2011年12月26日 (月) 掲載

◎新年迎える準備 函館八幡宮で恒例大すす払い

 函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)で25日、年末恒例の大すす払いが行われた。神職が長さ4bの竹に、ササの葉を縛り付けた忌竹(いみだけ)を使い、はりや天井にたまっていた1年分のほこりを払い落とすなどした。

 大すす払いは毎年、正月の1週間前に行われる。前日に忌竹で使う竹を境内で切り取って用意。この日は初めに神職3人が掃除を始める参拝をし、マスクを付け約200畳の広さの拝殿の作業に入った。忌竹が天井などを払うと「サー、サー」という音が響き渡り、汚れが落とされていった。続いて床や畳を掃き、境内にある鶴若稲荷社もきれいにした。

 神職の一人は「これからはしめ飾りの取り付けなど、新年を迎える準備に入ります」と話していた。(山崎純一)



◎クリスマスファンタジー 感動のフィナーレ

 函館市西部地区の赤レンガ倉庫群で1日から、華やかな催しが繰り広げられてきた「2011はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)は25日、クリスマスナイトセレモニーなどが行われ、閉幕した。

 最終日は午後6時からの点灯式の後、特設ステージでは市内のアーティストによる「ソング&ダンス・クリスマスパーティー」が行われた。函館短大エアロビックダンス部や道教育大函館校モダンダンスクラブなどが出演したほか、音楽ライブも行われ、最後の夜を盛り上げた。

 午後7時すぎには、スープチケットの前売り券購入者を対象に豪華な景品が当たる公開抽選会も行われた。

 会場は家族連れやカップル、観光客らが大勢訪れ、スープバーで販売しているオリジナルスープをすすりながら体を温めたり、イメージキャラクターの着ぐるみと一緒に記念写真を撮影する光景があちらこちらで見られた。

 午後8時すぎにはファイナルセレモニーが始まり、音楽ライブに出演したミュージシャンらが一堂にステージに集結。雪がちらつく中、ツリーの輝きをバックにオリジナルソング「もみの木のおくりもの」を熱唱し、感動のフィナーレへといざなった。

 出演者全員が「メリークリスマス」と叫ぶと、花火が打ち上げられ、会場は一斉に歓声が上がり、25日間のイベントが幕を閉じた。

 市内谷地頭町から家族10人で訪れた小板文子さん(31)は「家族みんなでクリスマスの夜を楽しもうと花火とツリーを見に来ました」と話していた。(鈴木 潤)



◎企画回顧・イルミナシオン映画祭 人と人とのつながりに感動

 車のセールスマン、病院の医療事務員を経て今年の10月、新聞記者へ転職した。それまでは報道とは全く無縁の職種。医療事務の資格を取得し、9月に医療事務員として働き始めたが、大学生時代から興味を持っていた報道記者の求人を見つけ、迷わず応募した。記事を書くという慣れない仕事に苦戦しながらも、多くの人の支えにより全てが新鮮で充実した毎日を楽しんでいる。

 新聞記者という名前だけでイメージする、殺人事件や大事故、政治家や有名人の取材といった派手なものではないことはわかっていたが、自分の担当は何だろうか。10月24日、不安と期待に胸を躍らせながら記者生活が始まった。与えられた仕事は展示会などのギャラリーや町内会行事、街のイベントなどほのぼのとしたもの。地味な取材に多少驚きながらも、緊張がほぐれると、次第に会話を楽しめるようになっていた。

 一人一人の考え方、生き方を知ることが、自分が常に考えていた視野を広げるということとリンクしていく中、得た知識や経験をどう仕事に生かせるのか。模索する毎日を過ごした。

 印象に残った取材は、今月2〜4日に行われた函館港イルミナシオン映画祭。記者が取材をしてきた中で大きなイベントの1つ。さまざまな職種の人間が1つにまとまり映画祭をつくり上げていく。記者という立場でその内側から見ることで、人と人とのつながりの重要性を実感。損得勘定ではなく、ひたむきに取り組む姿に、自分が記事を書くことで少しでも力になれればと考えた。そこで関わったスタッフの「世間が注目していることの取材で満足するのではなく、世間を注目させるような記事を書いて満足してください」という言葉が強く心に残り、自分を動かしてくれている。

