2011年12月7日 (水) 掲載

◎日本最古の自動車見て ホテル「男爵倶楽部」に展示

 長期滞在型ホテルの「HAKODATE男爵倶楽部」(函館市大手町22)は、日本最古の自家用自動車「ロコモビル蒸気自動車」を館内ロビーに展示している。1902(明治35)年の米国製で、同館の木村太郎さんは「貴重な自動車。この機会に気軽に見に来て」と来館を呼び掛けている。来年2月末まで。

 同車は「男爵イモ」の名の由来となった川田龍吉男爵が、日常的な移動手段に使用した。2009年の日本機械学会「機械遺産」にも認定された。通常は北斗市当別の男爵資料館に展示されているが、冬期休業中に同ホテルで展示する。

 車体はほぼ当時のままで、小さな子どもであれば実際に乗ってみることも可能。資料館副館長でもある木村さんは「当時は蒸気が上がるとかまどが走っていると思われた。今は走らせてはいないが、この機会に国内でも貴重な自動車を見に来てほしい」と話している。

 見学時間は午前10時から午後9時まで。希望者は直接同ホテルへ。(小泉まや)



◎清尚学院の平田さん全国へ 調理技術コン道予選

 札幌市で11月26日に開かれた「全調協 第27回調理師養成施設調理技術コンクール全国大会 北海道地区予選大会」(全調協北海道地区協議会主催)で、中国料理部門に挑戦した函館市の清尚学院高校3年、平田聡さん(18)が1位に選ばれ、来年2月に東京で開かれる全国大会出場を決めた。平田さんは「全国に向けてこれからの練習を頑張りたい」と意気込んでいる。

 同大会は調理師養成施設を対象に学校で習得した調理技術を競い合う。日本、西洋、中国の3部門にわかれ、それぞれ地区大会では規定課題、全国大会では食材が決められ、レシピは自由。今回の中国料理部門の課題は、タケノコとピーマンの細切りと30センチメートルの薄焼き卵の3つで、基本的な技術が問われた。

 大会当日は、制限時間30分で3つの課題を仕上げなければならず、設備の違いや火力が弱かったことに戸惑いを感じたという。「緊張したが、自分の力は精いっぱいに発揮できた。全国に決まった時はまさかという気持ちで、涙が出てきた」と振り返る。

 平田さんは30センチのフライパンを持ち帰り、家や放課後の時間を使い、毎日練習を積み重ねてきた。指導を担当した鈴木恵子教諭は「一生懸命に練習してきた成果が実った。全国大会出場は就職前の良い経験にもなる。がんばってほしい」と話す。

 同校から全国大会出場は初めてで、「後輩の目標の一つにもつながる。がんばってほしい」とエールを送る。(平尾美陽子)



◎鹿部のタラコが機内食に ANA国際線 今月から提供

 鹿部町特産のタラコを採用した中華料理メニューが、全日空(ANA)の国際線ビジネスクラスの機内食で今月から提供が始まった。人気中国料理店の脇屋友詞(ゆうじ)オーナーシェフ=札幌市出身、東京在住=がほれ込んだ厳選素材で監修。橋渡し役となった渡島総合振興局は「ビジネスクラス利用客に提供することで、高品質な鹿部産タラコのブランド化に弾みがつく」(商工労働観光課)と喜んでいる。

 脇屋シェフと道南の食材を結びつけたのは、昨年7、10月に開かれた振興局主催の「道南食のブランドフェア」。道産食材のブランド化を支援する道「食のサポーター」に委嘱されているシェフが鹿部産タラコに着目した。

 タラコは丸鮮道場水産(鹿部町宮浜、道場登社長)が製造したバラ子を使用。同社は噴火湾産原料を使っており、自然な粒子感とタラコ本来の味が楽しめる。

 成田発の北米5路線(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ワシントン)で、シェフの中華料理を提供するのに伴い、道南食材も採用された。タラコは「北海タラコと桜海老(えび)入りのポテトサラダ」に混ぜ込む形で使われている。シェフの中華料理は1日に約150食提供されるという。

