2011年12月8日 (木) 掲載

◎「箱館奉行所」が道赤レンガ建築賞

 国の特別史跡「五稜郭跡」に復元され昨年7月にオープンした「箱館奉行所」が、地域の発展に貢献する創造性豊かな建築物を対象とする北海道赤レンガ建築賞を受賞した。道南では2001年度の公立はこだて未来大学以来、10年ぶり。同館の沼崎孝男館長代行は「建築関係者もひと目見ようと訪れるほど。道を代表する建築物として認めてもらいとてもうれしい」と話している。

 箱館奉行所は道内最大級の木造建築物で、総工費約28億円をかけ、4年間の工事を経て完成した。幕末当時、約2700平方メートルあった同奉行所のうち、約1000平方メートルを復元した。建物は発掘調査結果などを基に、スギやヒノキなどの材質をはじめ、細部まで忠実に復元することにこだわった。

 入館者数はオープン後から今年11月末現在までで、44万3313人。生涯学習施設として道内外から修学旅行生も多く訪れ、函館観光を下支えしている。

 本年度は23の応募作品があり、10月下旬から11月上旬まで行った第二次審査の現地審査などを経て受賞が決まった。現代技術を駆使した伝統的工法によって復元された点や、北海道の建築創造活動の促進に寄与したこと、函館の文化振興に貢献したことなどが選考理由となった。

 市教委の山本真也教育長は「復元工事に携わった全国の職人に感謝の気持ちでいっぱい。入館者数も予想以上で、函館を代表する建築物をもっと多くの人に知ってほしい」と祝福する。

 沼崎館長代行は「これまで以上に全国から観光客が来てくれるよう、魅力をさらに発信していきたい」と意気込んでいる。(後藤 真)



◎函館—新函館経営分離問題、工藤市長「年内に判断」

 函館市議会の第4回定例会は7日から一般質問が始まり、5氏が登壇した。工藤寿樹市長は、北海道新幹線札幌延伸時の並行在来線経営分離問題について、「国の議論も大詰めを迎えており、そうしたことを踏まえる必要がある」と述べ、経営分離に同意するか否かを、年内に判断する考えをあらためて示すとともに、函館駅—新函館駅(仮称)間の扱いに関し「アクセス路線として重要。鉄路維持が図られるよう全力を尽くしたい」と、従前からの考えを強調した。

 札幌延伸時の函館—新函館間経営分離をめぐっては、道の高井修副知事が今月5日に函館市を訪問し、道が主体となって第3セクターを運行する考えを示し、市に同意するよう求めているが、工藤市長は経済界の反発などを理由に態度を保留している。

 浜野幸子氏(市政クラブ)は、市長が11月24日の定例会見で「(第3セクターは)うまくやれば黒字になる可能性はある。赤字が生じても数千万の範囲ではないか」と発言した真意をただした。

 市長はこれに対し、道が延伸後の同区間の輸送量を5000〜6300人と推計した点を挙げ、「重要なアクセス路線で一定の利用者が見込める。他の並行在来線と比べて収支バランスは良いのではないか」と述べた。

 その上で、「JRの経営継続は難しい」とする道の通知を受け「年内合意に固執するのか」と指摘した浜野氏に対し、「札幌延伸実現に向けた国の議論も大詰めを迎え、国として年内にも取り扱いを決定する状況にあり、それを踏まえる必要がある」とした。

 一方、茂木修氏(公明党)は、工藤市長が経営継続に限らず柔軟な考えを持っていることに触れ、「JRが引き続き経営するのが最善だが、市にとって良ければ、他の選択肢もあるのか」と質問。同市長は「ゼロか100かの議論は難しいし、いろいろな選択肢を頭から排除することはない。議会や経済界などと相談していきたい」と述べた。(千葉卓陽)



◎五稜郭—木古内、3セクで貨物鉄路維持方針

 北海道新幹線の2015年度開業に伴い、JR北海道から経営分離される江差線五稜郭—木古内間(37・8キロ)の貨物輸送について、道は、3セク会社が鉄道資産を持ち、JR貨物が利用する鉄路を維持する方針を明らかにした。このほか、同区間の旅客輸送では「鉄道方式」について初期投資や運営経費の圧縮をあらためて検討しており、今月下旬に開催される道南地域並行在来線対策協議会で検討結果を示す考えだ。

