2011年11月7日 (月) 掲載

◎スリッパ卓球で熱戦、オンパク閉幕

 函館市内の湯の川温泉街を舞台に先月29日から繰り広げられた体験型イベント「第7回はこだて湯の川温泉泊覧会・オンパク」(実行委主催)は6日、花びしホテル(湯川町)でフィナーレ企画「スリッパ卓球大会」を行い、閉幕した。

 おなじみの温泉卓球のラケットをスリッパに代え、ダブルスで試合。親子や友人同士など9組18人が参加し、優勝を争った。

 参加者は浴衣に着替えて試合に臨み、熱戦を展開。決勝トーナメントは予選リーグを勝ち上がった6組で行われ、各試合とも好勝負が繰り広げられ、盛り上がりを見せていた。優勝、準優勝ペアには同ホテルペア宿泊券が贈呈された。

 優勝した親子ペアの田中明雄さん(49)、沙弥佳さん(17)は「意外と難しかった。チームワークで優勝できて良かったです」と笑顔を見せていた。

 第7回オンパクは9日間で全39プログラムが行われ、計833人の定員に対して約540人が参加した。金道太朗実行委員長は「だいぶ定着し、今年も多くの人に楽しんでいただいた。来年もさらに広報活動を展開し、ボリュームアップを図りたい」と話していた。(鈴木 潤)



◎10年国勢調査確定値、函館の人口減加速

 総務省が発表した2010年10月実施の国勢調査の確定値で、函館市の人口は27万9127人と、前回(2005年)調査より1万5137人(5.1%)減少した。減少数は道内の市町村最大で、全国でも福岡県北九州市に次いで2番目の多さ。65歳以上の人口も過去最多の4人に1人を占め、本格的な人口減少時代の到来を浮き彫りにした。

 市総務課によると、1920(大正9)年の調査開始以来、人口の減少数・率とも最大の下げ幅となった。少子高齢化に伴い、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」が加速していることに加え、若者を中心とした市外転出、長引く景気低迷による事業所数の減少などが要因だ。

 地域別では、合併前の旧市域が26万5357人で、前回調査時から1万3227人(4.7%)の減少。旧4町村地域では、戸井が368人(10.5%)減の3128人、恵山が559人(13.6%)減の3553人、椴法華が223人(16.9%)減の1095人、南茅部が760人(11.3%)減の5994人だった。

 また、年齢別では15歳未満が過去最少の3万474人で人口全体の10.9%にとどまった半面、65歳以上が過去最多の7万6637人で全体の27.5%を占めた。特に旧4町村地域の65歳以上の割合は恵山38.2%、椴法華37・9%、戸井34.6%、南茅部33%と際立ち、3人に1人が高齢者となった。

 世帯数も調査開始以来、初めて減少に転じ、前回調査から2231世帯(1.7%)減の12万6180世帯に。1世帯当たりの平均人数も過去最少の前回より0.08人減の2.21人で、核家族化の進行がうかがえる。65歳以上の単身世帯も市内全体で1万7501世帯と、前回から2204人(14.4%)も増えた。

 国勢調査結果は、市の歳入全体の4分の1を占める国からの交付税の算定根拠となる。市に配分される本年度の普通交付税は、今回の人口減が響き、当初予算の見込みより約7億3000万円減少した。今後、行財政改革による大幅な歳出削減は不可避だが、高齢化に伴う福祉関連などの業務量や予算はむしろ増加傾向にある。

 4日に開かれた民主党渡島地域政策懇談会で、工藤寿樹市長は交付税の大幅な減少に言及し「財政試算では向こう5、6年は毎年50億円の財源不足となる。職員の給与カットなど内部努力の次は市民サービスにもある程度切り込まなければならない」と述べ、人口減への危機感を募らせる。

 市の人口推計では、5年後の16年には26万4507人とさらに減少傾向は続くとみる。市財政課も「交付税への依存体質のままでは、行政サービスの低下や市民への負担増を招く恐れがある。行革と併行して人口減に歯止めをかけるための経済振興や子育て支援などの政策展開も必要」としている。(森健太郎)



◎民謡や踊りで被災地支援、慈善ショー

 【江差】東日本大震災で被災した東北地方の中学生への支援などを掲げて、町民有志で組織した実行委員会が主催する「民謡まつり・福祉チャリティーショー」(函館新聞社など後援)が6日、町文化会館で開かれた。

 江差追分愛好家や地元の追分師匠陣らで結成した「民謡を愛する古里づくり実行委員会」(本庄志津男会長)の主催。江差出身の民謡歌手・KAZUMIさんや、歴代の江差追分全国大会優勝者らが出演。自慢の民謡や踊りで、会場を埋めた観客を魅了した。

 1964(昭和39)年度の江差中卒業生が結成した「60の手習い39会」は、ソーラン節の勇壮な踊りを披露。フラダンスサークル「ハイビスカス江差グループ」も、華麗なダンスで会場を盛り上げた。

 開会に先立ち、実行委の本庄会長が、前売り券の販売収入のうち、10万円を江差町社会福祉協議会の佐野進会長に手渡した。また、被災地の中学校吹奏楽部の生徒たちに、楽器の購入費用を支援する活動を行っている江差中吹奏楽部にも8万円を贈呈した。さらに、当日券の売り上げを含め、イベントの決算で生じた剰余金は、全額を同部に贈る予定という。(松浦 純)


◎新グルメ開発着々、中間発表会で試食

 函館大学と函館短期大学付設調理師専門学校の連携で進める「はこだて新グルメ開発プロジェクト」の中間発表会が5日、同校で開かれた。取り組んでいるプロジェクトについて学生たちが説明し、新グルメの試作品が関係者に振る舞われた。

 同プロジェクトは、函館市や近郊の特産物を使い、「食」の分野から函館の魅力をPRしようと、今年2月に設立。「郷土の特産物」などの観点から、学生と関係者11人が道南地域にふさわしい新グルメの案を練ってきた。

 これまで計14回の企画会議を実施。函館市や近郊の特産物を調べたり、農業関係者から話を聞くなどの情報収集を経て、食材は「エゾシカ肉」と「タマフクラ」の2つに決定した。

 この日は、2つの食材を選んだ理由や栄養成分などを、関係者50人に説明。エゾシカ肉は「衛生面の不安や食べるのに抵抗があるなど、悪いイメージを持つ人もいると思うが、低カロリーで高タンパクな食材」とし、「食べることでエゾシカによる農業被害を減らすことができる」と紹介した。道南地域限定で栽培が行われている新品種の大豆「タマフクラ」は、「煮物に適し、大豆独特の臭いも少なく上品な味が特徴。和菓子や洋菓子にも相性がいい」と話した。

 その後、2つの食材を使った試作品11品の試食会が開かれ、関係者に、味覚や触感などに対する意見を求めた。シカ肉の料理としては、すねやももの部位を使ったカレーやコロッケ、タマフクラはロールケーキや柿の種と組み合わせたおつまみなどが振る舞われた。カレーは激辛と中辛の2種類の味が用意され、ロールケーキは生地やクリームにタマフクラを練り込み、ほどよい甘さが人気を集めていた。

 同プロジェクトの学生代表の伊藤祐介さん(21)は「今回のアンケートを参考にしながら、新グルメ開発に向けて頑張っていきたい」と気持ちを新たにしていた。

 今後は、来年の2月に開かれる最終発表会に向け、グルメの開発やマーケティングなどについての話し合いを行っていく。(平尾美陽子)