2011年12月28日 (水) 掲載

◎鳴海さん、函館駅などに手作りコンブしめ飾り寄贈

 福島町特産の養殖マコンブで工芸品を作る鳴海健児さん(72)=福島町在住=は27日、コンブで制作したしめ飾りをJR函館駅などに寄贈した。「祝・札幌延伸」の文字と東北新幹線の最新鋭車両「はやぶさ」をかたどった飾りを付けており、鳴海さんは「これまでの苦労が実った」と喜び、道新幹線の早期開業を願っている。

 鳴海さんは13年間にわたり青函トンネル建設工事に携わり、現在は鉄工所の経営者。仕事でつながりのある養殖業者が生産したコンブを使い新幹線車両などの模型を制作してきた。今回しめ飾りを贈ったのは同駅のほか渡島総合振興局、JR北海道本社など。

 同駅へのしめ飾り寄贈は昨年に続き3回目で、鈴木克彦駅長が受け取った。はやぶさの車両や青函トンネルなど北海道に新幹線を迎える気分を表したデザインで、福島町で松前神楽を奏上する写真や稲穂、ホオズキなどをあしらっている。鳴海さんは「札幌延伸が決まりお祝いの気持ちでいっぱいです」と制作中の思いを話した。

 鈴木駅長は「丹精込めた手作りの縁起物でありがたい」と感謝し、新年については「安心して利用いただける鉄道とするため、社員一同心を一つに励みます」と話した。しめ飾りは同駅改札口付近に設置される。(小泉まや)



◎道新幹線新青森—新函館、来年度予算1125億円

 国土交通省は27日までに、北海道新幹線の新青森—新函館(仮称)間の来年度事業費を1125億円とすることを決めた。本年度当初予算から約3割増額され、同区間総事業費の7割に達し、2015年度の開業に向けて弾みをつけた。また、本年度中の認可を予定する新函館—札幌など未着工3区間分は、着工が正式に決まった場合に備え、90億円を留保している。

 来年度の整備新幹線5路線の事業費は3095億円(同4・9%増)で概算要求通り。国土交通省鉄道局によると、総事業費の内訳は国費が706億円で前年度と同額。地方負担分と既設新幹線の譲渡収入のほか、JRが国側に支払う新幹線施設使用料(貸付料)が、今年6月の改正旧国鉄債務処理法の成立で、整備新幹線建設費に充当できるようになり、年426億円を充てる見通し。

 また留保分90億円は3年連続の同額計上で、既着工分と同様に貸付料から賄う。改行 05年度に着工した新青森—新函館間は05年度30億円、06年度60億円、07年度100億円、08年度178億円、09年度487億円、10年度492億円、本年度880億円と推移。来年度予算を加えた総配分額は3352億円となり、同省試算の総事業費(4700億円)の71・3%に達した。

 同省はまた、青函トンネル内の最高速度を「当面140キロ」とする一方、来年度予算案では同トンネル内で新幹線と貨物列車がすれ違う際に、貨物が落下する危険を防ぐ研究を行う調査費を計上した。新幹線車両に貨物列車を乗せる、JR北海道の「トレイン・オン・トレイン」の導入を含めて検討する。

 事業費の大幅増額に、函館市新幹線対策室は「順当な予算付け。あと2年で工事が終了するように進めていくと思う」と評価し、期待感を強める。北斗市新幹線対策課は「新駅や、新駅周辺の路盤工事などが残っている。開業1年前から試運転が始まると聞いており、24、25年度が工事のヤマ場となるのでは」と話している。(千葉卓陽)



◎駅物販施設「ホテルと併設」、北斗市議会新幹線特別委で整備案示す

 【北斗】市議会北海道新幹線建設促進・地域振興調査特別委員会(水上務委員長)が27日、開かれ、市は駅前広場東側の駅前物販施設と立体駐車場の整備方針を示した。物販施設は、ホテルとの複合施設として誘致したい考えで、1階に道南の特産品を集めた物販コーナーを設け、民間資本を活用して整備を進める考え。施設前には、日曜市やフリーマーケットなどを開催できるイベント広場を設けて、市民や駅利用客のにぎわいを創出する。

 物販施設は駅前広場、駅付帯施設(駅舎)に隣接し、敷地面積は約3800平方メートル。市の構想では、1階に特産品や土産品の販売コーナー、2階にホテルフロント、会議室など、3階に宴会場を設け、4階以上を客室とした。

