2011年12月18日 (日) 掲載

◎餌求めサル白熱 函館市熱帯植物園にツリー設置

 サルも木から落ちる?−。函館市熱帯植物園(湯川町3)は17日、同園サル山に、クリスマス時期に合わせ「モンキーツリー」を設置した。90匹以上ものサルがツリーに投げ込まれた餌を求め、熱い戦いを繰り広げた。

 ツリーは高瀬環境緑化(赤川町)が寄贈した高さ3メートルのトドマツ。枝葉に絡まった餌を求めるサルの行動を楽しんでもらおうと、同園を管理・運営するNPO法人函館エコロジークラブが初めて用意。来場者には150袋限定でパンや米麺を自由に投げてもらった。

 最初、枝葉から餌が落ちてくるのを待っていたサルたちは我慢できずに木に登り始めた。多くが途中でバランスを崩して落ちてしまう中、木登りが得意な数匹は餌を独り占め。口に詰めるだけ詰め込む姿も見られ、来場者の笑いを誘っていた。

 東京から観光で訪れた鈴木昭子さん(29)は「木に上手に登れずに、枝葉から餌が落ちるのを待つサルたちの表情がとてもかわいかった」と話し、夢中で餌を投げていた。

 モンキーツリーは18日、23〜25日も設置する。時間は24日のみ午前11時からで、そのほかは同9時半から。(長内 健)



◎知事 市長ときょう会談 「経営分離」理解求める

 北海道新幹線札幌延伸時に、JR北海道が函館駅—新函館駅(仮称)間を経営分離する問題は最終局面に入った。道と市は17日、高橋はるみ知事が18日に来函し、函館市の工藤寿樹市長と会談することを発表。同問題をめぐり、高橋知事と工藤市長が正式に会談するのは初めてで、知事は経営分離への態度を保留している市に理解を求めるとみられる。一方で、経済界を中心に市民の反対は根強く、工藤市長は難しい調整と判断を迫られている。

 市は同日午後、工藤市長と中林重雄、片岡格両副市長、渡辺宏身企画部長らが市役所で今後の対応を協議。同市長は取材に対し、知事サイドから会談の申し出があったことを認めるとともに「会って話を聞いてみないと、何とも言いようがない」と繰り返し、苦悩をにじませた。

 経営分離問題をめぐっては今月5日に高井修副知事が、道が主体となって第3セクター鉄道を設立するとして同意を要望。同13日には道が3セク設立に際して応分の負担をすることや、JRは3セク設立後に運行を受託、新函館開業時までに同区間を電化する考えを文書で示している。

 市はこれをもとに、市議会や各種民間団体から意見聴取を進めたが、道が費用負担の割合を示していないことや、1994年に短絡線(スイッチバック)方式で現駅に新幹線を乗り入れるとして、当時の横路孝弘知事と木戸浦隆一市長が交わした覚書と確認書が、後にほごにされたことへの不信感が根強く、函館商工会議所などが反対姿勢を強めている。同市長は16日「整理がつかず、結論を出せる段階に至っていない」として回答を先送りした。

 並行在来線の経営分離をめぐっては、16日までに北斗市や後志管内余市町など14の沿線自治体が道に対して同意を表明。政府は年度内に整備新幹線未着工3区間の新規着工を認める方針を固めており、函館市の動向が焦点となっている。同市長は知事との会談を経て態度を明らかにする。(千葉卓陽)



◎子どもら元気に滑車! 函館スノーパークオープン

 【七飯】七飯町東大沼666のスキー場「函館七飯スノーパーク」(佐川孝義支配人)が17日、道南のトップを切ってオープンした。ゲレンデは待ちわびたスキーヤーやスノーボーダーでにぎわった。

 例年より積雪が少なかったが、11月下旬から人工降雪機をフル稼働させて山頂付近が約30センチ、山ろくが約15センチとなり、全8コースのうち、小沼コースの1コースが開放された。

 午前9時に営業を開始。土曜日とあって家族連れも目立ち、元気よく滑降する子どもたちの姿が見られた。親子で来場した函館市中道の菅馨さん(35)は「初めて娘をスキー場に連れてきた。早く1人で滑れるようになってもらいたい」と話し、娘の真優羽ちゃん(5)は「滑るのが楽しい。早くリフトに乗れるようになりたい」と話していた。

 ナイター営業は22日からスタート予定。同スキー場の佐川大蔵さんは「たくさんの人に楽しんでいただけるようなスキー場を作っていきたい」と話している。(金子真人)


◎巨大アップルパイ 2000人分振る舞う

 2011はこだてクリスマスファンタジー(実行委主催)は17日夜、青森県弘前市の魅力を伝える「ひろさきナイト」を実施。主会場の函館市赤レンガ倉庫群では、できたてのアップルパイが来場者に振る舞われたほか、ご当地アイドルのライブステージで盛り上がった。

 弘前はリンゴ生産量日本一。弘前の市民有志でつくる「巨大アップルパイギネスに挑戦する会」(新戸部洋輔会長)が、リンゴ400個を使って2000人分を調理。特注オーブンで直径2メートル・厚さ5〜7センチの丸い生地を3枚焼き上げた。整理券との引き換え場所は来場者の長い列ができた。

 葛西憲之・弘前市長が点灯式であいさつし、4人組アイドル「リンゴ娘」のライブも熱気に満ちた。

 家族4人で来場した函館中央小2年の枝松日菜子さん(8)は「リンゴ娘を見ることができて良かった」。札幌市の会社員で恋人同士の真鍋友和さん(28)と丸田梨紗さん(24)は「こんなにおいしいアップルパイを食べたことがない。函館の雪景色もきれい」と満足の様子だった。

 18日午後6時から、メーンステージでゴスペルなどの音楽ライブが行われる。(田中陽介)


◎函館バス 定期券自宅に届けます

 函館バス(函館市高盛町)はヤマト運輸(東京)と提携し、定期券をファクス申し込みで受け付け、代金引換で配送する「函館バス定期券お届けサービス」を20日にスタートさせる。函館バス運行エリア内の渡島・桧山管内が対象で、送料と手数料合わせて一律500円で受け付ける。函館バスは「これまでは営業所などでしか発行できず不便もあったが、これからは多くの時間や費用をかけずに定期券を手にできる」と利便性の向上をPRしている。両者によるとこのようなサービスを導入するのは道内初。

 同バスの定期券はこれまで営業所や丸井今井函館店、MEGAドン・キホーテ函館店でのみ発行していた。新規や1または3カ月ごとの更新の場合いずれかを訪れる必要があったが、居住地が発行所から遠い利用者は往復数千円がかかるなど不便もあった。

 ヤマト運輸はことし四国で同様のサービスを開始しており、これを全国に広げたい考え。民間バスが1事業所の道南では導入が容易とみて、同バスに打診し実現に至った。

 申し込みは専用の用紙に必要事項を記入し、使用開始日の5日前までに同バスにファクスする。ファクス用紙はこれまでの販売所のほか函館駅前バス案内所、道南に32カ所あるヤマト運輸事務所、学校などで配布する。自宅にファクスがない場合は、ヤマト運輸事業所から無料で送ることも可能。

 配送希望時間などがあれば申し込み時に必要欄に記入し、定期券は後日ヤマト運輸が自宅まで配達する。必要な料金は定期券料金と集金配送料(500円)。

 ヤマト運輸は「利益は決して多くないが、新たな荷物の扱いが増える」として扱い量の増加に期待。函館バスは「冬場など短期間のみの利用はバスカードで済ませていた人に定期券を勧めたい」と語る。問い合わせは函館バスTEL0138・22・8111。(小泉まや)