2011年1月11日 (火) 掲載

◎晴れやか新成人

 成人の日の10日、第63回函館市成人祭(市、市教委、実行委主催)が同市湯川町の市民体育館で盛大に行われた。新成人約1600人があでやかな晴れ着や真新しいスーツに身を包み出席。責任への自覚と未来に対する希望を胸に、大人への第一歩を踏み出した。

 函館市の今年の新成人該当者数は1990年4月2日から、91年4月1日までに生まれた2401人(昨年11月1日現在)。男性1192人、女性1209人で昨年より107人減少した。渡島(2市9町)、桧山(7町)管内では渡島が3692人、桧山が320人。全道では推計5万2111人、全国では124万人。

 式典で西尾正範市長は「社会を取り巻く状況は厳しいが、大人の仲間入りを果たしたみなさんの力で乗り越えていってくれることを願っている。かけがえのない自分の人生、希望に満ちた幸せの多い道を歩んでほしい」と激励した。新成人を代表して函館大学2年の松岡敬介さんと函館高専5年の平井利沙さんが「先人たちが培ってきた文化や伝統を守り、愛する郷土である函館の発展に努めることを誓います」と誓いの言葉を述べた。

 続いて行われた祝賀行事では、東京ディズニーリゾート入場券付きペア宿泊旅行券などが当たる抽選会や、昔懐かしい駄菓子屋コーナーで菓子が配られた。恩師からのメッセージコーナーでは新成人の中学時代の教師からのメッセージが掲示され、懐かしそうに見入る姿も見られた。南茅部地域のタイムカプセルコーナーでは臼尻、尾札部中学校出身者が在学時に書いた「20歳の自分への手紙」が返され、当時を懐かしみながら旧友と笑顔で目を通していた。(黒田 寛)



◎緊急時だけかけて…「110番の日」イベント

 「110番の日」の10日、道警函館方面本部は、110番の適切な利用や警察相談専用電話「♯9110番」の周知を図る広報イベントを実施した。道内を中心に活躍するシンガーソングライターの桜庭和さん(29)を一日通信指令室長に任命。五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)で街頭啓発やライブなどを行った。

 桜庭さんは江別市在住で、歌手のほか、楽曲提供やラジオなどで活動。道内ではおなじみのCMソングに起用されるなど、幅広い世代から親しまれている。

 木下外晴本部長から委嘱状を受けた桜庭さんは、通信指令室で110番の模擬受理体験をした。物損事故の想定で掛かってきた電話に、事故の形態やけがの程度などを質問していた。

 同タワー前での街頭啓発では、桜庭さんがファンや道行く市民らに、道警のマスコット「ほくとくん」とともに啓発チラシとティッシュを配布。同タワーアトリウムでは、自身の目の前で起こった交通事故で人生初の110番通報をした経験談を交えたトークライブを披露し、オリジナル曲や「時の流れに身をまかせ」など4曲をしっとりと歌い上げた。

 ○「♯9110」もっと活用して

 同本部地域課によると、2010年の110番総受理件数は、4万3814件。うち、いたずらや無応答、押し間違いは合わせて8592件と前年より650件以上増加した。また、急を要さない落し物や免許切り替えについてなどの各種照会も昨年より17%増えたという。  110番は事件事故などの緊急通報電話。電話回線にも限りがあるため、相談や要望などは警察相談専用電話「♯9110」に連絡してほしいと同課は呼び掛けている。 (小杉貴洋)



◎商品ずらり大盛況

  津軽海峡フェリー函館ターミナル(函館市港町3)で10日、「母子会★めりー」主催のフリーマーケットが行われた。市民やフェリー利用者などが会場を訪れ、お気に入りの商品を買い込んでいた。

 この日は同ターミナルの2階部分に出店。子ども用のおもちゃ類から家庭用品や衣服まで多彩な商品が並び、午前9時の開始と同時に次々と売れていった。また1階のレストラン部分では特製の三平汁を300円で販売し、好評を得ていた。北海道旅行を楽しみ、青森行きフェリーの乗船待ちをしていた埼玉県の男性(63)は「意外な場所でフリーマーケットが行われていたのでびっくり。とても華やかで楽しそう」と話していた。

 同ターミナルでのフリーマーケット開催は、昨年12月に続いて2回目。市内各地でフリーマーケットを開いている同会の存在を知った津軽海峡フェリーが「ターミナルの存在を地元住民のみなさんにも幅広く知ってもらいたい」と呼びかけたのが、開催のきっかけとなった。

 同会では、今後も月1回のペースで同ターミナルでのフリーマーケット開催を予定。次回は2月6日午前9時から午後1時まで行う。現在出店者を募集中。条件は問わず、1件1500円で受け付ける。問い合わせは同会TEL090-3432-3927。 (小川俊之)


◎多彩な音色 観客魅了

 札幌大谷大学・札幌大谷短期大学部同窓会道南支部が主催する演奏会「リスト生誕200年の響演」が10日、函館市芸術ホール(五稜郭町37)で行われた。同大音楽科出身で、現在は函館・近郊などで演奏活動や後身の指導にあたっている11人が出演。多彩なステージで観客を沸かせた。

 プログラムは宮城道雄の「春の海」でスタート。華やかなフルート、艶のある琴、あたたかみのあるピアノ、調和のとれた3つの音色を会場に響かせた。

 函館市でピアノを教える高橋尚子さんはリスト晩年の名曲、巡礼の年第3年より「エステ荘の噴水」を演奏。水しぶきを連想させる華麗で繊細なパッセージに、観客は息をのんだ。

 ほか、リストの超絶技巧練習曲やハンガリー狂詩曲、同時期に活躍したショパンのソナタなど、数々の大曲で会場を圧倒。2台ピアノやクラリネット、マリンバなど、盛りだくさんなプログラムで魅了した。

 演奏を聴いた市内の新明道子さんは「同窓生らの協力で作りあげているような、良い演奏会だったと思う。ピアノだけでなく、いろいろな楽器の演奏があったので、オーケストラを楽しむような気持ちで聴くことができた」と満足そうに話していた。 (堀内法子)