2011年1月5日 (水) 掲載

◎ジャンボ絵馬に願い込め…函館駅

 JR函館駅コンコースに4日、毎年恒例の「ジャンボ絵馬」が登場した。午前10時半の設置と同時に受験生らが次々と合格祈願の書き込みを行っていた。

 ジャンボ絵馬は受験生を応援する目的で1982年から毎年設置され、今年で30回目。高さ1・2メートル、幅2・4メートルの中心には同駅職員がデザインした北海道新幹線を運転する今年の干支の兎(うさぎ)がダイナミックに描かれている。

 この日一番に合格祈願の書き込みを行ったのは、函館市内の祖母の家に遊びに来た、札幌市在住の伊賀涼太君(15)。来月14日に、札幌市内の道立高校の推薦受験を控えている伊賀君は「おじいちゃんからジャンボ絵馬の話を聞いていたので、函館に来たら絶対書き込もうと思っていた。ラストスパートに向けて気持ちが落ち着いた。絶対合格します」と力強く宣言していた。

 同駅の小笠原努副駅長によると、昨年は約5400人の書き込みがあり、絵馬を13回入れ替えたという。「合格したことを直接報告に来る子どもたちもいる。その時はとてもうれしい」と話していた。

 絵馬は2月7日午前10時まで設置され、同日11時に函館八幡宮に奉納される。(小川俊之)



◎初詣客 大幅増…正月三が日

 2011年の元日は、昨年と打って変って穏やかな天候に恵まれ、神社や主要観光地は多くの人出でにぎわった。三が日も、市民や観光客の足を誘うようなさわやかな天気が続き、正月休みを満喫する人たちの姿が目立った。

 ○神社 道警函館方面本部のまとめによると、道南地域で三が日の初詣客が最も多かったのは函館八幡宮(函館市谷地頭町2)で4万5000人(前年比1万3000人増)、次いで亀田八幡宮(同市八幡町2)が4万人(同1万3500人増)と大幅に参拝者の数を伸ばした。1日午前零時から同3時までのピーク時には、両宮ともに3000人以上の市民らが家内安全などを祈念しに訪れた。道南の主要12カ所の初詣客の合計は12万2000人で、前年比約38%増だった。

 ○観光施設 函館山ロープウェイ(同市元町19)の三が日の利用者は、1万718人で、今年で4回目となるカウントダウンイベントなどを楽しんだ。五稜郭タワー(同市五稜郭町43)の展望台利用者は1日が2284人(同846人増)で、恒例の初日の出鑑賞会の時間帯には、市民ら300人以上を含む516人が、ご来光を拝んだ。2、3日は合わせて2657人(同411人増)が足を運ぶなど、3日間合計で前年比約34%増となった。同社では「鑑賞会が多くの人に定着し、天候にも恵まれたことが来場者増加につながったのでは」と分析する。

 ○スポーツ施設 年末から無休で営業している、函館七飯スノーパーク(七飯町大沼)では、利用者が3500人(同423人増)と多くのスキーヤーらが、新年の初滑りに興じた。2日から今年の営業をスタートさせた函館市民スケート場(同市金堀町10)は、子どもたちに文房具などのお年玉プレゼントをする初日イベントに1062人が来場。翌日も1000人近くの家族連れらが訪れ、合わせて前年比545人の増加となった。同スケート場では「天気の良い日が続いたので、家族でスケートを楽しむ姿が目立った」と話している。(小杉貴洋)

 



◎函館市の純資産1979億円…09年財政状況

 函館市はこのほど、2009年度の財務書類をまとめた。市の財務状況をまとめた報告書で、普通会計ベースでの純資産を1979億4700万円(市民一人あたり約70万円=今年3月末現在)と試算、前年度から2億円上回っている。

 06年に総務省が示した指針を受け、昨年に続きまとめたもので、公会計に企業会計の考え方を導入。普通会計ベースで市の保有財産と、それをどのような財源で賄ったかを示す「賃借対照表(バランスシート)」、資産形成に結び付かない行政サービスにかかる経費と、直接対価として得られた財源とを対比させた「行政コスト計算書」に加え、純資産の対前年度との変動を示す「純資産変動計算書」、それに年度当初と年度末の資金増減を示す「資金収支計算書」を作成した。

 普通会計ベースで基金や出資金などの金融資産、土地・建物など有形固定資産を含む市の資産は3842億1500万円(同136万円)。地方債や退職手当引当金などの負債額は1862億6800万円で、約83%を地方債が占める。資産のうち、市民の持ち分割合を示す純資産比率は51・5%で、前年度と同率となっている。

 これに企業会計や一部事務組合、広域連合、第3セクターなどを加えた連結ベースでの総資産は6281億5800万円(同222万円)、純資産は3010億8400万円(同106万円)。市財政課は純資産の増加について「地方債を確実に償還しており、悪い方向には向かっていない」とする。

 行政コストは1098億500万円で、前年度から74億円(7・2%)増加。社会保障給付などの「移転支出コスト」が全体の54%を占めており、「生活保護費や定額給付金の支給が増加の主な要因」(同課)としている。(千葉卓陽)


◎昨年の気温 「かなり高め」…函館海洋気象台まとめ

 函館海洋気象台は4日までに、2010年の1年間と同年12月の管内(渡島、桧山)の気象状況をまとめた。

 内全体の年間の概況については、気温が平年より高く、日照時間は平年よりも少なめの地域が多かった。1月は低気圧の影響で降雪量が多く、春先の3月、4月の気温は平年よりも低めに推移。6月以降、気温が上昇し、8月から9月にかけては各地で真夏日が続くなど記録的な暑さに見舞われた。10月以降の気温も平年を上回る地域が目立った。

 函館の年間平均気温は平年を1・1度上回る9・9度で、平年との比較で示す階級区分は「かなり高い」となった。特に6月から9月にかけては25度以上の夏日を75日、8、9月には30度以上の真夏日を13日観測。年間の真夏日の日数は1984年と並び最多タイだった。また、9月に真夏日が観測されたのは38(昭和13)年以来72年ぶりだった。

 一方、年間降水量は1189ミリで、平年並み(平年1160・3ミリ)、年間日照時間は1613・4時間で、平年(1782時間)で、かなり少なかった。

 このほかの地域では、江差や北斗、木古内でも年間の平均気温が平年より「かなり高い」となった。降水量では、七飯町大沼や福島町千軒、江差が平年より「かなり多い」を示した。日照時間は松前と八雲町八雲で「平年並み」だったが、ほかの地域は「少ない」「かなり少ない」だった。

 10年12月の函館は、最高気温が0度を下回る真冬日が4日間あったが、平均気温が1・5度と平年の氷点下0・1度よりもかなり高かった。雨や雪の降る日が多く、降水量が平年の79・6ミリよりも多い110ミリ、日照時間が69・1時間と平年の93時間よりもかなり少なかった。このほかの地域では、七飯町大沼の降水量が平年(83・5ミリ)を大きく上回る185ミリを記録した。(鈴木 潤)