 さまざまな人に出会い、自分の視野を広げ、以前とは違う考え方や見方ができるようになってきている。これが成長と呼べるものなのかはわからないが、関わる全ての人に感謝しながら、読み手を引き込むような、リアリティーのある記事を書き、成長していきたい。(柏渕祐二)


◎道南NOSAI 小麦の支払額前年の3倍

 道南NOSAI(北斗市東前、橋本清一組合長)は、年内支払い分の2011年産小麦、ジャガイモ、小豆、大豆、水稲の共済金支払額を決定した。春の低温多雨で生育が遅れ、登熟不良による細粒で規格外が多かった小麦(秋まき、春まき)は、前年の約3倍の9312万円。金額被害率(最大補償額に対する共済金の占める割合)は前年比13・7ポイント増の32・1%と高かった。いずれの品目も27日に支払う。

 年内支払い分の総額は1億8456万円。小麦は共済加入農家112戸のうち、支払い対象となったのは約7割の82戸に上る。今金、厚沢部地区で被害額が大きかった。

 春先の天候不順で種まき作業が遅れたジャガイモは6873万円(金額被害率5・9%)を一部先行して支払う。共済加入農家334戸のうち、対象は113戸。北桧山、今金、厚沢部の各地区で支払共済金が多い。来年3月に追加払いをする。異常な猛暑と豪雨により過去最大の支払共済金(2億1573万円)となった前年に続いて被害が大きかった。

 湿害によるカビが発生した小豆は前年比803万円増の2059万円(同9・5%)。今金、厚沢部、北桧山の各地区で支払共済金が多く、共済加入農家190戸のうち、対象は57戸。大豆は同34万円減の1万円が先行して支払われ、残りは同3月に支払う予定。

 水稲は、作況指数が渡島105、桧山104の「やや良」となり、いもち病や倒伏も少なく、被害はごくわずかに。支払共済金は208万円。

 移植作業が遅れたビート、湿害により腐れが多かったカボチャや、収量が振るわなかったソバは同2月に支払われるが、支払共済金は膨らむ見込みだ。食用トウモロコシも同2月に支払われる。

 同NOSAIの木村隆農作部長は「過去最大だった10年産の支払共済金(4億4706万円)ほどの大きな被害ではないものの、農家にとっては決していい年ではなかった」と話す。

 NOSAI(農業共済組合)は、農作物被害や家畜疾病にあたって農家を支援する。農業共済は国の補助金と農家の掛け金で運営され、共済金は農家から被害申告を受け、損害評価を経て被害の程度に応じ支払われる。(山崎大和)


◎福島っ子 笑顔の交流

 【七飯】「ふくしまキッズ冬のプログラム」(実行委員会主催)は2日目の25日、大沼婦人会館でクリスマスウエルカム交流会を開いた。中宮安一町長や地元大沼地域を代表して東大沼町内会の若松時彦会長らが子どもたちを歓迎。子どもたちは大沼で楽しい思い出を作ることを誓っていた。

 中宮町長は「ホワイトクリスマスになるのは珍しく、皆さんの歓迎のために降ってくれた。けがやけんかをしないで仲良く過ごして」とあいさつし、子どもたちに文房具をプレゼント。子どもたちからは、実行委と共催の「子どもを守ろうプロジェクト協議会」の安江こずゑ会長らに、全員分の手紙やメッセージの入った親書が手渡された。

 また、今夏の活動に引き続き、北海道コカ・コーラボトリングから、飲料水10ケースが贈られ、同社函館販売部の山野正幸部長は「冬の七飯には楽しいことがいっぱいある。今年最後のすばらしい思い出を作って」と話した。

 子どもたちはこの日は、午前中に学習活動や、屋外での雪遊びを楽しんだ。交流会ではこの日覚えた体操や歌を披露し、元気いっぱいの姿を見せていた。白河市から参加している小学4年生の萩原理絵さん(10)は「夏は下川町に行ったり、プールで泳いだりして楽しかった。4カ月ぶりの大沼は足が埋まるくらい雪がたくさんあってすごい」と話していた。(今井正一)