2011年1月23日 (日) 掲載

◎プロ棋士・佐藤4段が指導対局

 日本将棋連盟函館中央支部(石井英夫支部長)の恒例行事「新春 子供将棋大会」を翌日に控えた22日、同支部(函館市五稜郭町17)で棋士、佐藤慎一四段を迎えた指導対局が行われた。同支部会員の中から選ばれた小学生から一般までの9人が、佐藤四段と将棋盤を囲み、自らの力量を試した。  プロ棋士から指導を受けられる貴重な体験の場を提供しようと、毎年8月に指導対局を実施。新春子供将棋大会に合わせた開催と佐藤四段の来函は、いずれも今回が初めて。

対局は小学3年から79歳までの9人が参加し、佐藤四段が3人ずつと対戦する三面指しで行われた。参加者は日ごろの練習成果を発揮したが、プロ棋士を相手に苦戦の連続。盤を直視したまま次の手に悩む場面も目立った。対局後はそれぞれ、佐藤四段から丁寧なアドバイスを受けていた。

港小5年の野田省吾君(11)は「すごく強かった。教えてもらったことを明日の将棋大会に生かしたい」と笑顔で話していた。

23日には五稜郭町会館(五稜郭町16)で、初心者を対象にした佐藤四段の講座(午前10時から)や子供将棋大会(当日受付)が行われる。(小杉貴洋)



◎地デジ対応 済みました? 完全移行あと半年

 7月24日の地上デジタル放送(地デジ)完全移行まで半年。地デジのPRは最終段階に入り、道南・函館でも盛んに啓発活動が展開されている。市内の量販店などではエコポイント半減に伴う駆け込み需要がひと段落し、新たな商機をうかがっている。

 総務省によると、地デジが視聴できる受信機の世帯普及率は全国で90%を超え、道内でも87%。同省による啓発活動も最終段階に入り、今後はアナログ放送世帯に対して、テレビ画面を通してアナログ放送の終了スポットやお知らせ画面を集中的に放送していくほか、地デジ移行への試験放送を随時行っていく。

 道南地域の普及や支援を進める同省北海道南テレビ受信支援センター(デジサポ道南、函館市新川町)でも、函館市役所などで定期的に相談会を開催。函館、北斗市内の市街地では受信障害はほとんどないと受け止めているが、今後さらに詰めの調査をし、障害のある住宅などの改善を進めていく。

 特に重視しているのが、UHFアンテナの啓発。アナログ放送の場合、高層ビルの陰に入るエリアでは共同アンテナを設置して受信していたが、デジタル化により独自でUHFアンテナを設置する必要がある。

 ビル陰の住宅や共同住宅でアンテナ未整備の世帯に対しては、後々の混乱を避けるため早めの切り替えを呼び掛けている。青木繁夫センター長は「計画にのっとり粛々と進めていく。切り替えは7月24日だが、6月末までに切り替えるようお願いしたい」と話す。

 アンテナ工事を請け負う電器店でもこの1年、アンテナ工事の受注や相談が増え、クボタ電機(千代台町)は「駆け込み的な受注は今のところないが、アンテナにかかわる問い合わせは多くなった」と話す。きくち電機(北斗市七重浜)は「この1年、例年と比べると受注は増えた」とする一方、エコポイントによる特需がひと段落し「今は落ち着き、ピークは過ぎたようだ」と見る。

 量販店でも特需の後の戦略を探っており、ケーズデンキ函館店(函館市美原)では、「省エネや高性能など付加価値をアピールしながら販売を促進したい。アンテナも売り込みたい」とし、コジマNEW函館店(同市亀田港)は「アフターサービスなどに力を入れたい。エコポイントの時のような在庫切れは今はないので、来店すればすぐ手に入る。店に来てもらうよう仕掛けていきたい」としている。(鈴木 潤)



◎メタボ健診 受診率伸び悩む

 市内の40―74歳の国民健康保険加入者を対象に行われている特定健康診査(メタボ健診)の受診率が伸び悩んでいる。2010年度は昨年12月末時点で15%と、目標の45%に届くには厳しい状況。働き盛りの年代の未受診率の高さや、継続して受診する人の少なさが目立っている。

 市は08年度に受診率を25%に設定し、市立函館保健所や各医療機関で健診をスタート。12年度までに10%刻みで65%の目標を定めた。しかし、08年度は20%、09年度は21・5%といずれも目標を下回った。10年度(同月末時点)は対象者5万4169人のうち受診したのは8349人で、年齢別では40―44歳が7%と低迷。例年と同様、働き盛りの世代の意識の低さが顕著に表れた。

