2011年11月9日 (水) 掲載

◎トルナーレのクラブハウス披露、七飯産の木材使用

 【七飯】町は8日、林野庁の補助金を活用して建設中の東大沼多目的グラウンド「トルナーレ」クラブハウスの現場見学会を開いた。グラウンドの付帯施設としての用途のほか、町産のトドマツやスギなどの地場産木材を使用し、「地材地消」の普及促進を図るモデル建築物としての役割を担う。町内外の建設業や林業関係者らが招かれ、木材の活用状況を視察した。

 クラブハウスは、1階部分にロッカールーム、グラウンドを見下ろすことができる2階には、試合や練習を観戦するためのスペースや、サッカー関連の記念品を展示するホールなどを設ける。

 総事業費3645万円のうち、林野庁の森林整備加速化・林業再生事業木造公共施設整備補助金3060万円を活用。木造2階建て延べ212平方bで、外壁のスギ材、柱やはりにトドマツ、板面にカラマツなど、町産の木材を約40立方b使用した。工事の進ちょく状況は現在70%で、12月下旬に完成し、来年度からの供用開始を予定している。

 見学会で、町農林水産課の田中真一課長が「木のぬくもりを感じながらスポーツの観戦と、多くの利用者に親しまれる自然との融合を目指すことをテーマに整備した」とあいさつ。関係者は、天井や内壁など、木材の活用状況を熱心に見学していた。(今井正一)



◎函館市、商店街助成の利用順調

 函館市が今年7月に創設した「元気いっぱい商店街等支援交付金制度」は、開始から約3カ月間で11団体から延べ15件、約1300万円の利用申請があった。主に商店街のイベントや、商工会によるプレミアム商品券の発行予算などに充てられており、市経済部は「初年度としてはまずまずの出足」と話している。

 同制度は、工藤寿樹市長の就任に伴って新たに打ち出した事業の一つ。商店街の存在の再認識や地域経済の活性化を目的としており、集客イベントや販売促進事業、遊休施設の活用などに対して事業費の全額を交付する。商店街や商店街振興組合、市場、商工会など市内の20団体を対象としており、本年度補正予算で4330万円を計上した。

 参加店数に応じて30万円〜300万円の交付金を配分し、各団体は上限の範囲内で複数回申請できるのが特徴。市商業振興課によると、15件の申請のうち10件が実施済みで、夏祭りや秋祭り、大売り出しの開催などに使われている。

 このうち、旧4町村をエリアとする函館東商工会は、10月に20%のプレミアム付き商品券を販売したほか、同月に椴法華港で開いた「秋の味覚祭り」の開催経費に充てた。プレミアム商品券はこれまでも10%割り増しで独自に行っていたが、今年は交付金を使って20%割り増しとした。同商工会は「用意した1000セットが即日完売し、地域経済への一定の効果はあった」とし、来年度も実施する意向を示している。

 今後は各商店街の歳末大売り出しに向けた申請が増えるとみられ、同課は来年度以降についても「各団体が年間の事業計画に沿って、申請するケースが出てくるのでは」と話す。申請団体に対しては交付決定後の実績報告書の提出を義務付けており、「領収書や実施時の写真なども出してもらい、使途をしっかり審査する」としている。(千葉卓陽)



◎消防無線のデジタル化、桧山町村会が導入時期の延長求める

 総務省は、消防や救急業務に使用する消防・防災無線のデジタル化を2016年5月末までと定めている。しかし、消防署や消防団の無線機など、システムの更新には巨額の予算が必要だ。桧山7町全体では、18〜21億円の費用が見込まれ、厳しい財政状況の中で、各町は億単位の負担を迫られる。桧山町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)では、導入時期の延長や財政支援の強化を求めている。

 デジタル化に伴い、アンテナ設備の改修、消防署などに配備された各種無線機、消防団員に出動指令などを行う受令機のほか、市街地に火災や災害の情報を放送する防災無線の更新も必要となる。

