2011年1月24日 (月) 掲載

◎みやびやかに十二単 着付け実演

 平安時代から伝わる十二単(じゅうにひとえ)の着付けを実演する「十二単着装披露」(小林豊子きもの学院函館事務局主催)が23日、ホテル法華クラブ函館で開かれた。同学院北海道学院長の信田豊愁さんが衣や着装について解説しながら、日本の伝統的な美と心を伝えた。

約50人が来場。十二単には平安朝のものと江戸時代のものがあり、この日は平安朝の松襲(まつがさね)装束で行われた。同学院の教授3人が着付けをする衣紋者を務めた。作法にのっとり手をアイロンのように使い、衣にしわを出さないようにしながら紫や緑の衣を重ね、優雅な色彩を約40分で整えた。 十二単の重さは合計で約16`。来場者は襟の合わせ方やひもの結び方のほか、着る人の幸せを祈りながら着付けをする衣紋道についてメモを取ったり、写真を撮るなどして学んでいた。

日ごろから日本画に取り組む市内の東豊司さん(76)は「あらためて日本の文化のすごさを知った思い。衣を重ねた時の色目(いろめ)などの美を絵で表現してみたい」と話していた。 (山崎純一)



◎函館の大型店 昨年売上高 13.8%減

 函館商工会議所がまとめた函館市内の大型小売店6店の2010年の売上高は338億6000万円となり、前年に比べ13.8%減少した。前年割れは1992年以降19年連続となったが、既存6店舗の比較では前年より減少幅が縮小するなど、下げ止まりの動きもみせ始めている。

 09年は5月にグルメシティ五稜郭店が閉店、10月に長崎屋函館店がMEGAドン・キホーテに業態転換し、集計対象の店舗が減ったことから、全体の減少額にも影響。09年度分の両店の売り上げを除いた6店舗比ベースでは、前年比2.3%減となり、09年の同6.1%減より減少幅は改善している。

 品目別では全8品目すべてが前年比マイナスとなった。主力の食料品が同11.9%減の107億5200万円、衣料品が同15.7%減の95億6700万円、身の回り品が同16.1%減の32億7000万円と落ち込むなど、消費の冷え込みがくっきりと表れる結果となった。

 一方、「家庭用品」は同12.9%減の13億6700万円だったが、6店舗ベースでは同1.1%増となっており、家電エコポイントの駆け込み需要効果が表れている。

 また、昨年12月の6店の売上高は39億500万円で、前年同月比3.6%減。品目別では家電エコポイントの駆け込み需要の反動で家庭用品が同2.9%減と、前月の同22.9%増からマイナスに転じている。このほかクリスマスギフト関連が好調だった雑貨が同1.3%減、お歳暮ギフトや年末・正月用品が好調だった食料品が同2.0%減と、小幅な減少にとどまった。

 集計対象は棒二森屋、WAKOビル、丸井今井函館店、テーオーデパート、イトーヨーカ堂函館店、グルメシティ湯川店の6店。 (小川俊之)



◎桧山管内の小中学校 20年で半減

 【乙部、せたな】桧山管内では本年度、乙部町の姫川小学校(児童8人)と、せたな町の太櫓小学校(同12人)が、児童数の減少により閉校する。1991年度には管内には61の小学校と28の中学校があったが、少子化の影響で統廃合が相次ぎ、本年度は小学校34校、中学校13校と、この20年間で学校数がほぼ半減した。

 桧山管内では04年度、厚沢部町の滝野小など小学校3校が廃校。乙部町では乙部、姫川、富岡、栄浜、明和の5中学校を再編。05年度には上ノ国町の大崎小、厚沢部町の清水小中学校など小学校3校と中学校2校が休廃校。06年度にも江差町の朝日、日明、水堀の3小学校が統合。今金町も花石、八束、金原の3小学校を今金小に統合。休校中だった中里小を廃校とした。

 本年度末に閉校する乙部町の姫川小は、新年度には6年生の卒業に伴い児童が5人となり、将来的にも児童の増加が見込めず、保護者と住民が乙部小との統合を町に申し入れた。町教委は新年度からスクールバスを運行して通学の足を確保するほか、学校跡地の利用方法を協議する。せたな町の太櫓小は、道外などからの「海浜留学」の受け入れで話題となったが児童数減少から存続が難しくなった。姫川小は3月19日、太櫓小は同20日に閉校式を行う。姫川小は開校から115年、太櫓小は128年の歴史があった。

 管内で閉校した小中学校は、いずれも過疎化により児童生徒数が減少。当初は厳しい町財政の事情から、小規模校の集約による効率化を図る動きが進んだが、近年は運動会など学校行事やクラブ活動の運営にも支障を来している現状から、保護者や地域住民が近隣校との統合を要望する形が増えている。 (松浦 純)


◎旬の味覚求めにぎわう かみのくに食遊祭

 【上ノ国】地場産の新鮮な農水産物を生かした、多彩な味覚をPRするイベント「第4回かみのくに食遊祭」(実行委主催)が23日、上ノ国町民体育館で開かれた。旬を迎えた鍋料理を中心に、多彩な料理や加工食品などが出品され、会場では、大勢の家族連れが舌鼓を打っていた。

 会場では、町内外の飲食店や食品業者、農漁業に携わる女性グループなど約20団体が自慢の商品を出品した。「ヒラメすり身汁」「フルーツポーク豆乳鍋」「クジラ汁」など、あつあつの鍋料理をはじめ、地場産の農産物を活用した手作りの漬物やみそ、前浜で水揚げされた魚介類を使った塩辛、いずし、ホッケのぬか漬けなど、バラエティーに富む商品が所狭しと並び、お目当ての商品を買い求めようと、来場者が長蛇の列を作った。

 江差町の主婦(64)は「どの商品もお手ごろ価格。たくさん買い物ができました」と笑顔で話した。会場では、地域の飲食店や個人の創作料理などの出来栄えを競う「我が家・我が企業のうまいものコンテスト」をはじめ、豪華景品が当たる抽選会なども開かれ、イベントを盛り上げた。 (松浦 純)