2011年1月27日 (木) 掲載

◎韓国最大のフリーペーパーが函館特集

 韓国最大の発行部数を誇るフリーペーパー「M25」で、年明けから2回にわたり函館観光を特集した記事が掲載された。クリスマスファンタジーや箱館奉行所、西部地区、ご当地グルメなど韓国人記者が見た冬場の函館の魅力が満載で、ソウル市民らに函館観光をPRしている。

 同誌は毎週月曜に発行されるA4判40ページ、オールカラーのフリーペーパー。ソウル市や近郊の地下鉄駅などで無料配布している。主に25歳以上のビジネスマンをターゲットに、発行部数は韓国最大の約18万7400部。道内の主要都市で同誌に取り上げられたのは函館が初めて。

 函館市などでつくる海外観光客誘致促進協議会が、函館市と韓国・高陽市との姉妹都市提携合意を受けて企画を打診。昨年12月下旬、発行元の出版社の記者とカメラマンの2人が来函し、3泊4日の日程で函館の観光スポットや名物などを取材した。

 記事は1月3日と同10日号の2週にわたって2〜4ページ掲載。函館山からの夜景を「寒さを忘れさせてくれる美しさ」と称賛するほか、SLやクリスマスファンタジー、西部地区など冬の函館にスポットを当て、五稜郭や路面電車、塩ラーメンなども写真付きで紹介している。

 同協議会は2007年度から毎年春にソウル市内で約10万部発行する新聞折り込みにタブロイド判8ページの函館特集を組んでいて、市ブランド推進課は「ソウル便を使った韓国からの誘客により効果的な媒体でPRができた。海外客誘致の地域間競争が激しい中、今後も継続的に情報発信していきたい」としている。(森健太郎)



◎函水産高 高評価…食品の衛生でHACCP審査

 函館水産高校(村松裕史校長、生徒468人)は初めて、食品の衛生管理システム・北海道HACCP(ハサップ)の審査を受け、保健所の評価では最も高い6段階評価となった。主に食品加工場などが受けるもので、道によると教育機関がこの評価を受けるのは極めてまれ。同校は「授業で生徒に伝えてきた衛生・安全管理が高評価を受けた」とし自信を深めている。

 HACCPは、米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理システム。最終製品に対する検査に重点を置いた方法ではなく、原材料の入荷から加工、製品の出荷までの各製造工程ごとに、健康に害を及ぼす可能性がないかをチェックし、食品の安全性を高める。評価段階は高いほど高度な管理とされ、1〜6段階は保健所が評価。これ以上の7、8段階は民間の機関が行っている。

 同校は、生徒に対して教育している衛生や安全の基準を客観的な判断を得る目的で評価を依頼した。このため審査を受けるに当たり特別な対策を取ることなく、通常の状態で臨んだ。

 対象としたのは、通常の授業で製造することが多い「さけ水煮缶詰」。昨年12月8日に同校の食品製造室で実際に製造し、その様子を保健所職員が審査。同15日付で評価証が発行された。

 同校によると、異なる製品を同一のラインで製造するため、一般的な加工会社の工場にはないハンディがあるという。工程では殺菌を「重要管理点」に設定し、温度や時間などを厳重に管理。講評では、作業区域分けや消毒などが特に高い評価を受けた。

 同校水産食品科主任の星沢克幸教諭は「これまでやってきたことがある程度認められた」と喜ぶ。一方で、書類や記録の整理など改善点も指摘されたため「今後も努力し、予算が許せばさらに上の評価を得られるよう挑戦したい」と意気込んでいる。(小泉まや)



◎箱館奉行所で防火訓練

 「第57回文化財防火デー」の26日、函館市の特別史跡・五稜郭内に昨年復元オープンした箱館奉行所(五稜郭町44)で防火訓練が行われた。来館者の避難誘導など火災発生時の初動対応を確認するとともに、貴重な建造物に対する防火意識を高めた。

 文化財防火デーは1949(昭和24)年1月26日、奈良県で法隆寺金堂が炎上し、壁画が焼損したことをきっかけに文化財保護の意識が高まり、55年に制定された。市では毎年、博物館や重要文化財に指定されている建造物で訓練を実施しており、奉行所では初めて行われた。

 訓練は市教委や市消防本部、指定管理者の名美興業職員ら約45人が参加。建物奥の「武器置所」から出火したとの想定で、職員が初期消火や消防への通報、来館者誘導などを分担し、屋外に避難。現場に到着した消防隊が放水を行った。

 訓練終了後、市東消防署の山田芳弘主査が「避難誘導の声出しが良く、いい訓練だった」と講評。同奉行所の西沢勝郎副館長は「建物はすべて木造で、火を出さないことが大切。スタッフに対する消火器の取り扱い指導や、消火設備の点検を毎日欠かさず行っていきたい」と話し、気を引き締めていた。(千葉卓陽)