 デジタル化は、都市の電波不足を解消することが目的だが、桧山など町村部では、現行のアナログ方式でも消防などの業務に支障はない。デジタル化で、無線が届く範囲が狭まるなどの問題もある。

 期限の16年5月末から逆算すると、2012〜13年度にはシステム設計に取りかかる必要がある。だが、各町とも財源確保に苦慮している。工藤昇上ノ国町長は「町村には恩恵がない。財政難の中で産業振興など、前向きな方向に予算を集中したい」とする。

 デジタル化に伴い、政府は消防本部ごとに8000万円の国庫補助金を交付する。しかし、単独で消防本部を運営している自治体も、桧山のように複数の自治体で広域消防本部を設置している地域も金額は一律。小規模町村の負担が大きくなるのが現状だ。

 桧山町村会は「全国で数兆円を要するデジタル化は、緊急の課題ではない。東日本大震災の被災地復興に予算を集中すべき」と主張。導入時期の延長や補助制度の見直しを要望している。6日に江差町で開かれた道議会民主党の政策懇談会で、道8区選出の逢坂誠二衆院議員は「期限延長は、法改正を伴うので困難だ。議員立法での対応が必要になる」との考えを示した。(松浦 純)


◎函館市など韓国旅行代金を助成

 函館市や函館商工会議所でつくる「函館空港定期航空路線活性化事業実行委員会」は、運休している大韓航空の函館—ソウル(仁川)間の定期便再開に合わせ、同路線を利用する旅行代金の一部を助成することを決めた。再開日の12月20日から同27日までに函館を出発する4便の利用者が対象。先着220人限定で、1人当たり5000円を助成する。

 同委員会は市と商工会議所、函館国際観光コンベンション協会、函館空港ビルデングの4者で構成する。10月に工藤寿樹市長らが同社の本社を訪問して早期再開を要請した時に、同社からは日本人の搭乗率の低さを指摘されており、これを伸ばすために実施する。

 予算は110万円で同委員会が20万円、函館市が60万円、他3団体が10万円ずつ負担する。助成の対象となるのは、旅行会社が企画した同路線を利用する函館発着の旅行商品で、予定では2泊3日の商品が約3万5000円のところを約3万円で利用できる。

 出発日により先着で人数制限があり、20日は100人、22、25、27日は各40人とする。利用申請は旅行会社が行うため、客は初めから割引きされた料金を支払えば良い。

 同委員長を務める市港湾空港部の妹尾正白部長は「函館でこのような旅行代金の助成をするのは過去に例がない。折しも円高にあり、多くの人にこのチャンスを利用してほしい」とする。(小泉まや)


◎新規高卒者対象の就職面接会に170人

 来年3月に高校を卒業する新規高卒者を対象にした就職面接会(ハローワーク函館など主催)が8日、ロワジールホテル函館で開催された。就職を希望する渡島・桧山管内の高校3年生約170人が参加。企業側は医療・福祉や飲食・宿泊業など24社が85人の求人を出し、面接を行った。

 年間2回行っており、本年度は1回目。参加企業数は前年度比5社多く、求人数も同14人上回った。

 同職安がまとめた9月末現在の新規高卒者の就職状況は、求職者1070人に対して703人の求人があり、うち189人の就職が決まった。求人倍率は前年同月比0・07ポイント高い0・66倍。開始前に同職安の松本晃治管理部長は、「状況は持ち直してはいるがいまだ厳しい。1人でも多く採用いただきたい」と参加企業にあいさつした。

 参加企業は道南を中心に道内企業も加わり、魚長食品や力寿し、函館三菱ふそう自動車販売、函館渡辺病院、花びしホテルなどが並んだ。生徒は目指す企業の前に並び、順番が来ると、担当者と希望した理由や仕事の内容、条件などについて話していた。

 参加した函館商業高校の女子生徒は、「高校で学んだ内容を生かして仕事をしたい。勤務地は家族や友人のいる函館を希望します」と話していた。(小泉まや)