2011年1月18日 (火) 掲載

◎「伊達直子」からプレゼント

 女性版タイガーマスクからプレゼント―。函館市亀田中野町38の児童養護施設「くるみ学園」(永田滋施設長)に15日夜、玄関前に1袋約20キロのジャガイモ3袋が置かれているの職員が発見した。袋には「伊達直子」名義で文章が添えられており、同施設では「善意に感謝したい」と話している。

 同施設によると、同日午後10時ごろ職員が仕事を終え帰宅しようと玄関に出たところ袋の存在に気付いた。袋の中には大ぶりのジャガイモが入っていた。袋には「少ないですけどみんなで食べて下さい。ジャガイモお母さん伊達直子」というメモが添えられていた。

 タイガーマスクの主人公・伊達直人名の寄付が全国の児童養護施設などに相次ぐようになってから、くるみ学園にこうした善意が寄せられたのは5例目で、食材は初めて。同施設では「このようなプレゼントをいただいて感謝の気持ちでいっぱい」と語り、「栄養士と相談し、お気持ちに感謝しながら調理法を考えて、子どもたちが喜んで食べてもらえるように使っていきたい」と話している。 (黒田 寛)



◎図上訓練で意識高め

 「防災とボランティアの日」の17日、函館市の高丘町会(武下秀雄会長)は市や警察の関係者を招き、同町会館で図上防災訓練を実施した。大地震発生という想定で、住民ら30人は身を守る措置や対応を確認した。

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、ボランティア活動や住民の自発的な防災活動の重要性が広く認識されたことから、さらに啓発していこうと「防災とボランティアの日」を制定。高丘町会では昨年に続き同訓練を開催し、市総務部防災担当の武田忠夫参事や函館中央署警備課の大竹聖一課長、品川泰昭係長らが出席した。

 訓練は、午前6時半に北海道南西沖を震源とした震度6弱の地震を想定して実施。参加者はグループごとに町内の地図を見ながら、小学校や公園など自宅から近い避難所や避難ルートについて意見を交わした。

 さらに、緊急地震速報が発表された時の対応や、避難指示が出されて家を離れる時に携行するものなど、地震発生前後の対応についても協議。参加者からは1、パニックにならない2、家族の安否確認をする3、非常食やラジオなどを携行する|といった意見が聞かれた。品川係長は「避難所へ行く前に行き先や連絡先を紙に書き、玄関に貼るのは有効な手段」とアドバイスした。

 武下会長は「きょう学んだ知識を家族ら周囲の人にも伝えてほしい」と呼び掛け、大竹課長も「今後も町会単位で防災の輪を広げてもらえれば」と期待していた。  (長内 健)



◎8割「住み心地良い」西部地区7町住民ニーズ調査

 函館市はこのほど、西部地区7町の住民を対象に昨年実施した住民ニーズ調査の結果をまとめた。住民の約8割が「住み心地が良い」と回答するなど満足度の高さを示した一方、夜間の歩きづらさや日用品の買い物の不便さなど、生活面に一定の問題点を抱えていることが分かった。市は今回の結果を受け、NPOなど民間団体との連携を強め、同地区の活性化につなげたい考えだ。  調査は、2005年度から10年間を期間とする西部地区まちづくり構想の中間評価を行う中で、新年度以降の事業を組み立てる上での基礎資料として実施。国から交付金を受けて行った都市再生整備事業(2006―10年度)の一環にも位置付けている。

 昨年7、8月に都市景観形成地域の7町(船見町、弥生町、弁天町、元町、大町、末広町、豊川町)の1200世帯を対象に行い、547世帯(回収率45.6%)が回答。内訳は世帯主の年齢が70代以上が31.3%と最多で、50年以上住んでいる世帯も26.9%を占める。

 設問は16問。現在の住まいに満足しているかの問いに「はい」と答えたのは332世帯(61.6%)。現在の住み心地には64世帯(12%)が「大変良い」、353世帯(66.4%)が「だいたい良い」と回答している。

 さらに、同地区の街並みや景観について324世帯(61.8%)が「誇りを持っている」とし、379世帯(70.2%)が「今後も住み続けたい」と答えた。現在の暮らしや地域性を好意的にとらえている実態がうかがえる。

 その半面、「夜間街を歩いていて、不安や歩きづらさを感じることはあるか」との問いには326世帯(60.1%)が「はい」と答えた。「日用品の買い物に不便を感じるか」には「はい」が245世帯(45.4%)、「いいえ」が230世帯(42.6%)と評価が分かれた。西部地区に望まれる施設やサービス(自由回答)では、大型ショッピングセンターや複合施設を求めたのが32世帯で最多。以下、図書館・図書室が25世帯、子どもが遊べる施設が18世帯と続いている。

