコメントした。

 函館商工会議所の松本栄一会頭は「クリスマスファンタジーに間に合い、活動したかいがあった」と安堵(あんど)。「函館からの搭乗率が20%にとどまっており、先方からは30%まで引き上げてほしいと希望があった。今後も地元として利用者確保に努力していきたい」とした。(小泉まや)


◎アイデア料理満載 ふっくりんこで特製弁当…大妻高

 函館大妻高校(池田延己校長、447人)食物健康科の生徒が育てた道南産米「ふっくりんこ」を使った特製弁当が5、6の両日、函館市昭和1のホクレンショップで限定販売される。

 新函館農協やホクレンショップ函館支所などの協力を得て同校が実施。同科では、3年間を通して食べることの大切さを学ぶ「食育教育」を重視。リンゴの収穫や稲作体験など、さまざまな体験を行っている。「ふっくりんこ」の弁当は3回目。今回は2年生41人が田植えや稲刈り、脱穀などを行い、弁当づくりにも挑戦した。

 メニューは、秋らしいサツマイモやカボチャ、シイタケなどを使い、高校生ならではの発想で考案したアイデア料理が並ぶ。生徒が試作を重ね、地元食材をふんだんに盛り込んだ「大妻日和弁当」(一食500円)は、和と洋のおかずが盛り込まれ、彩り豊かな料理11品が楽しめる。

 調理した森分晴香さん(17)は「感謝の気持ちを込めて作った。旬のおいしさを多くの人に味わってもらいたい」と話している。

 店頭では生徒が販売を行い、5日は午前10時、6日は午前9時にスタート。各日とも限定100食で、売り切れ次第終了。(平尾美陽子)