 市は新たな対策として、がん検診・特定健康診査カレンダーを制作し、全戸配布を実施。受診対象者宅に健診のはがきを送付し、約1500人の組合員を抱える函館朝市どんぶり横丁で車両による健診を受け付けるなど積極的な取り組みを展開。その結果、同月末現在の受診率は、前年同期比を1ポイント上回った。

 市国保年金課では「全国的にも北海道の健診受診率は低く、函館も同様。少しずつだが周知の成果が出てきているので、今後さらに対策を強化したい」と話す。

 市は対象の市民に受診を広く呼び掛けていくとともに、手続きの簡略化など新たな対応についても医療機関などと連携、検討していく考え。特定健診の市総合保健センターでの受け付けは毎週月曜(午後1時―同3時)、水・金曜(午前8時半―同10時半)、毎月第2火曜(午後5時半―同6時半)。問い合わせは同課電話0138-32-2215。(黒田 寛)


◎リコーダーコンで金賞、旭岡中と宍戸さん全国へ

 札幌市でこのほど行われた「第25回全道リコーダーコンテスト」(道リコーダー教育研究会主催)で、函館地区代表の函館旭岡中リコーダー部(寺崎春香部長、部員15人)と、リコーダー奏者の宍戸良子さんが金賞を受賞し、3月に東京で開かれる全国大会に出場することが決まった。夢の舞台を前に寺崎部長(14)は「目標は金賞」ときっぱり。宍戸さんも「しっかり曲想を伝えられれば」と張り切っている。

 道内の地区予選で代表となった個人・団体が出場した同コンテストは、小中高校生と一般の4部門。さらに独奏、重奏、合奏の3部門に分けられる。技術や表現力の高い順に金、銀、銅の各賞が贈られ、金賞受賞団体の中でもより高い演奏水準の出場者が全国大会に出場できる。

 同リコーダー部は12団体が出場した合奏部門で6年ぶりの全国大会に。近藤基子顧問の指導で、昨夏から1、2年生全員で練習に励んできた。曲目はアルベニスの「セビーリャ」。「情熱的な曲で細かい音符が多く大変だった」(近藤顧問)が、メンバーは後輩を育ててきた3年生の温かい励ましに後押しされたという。

 近藤顧問は「大舞台を楽しみながら演奏してほしい」と期待し、寺崎部長も「1年間全国を目標に頑張ってきたのでとにかくうれしい。今度も結束して臨みたい」と意気込みを語る。

 函館のリコーダー・アンサンブル・グループ「フィオリ・ムジカーリ」の代表を務める宍戸さんは、重奏部門で出場した昨年に続き2回目の全国大会。今回は独奏で挑戦し、ファン・エイクの「天使のナイチンゲール」を披露した。鳥の鳴き声をイメージしながら夜遅くまで楽器と向き合い、見事金賞を受賞した。

 宍戸さんは「自分としては不満足な演奏だった」と振り返りながらも、「自分の演奏技術を高めるいい勉強になった。大舞台の緊張に負けないよう、自然体で臨みたい」と話している。(長内 健)


◎昨年の船舶海難 過去3年で最少

 函館海上保安部は、昨年発生した事件や事故、函館港の入出港の状況をまとめた。船舶海難は過去3年間で最少となったが、人身事故、海浜事故は前年より増加。漁業関係者以外の一般人によるレジャー期の密漁も後を絶たず、同海保では「海の資源は漁業者にとって大切なもの。ルールとマナーを順守して、海に親しんでほしい」と話している。

 ●事件

 同海保では123件を送検。うち全体の7割に当たる85件が密漁で、2件4人を除くそのほとんどがウニやアワビなどを狙った一般市民によるものだった。

 ●船舶海難・人身事故

 船舶事故は、昨年4月に函館山大鼻崎付近であった貨物船の座礁など。前年比7隻減の13隻で、海難による死亡・行方不明者も3年連続発生していない。一方、人身事故は乗船中の病気や負傷者が多く発生し、同6人増の16人。海浜事故も知内町内で磯遊び中に波に流された家族を助けようとした男性(68)が死亡した事故など、同11件増の27件だった。同海保では万一に備え、救命胴衣の着用の徹底や「118番」に連絡できるような態勢を整えてほしいと呼び掛けている。

 ●函館港入出港船舶の状況

 函館港長への入出港届が必要な総トン数20トン以上の船舶の総数は日本船が8277隻、外国船が171隻の計8448隻だった。これは過去5年間で最も少なかった。(小杉貴洋)