 同区間は、道が先に提案した事業形態をバス方式とする場合でも、貨物列車が通行するため、鉄路が残ることは間違いない。しかし、10月末に開かれた協議会ではどこが路線を持つかは示されなかった。

 道新幹線・交通企画局の宮川秀明局長が6日の道議会予算特別委員会で、「道が中心となり設立する第3セクターが、貨物調整金制度を活用して鉄道施設を保有し、JR貨物が利用するという方式により、貨物輸送に必要な鉄路を維持していくことが望ましい」と述べた。具体的な内容について今後、国やJR貨物と協議を進める。

 鉄道方式の経費見直しに関し、道の試算では3セク会社で鉄道を維持した場合、開業30年間の公共負担は約69億5000万円、単年度の運営赤字は約1億3500万円としていた。宮川局長は「初期投資や運営経費の圧縮の可能性について、現在JR北海道と相談しながら検討を行っている」と述べ、中古車両の活用やJRからの派遣職員の人件費への支援などにより、大幅な経費圧縮を実現したい意向だ。

 いずれも、柿木克弘氏(自民党・道民会議)への答弁。道と沿線3市町の負担割合に関する質問はなかった。(山崎大和)


◎15日に「ビューティー・バイキング」初開催

 衣料品販売などのグラント・イーワンズ(福井市)は、道南初開催となる「ビューティー・バイキングin函館」を15日午前10時から午後4時半まで、函館市末広町のウイニングホテルで開催する。函館・北斗両市の美容に関連のある事業者14社が出店し、ネイルアートやカイロプラクティック、メーク、カラーセラピーなど多彩なサービスをお試し価格で提供する。

 同社は補正下着の販売などを手掛けており、同様のイベントはこれまで全国各地で約60回開催している。毎回厳選した地元の美容サロンを集めており、開催に向けて道南のサロンを厳選した。

 開催責任者の吉田智美さんは、「サロンに興味を持っていてもなかなか足を運ぶに至らない人が多いのでは」と感じており、「これまで敷居が高いと思っていた人がさまざまなサロンを知るきっかけとして活用してさらに美しくなってほしい」と話す。

 入場料は前売り券800円(当日券は1000円)で、飲み物、参加店の利用券などが当たる抽選券が付く。会場内でサービスを利用したい場合は、ブースごとに500〜1500円の料金が別途必要。価格はジェルネイル1000円、眉カット500円、まつ毛エクステ1000円、カラーセラピー500円など。無料サービスも用意する。

 入場前売り券は同ホテルや参加店で前日まで扱う。問い合わせは同社北海道統括代理店TEL0138・23・8037。(小泉まや)


◎函館シンガポール協会、Xマスパーティー楽しむ

 函館シンガポール協会(山那順一会長)は7日、ホテル函館ロイヤル(大森町)で「ファミリー・クリスマス・パーティー」を開いた。会員やその家族約200人が参加し、抽選会などで楽しいひとときを過ごした。

 1992年の設立から開くパーティー。この日はシンガポール大使館のローレンス・ベイ首席公使、シンガポール政府観光局のスー・シュウ・キョン北アジア局長が来賓に招かれた。初めに参加した子どもたちがサンタクロースとともに入場し、プレゼントが渡された。

 全員で「きよしこの夜」を日本語と英語で歌った後、山那会長はあいさつで「来年は20年の節目を迎え、訪問ツアーも計画している。ようやく新成人を迎える当協会の支援を願いたい」と述べた。続いてベイ首席公使が「今後もシンガポールと日本、函館の友好関係がますます強固になると確信している。来年の訪問ツアーで、皆さまとお会いできるのを楽しみにしている」と話した。

 キョン局長の「メリークリスマス」の発声で祝杯を挙げ、参加者は料理に舌鼓を打った。余興として約50団体から寄せられた景品が当たる抽選会や、シンガポールの観光DVDを観賞した。(山崎純一)