◎陸上競技場4月9日オープン…北斗市運動公園

 【北斗】市は改修工事を終えた北斗市運動公園(押上1)の陸上競技場を4月9日にオープンする。同競技場を核に実業団や大学などの各種スポーツ合宿誘致を推し進めたい考えで、国内トップ級の選手を招いた陸上教室などの記念事業を実施する。

 同競技場は総工費3億5000万円をかけて、雨天時でも使用できる全天候型のトラックに改修し、昨年12月に工事を終えた。日本陸連からは第4種公認陸上競技場の認定を受けている。

 オープン記念として来場するのは、福島千里選手(北海道ハイテクAC)、寺田明日香選手(同)、福士加代子選手(ワコール)の3選手。同日開催の道南陸協主催の記録会参加者を対象に、陸上教室を予定する。市教委は「トップクラスの選手と接することで、道南の選手たちの刺激になってほしい」とする。

 また、同競技場を起点に、スポーツセンター(本郷)までのハーフマラソンコースを定めたほか、競技場から八郎沼公園を回る23・9キロ、上磯ダム方面の15・3キロなど、自然の中を走る起伏に富んだコースをセールスポイントとして、合宿誘致につなげたい考え。市内の宿泊施設利用団体に宿泊費を助成する内容を盛り込んだ条例制定案も準備中だ。市教委は「合宿誘致により、市の各産業や観光の発展につながるよう積極的に進めていきたい」としている。(今井正一)


◎厚沢部町鶉 1月の積雪深108センチで過去最高

 【厚沢部】気象庁の観測によると、厚沢部町鶉では24日現在の積雪深が108センチ(速報値)に達し、1月の積雪深としては、1986年1月26日の102センチを上回り、過去最高となった。26日現在の積雪深は、平年より65%多い91センチ。平年の2倍に迫る大雪に見舞われた住民は、連日の除雪で疲労の度を深めている。

 桧山南部は、25、26日は連日の大雪が一休みの状態。有数の豪雪地帯で知られる厚沢部町鶉周辺は、気温の上昇で積雪深は低下したが、民家や道路脇の雪とともに、暖気で緩んだ大量の雪が屋根から落ち始め、住民は久しぶりの好天にもかかわらず除雪に追われた。国道227号沿いに住む60代男性は、息を切らしながら「新潟のような雪。毎日の除雪で体力も限界だ。もう勘弁してほしいね」と語る。

 町内では、大雪がもたらす農業への影響も懸念され始めた。ある農家は「雪解けが遅れれば農作業を始める時期も遅れる。土が乾燥しなければトラクターも入れない」と心配顔だ。町は、農村地帯を含む、町道の除排雪を急ピッチで進めているが、約5000万円の除雪予算が、底をつく寸前。補正予算で増額を検討している。町は「広い町内では1日の除雪で100万円程度の出費になる。いつまで大雪が続くのか」と気をもむ。

 路肩に残された大きな雪山が、歩行者やドライバーの視界を遮る場所も多く、江差署は「道路幅も狭くなり、交通事故の発生が懸念される。昼間に気温が上がり、道路の雪が解けると、夜間には凍結によるスリップ事故の恐れもある。スピードダウンと車間距離を確保した運転が必要」とする。また、道路に面した建物では、暖気に伴う落雪事故の恐れもあるため注意を呼び掛けている。(松浦 純)


◎道南釣り情報

 三浦克己さんが19日、函館市恵山御崎沖で2・2キロを頭にサクラマス14匹を釣った。

 今季2度目となるサクラマス狙い。前回(12日)は釣況が悪く、一人平均1〜3匹という釣果だったが、今回は一転して好釣果に恵まれた、サクラマス狙いのバケ釣りを満喫した。

 仲間と4人で午前6時過ぎに御崎漁港を出発し、水深55メートルのポイントでサクラマス狙いのバケ釣りを開始したが、早朝の時間帯は潮が速すぎて不調。釣況が上向いたのは、潮が落ち着いてきた同8時ごろから同10時過ぎまでの間。6本針の仕掛けに2〜3匹のサクラマスが掛ったり、2〜3人同時ヒットもあって船上はにぎやかに。タナは底から5〜10メートルくらいで安定していて。口の硬い部分に針掛りしている状況が多く、サクラマスの活性は高かった。

 その後の時間帯は不調で、散発的にヒットするのみで昼に帰港した。三浦さんは自作の毛針仕掛けが好調で2・2キロを頭に14匹の釣果。仲間の3人は14匹、8匹、6匹で船中4人での釣果は42匹と大漁だった。

 今季は例年に比べて釣れているサクラマスの平均サイズが良く、1〜2キロ越えの良型サイズが中心で、1キロ以下の小型は少ない様子。いよいよ同海域のサクラマスは本格化のようだ。