 容積率は300%だが、イベント広場をホテルの敷地として含めることで、ホテルの客室数を確保し、1階当たりの客室数を30室として、11階程度の建物の建設が可能という。広瀬芳雄建設部長は「物販施設併設の条件を含めた中で、プロポーザル方式で公募したい」と話した。

 立体駐車場は1階当たり約4110平方メートルで、2階3層式として計580台分を確保。事業費概算は11億円で、国の補助金や合併特例債を活用して、市の実質負担分は2億円程度を見込み、市では新年度にも整備に着手したい考え。駐車場利用のピークは平均して午後2時ごろとし、混雑が予想される8月には900台の利用が予測されているが、駅周辺の民間駐車場利用で、需要台数を確保できるとしている。委員からは、駅周辺でのイベント開催時の駐車場台数の確保、降雪期の屋上除雪態勢などについて意見が出された。

 また、新駅の名称を「北斗函館駅」とする決議案の本会議提案時期について、各委員は3月定例会とする方向で一致。今後、JR江差線の事業形態や負担割合の協議の進ちょくを見極めた上で水上委員長が判断することとなった。(今井正一)


◎企画回顧・スポーツ記者6カ月/取材重ね成長 感動伝える

 今年の7月に入社しスポーツ担当の記者になって約6カ月。さまざまな競技の試合を取材してきた。試合の熱気や感動を文字で伝える難しさを毎日実感しながらも、やりがいを感じ、たくさんの人に支えられて充実した日々を過ごしている。

 印象に残っている取材は、入社して約1カ月目に福島町で行われた相撲中体連道大会。記者にとっては初めての道大会。うれしさもあったが、それ以上に不安と緊張を感じていた。

 同大会に道南から出場したほとんどが相撲部ではなく急造のチーム。鹿部の坂井生伍君、木村斗哉君、主将の能戸公士君の3年生3人も大会の1カ月ほど前から、鹿部稲荷神社の土俵で大清水敏樹コーチの指導の下、厳しい稽古に耐えながら力を蓄え、お互いの信頼を深めて大会に挑んだ。

 試合前に3人が笑顔でふざけ合いながら、ストレッチやウオーミングアップをしている姿を見て記者の緊張もほぐれた。

 しかし、いざ試合になると立ち合いで果敢に頭からぶつかる強気の相撲を披露し、鹿部は道の強豪相手に快進撃を続けて決勝へと勝ち上がっていった。

 決勝は優勝候補の夕張。相手は1人少ないため大将・能戸君の不戦勝が確定し、坂井君か木村君が1つでも勝てば優勝が決まり全国大会への切符を手にする。記者はカメラを構えながら、強敵相手に奮闘する選手の勝利を願ったが届かなかった。

 大会終了後に能戸君は「自分は応援することしかできなかったけれど、2人とも強い相手に力を最大限発揮して頑張ってくれた。本当にこのチームで相撲ができてよかった」と晴れやかな笑顔を見せた。

 全国大会には惜しくも届かなかったが、彼らが3人で目標に向かって精いっぱい努力したことは、これからの人生にとって大きな財産になったと思う。

 記者も常に向上心を持って努力を重ね、試合の感動をしっかりと伝えられるような記事を書けるよう成長していきたい。(金子真人)


◎年の瀬盛況、自由市場で大感謝セール

 はこだて自由市場(新川町1)は26〜28日の3日間、歳末大感謝セールを行っている。正月用の食材などを求める大勢の買い物客が詰めかけ、年の瀬のにぎわいをみせている。

 利用客への感謝の気持ちを込め、2000円以上の買い物につき「お米券」(1キロ分)1枚を進呈する毎年恒例の大好評イベント。連日、1500枚限定で、午後1時までには用意していたお米が無くなるという盛況ぶり。

 「いらっしゃい!」という威勢のいい声が飛び交う中、正月用品などを探し求める来場者はたくさんの店を歩き回り、品定めをしていた。正午になると「用意していたお米がそろそろ無くなりますのでお早めに交換してください」というアナウンスが流れ、交換所はお米券を手に持った利用客でいっぱいに。10キロ以上のお米を持って帰る利用客も見られた。

 八幡町の中村良子さん(67)は「買い物をしただけでお米までもらえて、とても得した気分。明日も友達を誘ってまた来ます」と笑顔で話していた。(柏渕祐二)