 期間は来年2月末までの3カ月間だが、3月からは欧州・アジア7路線に移行、5月まで提供される予定。道場水産の道場登志男常務は「ビジネスクラスの客に提供できるのは非常に光栄。今後、鹿部産タラコをPRしていく上でプラスになる」と話す。

 また、この中華料理には、厳選された尾札部産コンブを採用した「がごめ昆布ふりかけ」も。6月から機内食で同様に提供されており、製造する道南伝統食品協同組合(函館市大船町、町田晴雄理事長)の原田靖参事は「継続してもらい、大変ありがたい。パッケージに入った尾札部の文字を見てもらうだけでPR効果は大きい」と期待している。(山崎大和)


◎北斗市議会 JR江差線経営分離問題 道の姿勢に批判の声

 【北斗】市議会第4回定例会が6日、開会し、会期を13日までの8日間と決めた。北海道新幹線開業時のJR江差線木古内—五稜郭間の経営分離問題で、小泉征男氏は「議会の議決事項ではないが、当時の上磯町議会が経営分離に同意したのは、道の試算を信用したからだ。過去の経緯に触れず、今になってバス転換を打ち出すことは看過できない」と道の姿勢を批判した。

 市は、江差線経営分離の同意前の2002〜04年に、道が第3セクター方式で鉄道運営した場合に黒字化も可能で、道が85%を負担する試算内容を示していたとした。

 小泉氏は、道が10月31日の道南地域並行在来線対策協議会の場ではバス転換案を示す一方、道議会の特別委員会などでは、沿線自治体の反発を理由に負担割合などの再検討の余地がある考えを示したことについて、「協議会に対して不誠実な対応だ」と批判。市に対し、鉄路維持堅持に向け、強い対応を求めた。

 高谷寿峰市長は、当時の上磯町の同意判断も道の試算の存在が大きいとし、「並行在来線対策協議会でも、沿線自治体と道との信頼関係を著しく損なうと申し上げた」と答弁した。

 また、新函館(仮称)─函館駅間の問題について、高谷市長は「新駅─現駅間は3セク鉄道が現実的な方法で、JRでの経営維持は難しい。江差線も3セクで維持されなければ、新駅—現駅間の話(協議)には入っていけない」との考え方を工藤寿樹函館市長に伝えてあるとした。

 この日は、歳入歳出にそれぞれ4億1631万円を追加し、総額を216億7886万円とする一般会計補正予算案など議案9件を提案。一般質問には小泉氏のほか、3氏が登壇した。


◎「サケ節」のおいしさ体感 函館でセミナー

 北海道生まれのだし「サケ節」のおいしさを広く知ってもらう「サケ節普及セミナーin函館」(道主催)が6日、函館市大手町の函館国際ホテルで開かれた。「魚のだし=かつお節」という常識を覆す可能性のある新しい食材の魅力を、約130人が講演や試食を通し感じ取った。

 商品開発に当たった、のりとも朝倉商店(根室管内羅臼町)の朝倉奉文社長がサケ節にかける思いについて講演。「もしやろうという人には製造技術を指導する。生産地域が拡大すれば、雇用も生まれる」と強調した。

 道総研食品加工研究センター(江別市)の阿部茂主査が食材としての良さを紹介。「口に入れるとガツンと甘味とうま味がくる。上品な味に合う。道の定番商品にできれば」と意気込んだ。

 その後、定山渓温泉(札幌)の章月グランドホテルの藤井修一料理長が考案した34品のサケ節料理レシピの中から、ロール巻き、石狩鍋、だし巻き卵、ムースを試食。藤井料理長は「石狩鍋はサケ、野菜、みそは道産でもかつお節だけが道外産だった。サケ節が開発され、100%純粋な石狩鍋が作れる。『北海道にサケ節あり』と伝えていきたい」と意欲を見せた。

 七飯町の主婦青山真弓さん(56)は「かつお節と違って味がすぐ分かった。甘味を感じた。料理に使ってみたい」と話していた。

 商品は、丸井今井函館店(本町)で同日から販売が始まったほか、棒二森屋(若松町)でも今月下旬から販売予定。また、コンビニエンスストア・サークルKサンクスで藤井料理長監修の「サケ節弁当」が同日から全道一斉発売された。(山崎大和)