2011年12月4日 (日) 掲載

◎SLファンタジー号運行開始

 2011はこだてクリスマスファンタジー(1〜25日)の開催に合わせて3日、SLはこだてクリスマスファンタジー号の運行が始まった。JR函館駅を午前8時35分に出発する一番列車運行前には出発式を開催し、テープカットなどを行った。

 昨年から運行しており、雪景色の中を力強く走るSLの魅力を堪能できる。25日までの土日・祝日の9日間のみ、JR函館—大沼公園駅間を上下2便ずつ運行する。

 出発式では函館駅の鈴木克彦駅長が「到着地の大沼公園でのひとときと、帰ってからはクリスマスファンタジーを楽しんでください」とあいさつ。遺愛幼稚園の園児約15人が、「サンタが街にやってくる」などを歌い、関係者のテープカットで祝った。

 SLは電飾などクリスマスムード満点の飾りつけを施しており、入線すると写真撮影する人で周囲はにぎわった。時間が来ると鈴木駅長の「発車!」の掛け声で大きく汽笛を鳴らし、大沼に向けて滑り出した。(小泉まや)

 



◎新幹線新青森開業1年 震災影響 集客苦戦

 東北新幹線の新青森—八戸開業から4日で1年。直後から接続する特急白鳥を利用して前年を超える旅行者が津軽海峡線を利用したが、東日本大震災以降は一転。春から夏にかけて、道南の観光業関係者は厳しい試練に遭った。状況がひと段落した秋以降は徐々にではあるが上向き、開業2年目に向けた集客への期待が高まる。関係者にこの1年の状況と今後の展望を聞いた。

 JRの津軽海峡線(中小国—木古内間)の輸送実績は、昨年12月は前年同月比11・4%増となり、その後ことし1月は同23・3%増、2月は同13・6%増と好調。これが震災後の3〜8月は同55〜10%減の幅で推移する。東北新幹線のダイヤが通常に戻った9月以降は、企画商品の効果もあり9月は同21・6%増、10月は同5・6%増となるが、同社函館支社は「新幹線効果があるかは不明」と慎重に受け止める。

 同支社は「震災後、首都圏や関西から訪れる人は予想以上に少なかった」と振り返り、今後も「11月の状況も厳しく、現状をみると劇的に増えるとは考えられない」との見方。

 輸送実績の影響は、函館駅での土産物販売や市内の宿泊施設利用とも相関関係にある。JR函館駅構内の土産店「POっPO」を運営するジェイ・アールはこだて開発(函館市若松町)は、同店の売り上げについて「開業後3月上旬までは前年を超え、効果は確かにあった」と実感。特に1月は、前年同月比10%以上の伸びだった。

 ただ震災後夏までは前年割れが続き「“北海道の定番土産”が売れず本州の客が遠のいたと感じた」と同社。9月以降は前年を超える状況が続き、「開業2年目は徐々に伸びるのでは」と期待する。

 宿泊業の状況はさらに深刻だ。函館湯の川温泉旅館協同組合に加盟する22軒の宿泊客数は、ことし1、2月は列車ツアー商品を利用した本州からの客でにぎわい、前年同月比5〜10%の伸び。関係者は期待に胸ふくらませたが直後の震災で事情は一変。一時は前年の半分にまで激減した。

 こちらも8〜10月は前年の8割程度まで盛り返したが、7月までの落ち込みを取り戻せない。ただ来年1〜3月には本州の旅行会社が海峡線を利用した新商品を投入するため「確実に10%はアップする」(金道太朗理事長)との予測。「今後じわじわと利用が増えるだろう。来てくれた客を大切にもてなしたい」。(小泉まや)



◎お年寄り80人Wiiに熱中 七飯と東京をネット中継

 【七飯】町内と東京都文京区の高齢者合わせて80人が参加し、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」で対戦するユニークなゲーム大会が3日、開かれた。大中山コモンと東京駒込学園講堂をインターネット中継で結び、3種類のゲームで得点を競った。慣れないゲームに悪戦苦闘しながら盛り上がる両会場の様子がスクリーンに映し出され、笑いや拍手に包まれていた。

 町などでつくる親睦高齢者ゲーム大会連絡会の主催。Wiiを使ったゲーム大会は町内では5月に続いての開催で、この時の様子を知った同区上千駄木町会が七飯町に開催を持ちかけて実現した。会場にはNTT東日本の協力で、光回線とウェブカメラを使用した会議中継システムを設置。両会場の様子がスクリーンやモニターに映し出された。

 開会式で、中宮安一町長、同区の成沢広修区長が両地域の見どころを紹介するとともに、参加者を激励。文京区からは「千の風になって」の演奏、七飯からは大沼中学校吹奏楽部が文京区ゆかりのサトウハチローメドレーを披露した。

 大会は、Wiiの専用リモコンを振って、水面に石を投げて水切りを行うものなど3種類で得点を競った。七飯町の参加者は最高年齢89歳、平均年齢75歳。ゲーム機に触れるのも今回が初めてという参加者も多く、指先や手首の動き、ボタンを離すタイミングなどの操作は、市立函館病院高等看護学院の学生がサポートした。高得点が出ても失敗しても大きな拍手や笑い声が起こり、参加者は体と心を使ってゲームに熱中していた。

 参加した須田みき子さん(72)は約30年ぶりに触れたゲーム機の進化に驚きながら「テレビゲームは好きじゃないと思っていたけれど、やってみると楽しい。励ましあいながらできるのもいい」と話していた。町老人クラブ連合会の北見辰雄会長(83)は「新しいことは年寄りの不得手な分野だが、初めてのことをするとき、ハラハラ、ドキドキと緊張し、それが頭の活性になっている。元気老人を目指すには挑戦する気持ちを持つことがいい」と話していた。(今井正一)


◎コンサドーレJ1昇格 道南も歓喜

 「最高のゲーム」「J1効果で観客増が期待できる」—。コンサドーレ札幌が3日、4年ぶりのJ1復帰を決め、函館でも関係者から喜びの声が聞かれた。今季、道南で初めてコンサドーレのダンスドリルチーム「コンサドールズ」のメンバーとなった函館出身の藤島沙希恵さん(19)も早速、来季への抱負を語った。

 J1昇格によって、函館でも競技の振興・発展に寄せる期待は大きい。函館サッカー協会の永沼秀興会長(70)は「昇格は喜ばしい。函館でもファン、選手ともさまざまな年齢層で拡大され、選手の底辺拡大になると思う」。田中和久副会長(65)は「北海道の子どもたちの夢を育むためにも、来季J1での頑張りが大切。道内唯一のJチームなのでJ1に定着してほしい」と話す。

 年1回の函館開催試合では、J1では特にアウエーサポーターが多くなるため、観光を含めた来函者が増えることが期待される。函館市千代台公園陸上競技場ではこれまで、J2で8試合の平均入場者は6063人、J1は3試合(2008年はナビスコ杯)で同1万1571人と大きな差がある。

 コンサドーレ札幌函館地区後援会長の佐古一夫函館市議(64)は「まずは選手、石崎信弘監督、サポーターにお祝いを言いたい。J1は試合会場の観客座席数に規定があるので(2011年は1万5000以上)、函館で試合を見ることができ、市民のサッカーレベルが向上できるよう、千代台陸上競技場の席数増を目指したい」と支援を話した。

 また、この日、4万人近いサポーターの中でパフォーマンスを披露した藤島さんは、「試合に勝った時は感動で涙が出た。1年間大変だったが、楽しく踊れた。来季はJ1のチームをサポートできるよう、(コンサドールズに)チャレンジしたい」と話していた。(山崎純一、小林省悟)