2011年12月6日 (火) 掲載

◎イカす正月飾り登場

 正月飾りもご当地名物で—。函館市の魚・イカの形をイメージした正月飾りが、函館と北斗両市のホーマックで売られている。函館限定のもので「まちを盛り上げるイカにちなみ、すてきな新年の訪れを期待したい」と関係者はイカ飾りに願いを込める。

 イカ飾りは今年初登場。神棚用で同社が神奈川の業者に特注し、スーパーデポ石川店(石川町231)では11月下旬から特設売り場に並んでいる。

 同店によると、漁業が盛んな道南では、このような縁起物を仕立てる文化が一部にあるという。売り場担当の江頭琢さん(27)は「今年は大震災など激動の年になったが、復興の思いも正月飾りに込めたい。このイカ飾りがいずれは函館の正月に欠かせないものとして親しんでもらえれば」と話していた。

 イカ飾りは3種類で980円、1280円、1780円。スーパーデポ湯川店(函館市戸倉町258)、鍛治店(同鍛治2)、上磯店(北斗市七重浜4)で販売している。(田中陽介)



◎大間原発建設中止を 市民208人が2次提訴

 青森県大間町で建設中の電源開発大間原発をめぐり、函館の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)は5日、国と同社を相手取り、建設差し止めと損害賠償などを求め、函館地裁に2次提訴した。福島第一原発事故後、建設差し止めの訴訟が提起されたのは全国で初めて。

 同原発は電源開発が函館市と津軽海峡を挟んだ大間町に2008年5月から建設中(現在は工事中断)で、進ちょく率は37・6%。商業用原子炉の全炉心に世界で初めて、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用する。

 訴状によると、1次訴訟と同様に▽フルMOXの危険性▽原発付近の海底の活断層の存在▽噴火の可能性が高い火山地域に立地されていることの危険性—などを指摘。新たに福島第一原発に適用された国の耐震指針や想定する津波評価では安全性が確保できないとしている。

 訴状の提出には、原告団の代理人ら約15人が参加した。同会は昨年7月下旬に1次提訴し、福島原発事故後に2次提訴を決めた。脱原発の高まりで原告数は1次(170人)を大きく上回る208人が名を連ねた。提出に先立ち竹田代表は「大人の責任として、子々孫々に大間原発を残すわけにいかない。一緒に戦う人を増やしていきたい」と意気込んだ。

 函館新聞の取材に対し経済産業省は「訴状が届いていないので、確認でき次第対応したい」とし、電源開発の広報も「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。同社では青森県の要請や同県原子力安全対策検証委員会の提言も踏まえ1日、津波や防災対策に関する6項目の安全強化対策を同県に提出している。



◎「道主体で3セク運行」 函館−新函館

 北海道新幹線札幌延伸に伴うJR北海道の並行在来線経営分離問題で、道の高井修副知事は5日、函館市の工藤寿樹市長と会談し、延伸に伴う函館駅—新函館駅(仮称)間の経営分離に同意するよう要請した。高井副知事は「第3セクター鉄道運行の際に、道が主体的な役割を担う」として理解を求めたが、工藤市長は地元経済界の反発などを踏まえ、返答を避けた。

 新函館—札幌間をはじめとする、整備新幹線未着工3区間の着工是非に関する国土交通省の検討作業が大詰めを迎える一方、地元経済界はJRによる函館—新函館間の経営継続を求める姿勢を堅持。今月3日には道商工会議所連合会の高向巌会頭が函館商工会議所に対して経営分離の同意を求めており、札幌延伸をめぐる動きが慌ただしさを増している。

 高井副知事は午後1時半過ぎから、約45分間会談。終了後の取材で「(市長には)できるだけ早い時期に同意にこぎつけてほしいとお願いした」と説明。そのうえで「昨年函館市民から11万人の署名があったが、鉄路を残す手段としては第3セクターが現実的。費用負担などの面で道が主体的に運営を担う」としたて協力を求めた。

 道は11月24日に「鉄道運行確保のため最大限努力する」とした文書を市に送付しており、そこから一歩踏み込んだ形となったが、運営方式や採算性に関する具体的な説明はなかった。

 同市長は「道として主体的に問題に取り組むという話だった。状況を話しただけで、要望したことは特にない」とし、7日から市議会一般質問が始まることを挙げ、詳細についての言及を避けた。

 一方、市と函館商工会議所はこの日午前、来年度予算にかかわる懇談会を非公開で行い、松本栄一会頭はJRによる経営継続を求めた。同会頭は取材に対し「3セクは地域限定のビジネス。函館の路線が3セクでやっていけるという裏付けは何一つない」と反対姿勢を明確にするとともに、「土壇場にきて時間がなくなってから作業に入っている。納得できないし、行政の怠慢だ」と、道の調整力不足を指摘した。(千葉卓陽)


◎七飯大沼国際観光コンベンション協会 新会長に渡辺邦浩氏

 【七飯】七飯大沼国際観光コンベンション協会の2010年度(10年10月〜11年9月)の通常総会が5日、函館大沼プリンスホテルで開かれた。任期満了に伴い、役員改選が行われ、新会長(代表理事)にイクサンダー大沼カヌーハウス代表の渡辺邦浩氏(52)が選出された。

 昨年10月の新法人設立後、初の通常総会で、約50人が出席。堀元・前会長は「昨年10月に新法人として設立し、旧協会からの移行など多忙を極めた。東日本大震災後、観光業界は大きな打撃を受け、対応に苦慮したが8月以降、尻上がりに入り込みも戻り、若干立ち直った」とあいさつした。総会では、来年9月末までの本年度事業計画や予算案など、議案5件を了承した。

 新役員は理事13人と監事2人で構成し、このうち、理事6人と監事2人が再任。渡辺会長以下、副会長(業務執行理事)に小泉真氏、財津茂実氏、越田睦博氏の3人、専務理事(同)に金子精巧氏が就任した。

 総会後の懇親会で、渡辺会長は事務局機能の充実、イベントの再考、大沼の環境問題を重点課題に挙げ「函館の観光入り込みも大幅に減っている中で、これまでやってきたイベントも考え直さないとならない時期に来ている。大沼の環境悪化もごまかしきれない。協会がつぶれることが合っても、大沼はつぶしてはならない」と述べた。(今井正一)


◎震災がれき 放射性物質の懸念あれば拒否

 【福島】松前、福島、知内、木古内町で構成する渡島西部広域事務組合議会の定例会が5日開かれた。東日本大震災で発生したがれきの処理について、組合管理者の村田駿福島町長は「受け入れは放射性物質がないものに限る。含まれることが懸念される場合には拒否する」と述べた。また、道と受け入れに向け、運搬方法や濃度測定などについて協議する考えも示した。

 木村隆議員(福島町)の一般質問に答えた。

 がれきの受け入れをめぐっては、4、10月に行われた環境省の意向調査で「受け入れを検討」と回答。5月に開かれた議会で正式に受け入れを表明した。同組合では福島町千軒にある最終処分場に焼却灰とガラス1万立方メートルを受け入れ、埋め立てることを検討している。

 一般質問で、受け入れるがれきの放射性物質の数値について問われ、村田町長は「道がまだ基準を示しておらず、運搬、測定方法を検討する。慎重に判断したい」と答えた。また、受け入れが決まった場合、1次産業や観光への風評被害の懸念が広がることを問われ、村田町長は「4町の住民には積極的に周知を図り、理解を求めていきたい」とした。

 同組合参与の各首長も答弁。大森伊佐緒木古内町長らは「廃棄物の安全性を確認することが条件。受け入れは被災地の一日も早い復興につながる」と述べた。(松宮一郎)