2011年1月10日 (月) 掲載

◎函館音楽協会賞にヌーベルアンサンブル

 函館音楽協会(吉田淳子会長)は8日、2010年度の協会賞と奨励賞を発表した。協会賞に「ヌーベルアンサンブル」(橋本公志代表)、奨励賞にいずれもピアノ奏者の畑中一映さん(40)と岡田奏さん(19)を選出。表彰式は23日午後6時から五島軒本店(末広町)で開かれ、記念品や賞状などが贈られる。

 両賞は、函館・近郊に在住する個人・団体の1−12月の活動から選考。協会賞はこれまでの実績や地元の音楽文化向上への功績に、奨励賞は作曲または演奏活動に意欲的で高水準の実績を残し、郷土の音楽活動を推進させた功績に贈られる。吉田会長や同協会役員ら11人で選考した。

 サクソホンのアンサンブル団体「ヌーベル−」は、アンサンブルコンクール全道大会で金賞を10回受賞、小中高生にクリニックを開催。昨年12月の演奏会ではサクソホン奏者の須川展也さんを迎え、緻密なアンサンブルで聴衆を魅了した。

 畑中さんは、この1年演奏会に15回出演。卓越した構成と色彩的な演奏が評価されたほか、函館の音楽家集団「クレアシオン」代表、日本ショパン協会函館地区委員として、函館の音楽文化振興に力を注いでいる。

 岡田さんは「第16回ショパン国際ピアノコンクール」本大会に出場。市民に夢と希望を与えたほか、演奏ではピアノ音楽の魅力を幅広い世代に伝えた。

 橋本代表は「思ってもみない賞。約40年間の活動が認められてとてもうれしい」、畑中さんは「歴史ある賞の受賞で喜ばしい。演奏を続けることで自分にできることは何かを考えながら活動を続けたい」、岡田さんは「これを励みに、函館出身であることを誇りにさまざまな場で自分のピアノを伝えられたら」と喜んでいる。(長内 健)



◎日本航空の大西社長来函 社員を激励

 会社更生手続き中の日本航空の大西賢社長(55)が9日、函館空港内の同社支店を訪れた。大西社長は社員を前に「一歩ずつ前進していくために、みなさんで手を取りあって頑張りましょう」と激励の言葉を送った。

 大西社長は昨年の12月31日からこの日まで、国内10空港を回り、それぞれの運営状況を確認するとともに、大幅な人員削減の中で経営再建に向けて業務に邁進(まいしん)する社員への激励を行っている。

 この日は釧路空港を訪れた後、夕方に函館空港入り。大西社長は社員に対し「函館—東京便は日航でもトップクラスの収益率だが、これもみなさんの頑張りのおかげ。今年も昨年の成績を上回ることができるように、それぞれがアイデアを出し合って前に進んでいきましょう」と訴え、社員一人ひとりとがっちりと握手を交わした。

 大西社長は報道陣に対し、東京・築地市場での初競りで史上最高値を付け話題になった戸井産のマグロを例に出し「函館にはまだまだ埋もれている観光資源がたくさんある。行政や各業界と連携して、観光を通じて函館地域を活性化できるお手伝いに積極的に関わっていきたい」と述べた。(小川俊之)



◎倒産、過去10年で最低 道南2010年

  民間信調査機関、東京商工リサーチ函館支店は、2010年の渡島・桧山管内の企業倒産状況をまとめた。累計倒産件数は前年より15件少ない22件、負債総額は175億2800万円減の217億7200万円で、ともに過去10年で最低となった。

 10年の累計は、倒産件数、負債総額ともに前年を大幅に下回ったが、これは企業の業績回復というよりは「景気対応緊急保証制度」の支援策拡充や中小企業金融円滑化法など、国の各種金融・経済対策が下支えとなったのが要因とみられるという。また09年は6件あった負債総額10億円以上の大型倒産が、10年はゼロ件だったことも大きな特徴となっている。

 昨年12月の倒産件数は3件で前月比3件増、前年同月比で増減なし。負債総額は10億3000万円で3カ月ぶりに10億円を突破し、前年同月比2億1100万円増となった。12月に倒産したのは函館市内の卸売業、七飯町内の運輸業、江差町内の建設業で、主因はいずれも業績不振。

 今後の見通しについて同支店は、企業は人員削減や経費節減などで自己防衛を進めてきたが、多くの中小企業を支えてきた国の各種経済・金融政策効果が薄れつつあることを指摘。「消費低迷や価格競争、公共事業削減などの複合的な要因から、業種を問わず多くの企業が依然として厳しい経営環境下にあり、倒産は緩やかながらも増加傾向で推移する可能性が高い」とみている。(小川俊之)


◎自覚と誇り 20歳の誓い 江差町成人式

 【江差】江差町成人式(町教委主催)が9日、町文化会館大ホールで開かれた。町内の成人式参加対象者は、1990年4月2日から91年4月1日までに生まれた89人(男性52人・女性36人)で、昨年より6人増。式典には69人(男性37人・女性32人)が参加し、女性の多くは、色鮮やかな振り袖姿で晴れの式典に臨んだ。

 冒頭では、第41回江差追分全国大会優勝者の寺島絵里佳さんが江差追分を披露した。

 川端壯吉教育委員長は「苦境にめげることなく、人生という大きな目標に向けて邁進(まいしん)してほしい」と式辞を述べた。濱谷一治町長は「仲間を支え、仲間に支えられながら、家族や地域に感謝して、目標に向かって頑張ってほしい」とあいさつ。福原賢孝道議と打越東亜夫町議会議長も祝辞を贈った。

 登壇した新成人代表の大谷一真さん(本町)と榎本莉紗さん(津花町)は「町民の自覚と誇りを持ち、文化と伝統を受け継ぎ、郷土の発展に努めます」と宣誓文を朗読し、新成人全員で唱和した。

 続いて2人は、ステージ上に飾られた「20」の数字をかたどったキャンドルに点灯して、大人への仲間入りを喜び合っていた。(松浦 純)