 同整備事業では街路の石畳化や臨海研究所の整備など、ソフト面では「おでかけバス」の試験運行などに取り組んだ。市街づくり推進課は「すぐに効果が表れるものではない。長い目で取り組みを強化したい」と話し、今後はNPOと協働しての流通・居住支援や民間主体の取り組み促進を進めていく方針。 (千葉卓陽)


◎桧山スケトウ漁獲量は09年上回る

 【江差】桧山振興局水産課のまとめによると、桧山沿岸のスケトウダラ漁は、2010年11月の解禁から12月末までの漁獲量が3230トン(対前年比12%増)に上り、09年の2884トンを上回った。だが、噴火湾の豊漁や、桧山沿岸で漁獲の中心となった若い4年魚は、タラコの原料となる魚卵が成熟していないため価格が上がらず、漁獲額は5億73万円(同7%減)と、過去10年間で最低水準だった。

 桧山沿岸のスケトウは、韓国への輸出増加に後押しされた06年は、1キロ当たりの単価が318円と高値を記録したが、世界的不況による韓国経済の落ち込みや、通貨ウォンの下落も響いて輸出向けは値下がり。渡島や胆振管内の噴火湾で豊漁が続いている影響もあり、桧山の平均単価は、07年は230円、08年は248円、09年は186円に下落した。

 また、桧山沿岸の魚群は、今季から06年生まれの4年魚が漁獲の中心になってきた。水揚げされる個体数は増えたが、大型の6年魚と比べて、全体的に魚体は小ぶり。若い4年魚は魚卵が成熟しておらず、漁獲額は伸び悩んだ。

 桧山沿岸では、1993年の1万7770トンをピークにスケトウの漁獲量が減少。過去5年間は、06年6774トン、07年5131トン、08年3430トンと落ち込み、09年は2884トンと、過去10年間で最低だった。漁獲量が上向いたのは01年以降は初めてとなる。

 桧山沿岸は、本道の日本海側では唯一とされるスケトウの産卵海域で、若い4年魚を無制限に漁獲すれば、将来的に資源が枯渇する恐れもあるため、ひやま漁協と桧山すけとうだら延縄漁業協議会(佐藤弘会長)は、本格的な産卵シーズンに入る1月中旬以降は、漁期を残して自主休漁とする方針で、漁業者の経営安定に向けた、休業補償制度の創設を農水省など関係機関に要望している。(松浦 純)


◎たば風の祭典 来月1日開幕

 【江差】真冬の江差を彩る「第26回江差たば風の祭典」(実行委主催)が2月1日に開幕する。期間中は1カ月間にわたり、文化行事やスポーツ大会などの多彩な催しが開かれる。メーンイベントの「第11回 冬 江差 美味百彩なべまつり」は、12・13の両日に旧生涯学習センターで開かれる。

 「たば風」は、真冬の江差に吹く激しい季節風。イベントは、厳しい寒さや風雪に負けることなく、町全体で楽しく冬を過ごそうと、町内16団体で組織する実行委が、毎年開催している。陶芸や俳句の展示会、郷土芸能際、江差追分セミナー、コンサートなどの文化行事やスポーツイベントが町内全域で開かれる。

 江差観光コンベンション協会(打越東亜夫会長)が主催する「なべまつり」は、地場産の農水産物を生かした約30種類の鍋料理を出品する。12日は午後4時―7時。13日は午前11時―午後2時。鍋料理はいずれも1杯300円。会場では、豪華景品が当たる抽選会や、鍋料理の人気を競う「N―1(エヌワン)グランプリ」なども予定している。

 期間中の主な行事予定は次の通り(かっこ内は開催場所と日時)。イベントに関する問い合わせは同協会事務局рO139・52・4815へ。 ○江差焼・和小物・はた織り展示会(町役場/1日―28日、午前9時―午後5時)○第26期江差追分セミナー(江差追分会館/3―16日)○郷土芸能祭(文化会館/5日午後1時)○茶会(江差追分会館/19日午前10時―午後3時)○郷土誌講座(文化会館/午後1時―4時)○第26回小中学生俳句展(五勝手屋本舗/19―21日の午前10時)○ひのきコンサート(文化会館/20日午後3時)○ドッジボール大会(南が丘小学校/26日午前10時)○どうぶつしょうぎをやってみよう(文化会館/27日午後1時)○陶芸教室(技能開発センター/毎週土曜日の午後1時半)○フォークダンスの集い(文化会館/毎週水・金曜日の午後1時) (松浦 純)