2011年1月7日 (金) 掲載

◎青々と成長 甘い香りの「一番ニラ」/知内で収穫始まる

 【知内】全道一の生産量を誇る町特産のニラの収穫が始まった。ビニールハウスの中は甘い香りが広がり、生産者らは青々と育った「一番ニラ」を次々と刈り取っていった。

 知内町のニラは「北の華」のブランド名で知られ、甘みがあり、葉の幅が広く肉厚なのが特長。味の良さと徹底した品質管理で国内有数のブランドに成長。昨年は販売額が念願の10億円を初めて突破した。

 知内町ニラ生産組合(石本顕生組合長、74戸)では4日から一番ニラの収穫を開始。6日までに7戸が収穫から出荷までを行っている。

 町上雷の宮下進也さん(35)のハウスでは6日が今年初めての収穫と出荷となった。宮下さんら家族5人で午前7時すぎから作業を開始。室温が5度に保たれたハウスの中で、約50aまで成長したニラを根元から丁寧に刈っていった。

 この日は約90キロを収穫。午後に農協に出荷した後、函館と札幌の市場に送られ、競りに掛けられる。収穫が本格化する来月中旬からパート従業員を雇い、作業にあたる。最盛期の3―4月には1日の収穫量が900キロにもなるという。宮下さんは「平年並みの出来だが、幅が広いニラができた。3月ごろから忙しくなる」と話している。 (松宮一郎)



◎西尾市長が再選出馬表明

 函館市長の西尾正範氏(62)は6日、市内のホテルで記者会見し、任期満了に伴う4月の市長選への立候補を正式に表明した。西尾氏は「厳しい時代を乗り切り、元気な函館をつくるためにまだやらなければならないことがある。市民が力を合わせて前進する旗振り役を担いたい」と述べ、教育や人材育成、産業振興などを2期目の重点政策に掲げた。

 市長選には前函館市副市長の工藤寿樹氏(61)が既に出馬を表明している。2007年の前回に続き、現職と市役所ナンバー2による事実上の一騎打ちになる公算が大きい。

 西尾氏は「教育立市・人材育成都市の実現」「地域産業の振興と雇用環境の向上」の2つを重点目標に掲げた上で、政策の柱として@市民の安心・幸せづくりA地域の活力・元気づくりB次代を担う人づくり―を挙げ、1月中にもマニフェスト(政権公約)に基づく具体的な政策を公表する考えを示した。

 西尾氏は福祉政策について「未来に投資するという考え方で、安心で優しいまちを目指したい」と強調。1期目の成果に知恵の予算など学校教育の充実を挙げ「今後は地域全体で子どもたちを育てていく社会をつくりたい」とし、ボランティアによる町会館などでの「寺子屋」の展開や、旧北高跡地を「芸術・文化・スポーツの拠点」として整備する意向も示した。存廃に揺れる戸井高については「必ず存続したい」と述べた。

 公立はこだて未来大への医学部設置構想について「地方都市らしい地域連携による医学部を目指したい」と前向きな姿勢。景観政策として空き地・空き家の活用に向け、市や市民が出資する「市民ファンド」の設立、人材育成では食や建設関連の職人を育てる「はこだてものづくり大学」の開設も新たに打ち出した。

 西尾氏は旧大野町(現北斗市)出身。函館ラ・サール高、京大文学部を卒業後、旧亀田市役所(現函館市役所)入り。企画部長や助役を歴任し、2006年に井上博司市長の市政運営を批判して辞任。07年の市長選で井上氏を破り、初当選した。(森健太郎)



◎函館でも中学受験本格化

 中学受験シーズンが本格化している。6日は、道教育大学附属函館中学校(相田幸男校長)が入学試験を実施。函館市内や近郊から190人の小学6年生が受けた。

函館市内の中学校で入試を行うのは同校と、私立では遺愛学院、函館白百合学園、函館ラ・サール。早い学校では昨年の12月中旬に前期日程を終え、後期日程は1月下旬から2月上旬に予定している。

附属函館中学校は一般入試のみ行っており、今回の受験生は前年度より4人少なかった。同附属函館小学校からの74人は全員が合格するため、外部からの受験生(116人)の倍率は例年並みの約2倍となった。

同校には朝早くから、保護者の車で送られた受験生が続々と到着。試験は国語と社会、理科、数学の4科目で25分ずつ、作文試験は「大切にしたい文化や伝統」のテーマで行い、午後からは個人面接を実施した。科目試験前に児童は、緊張した面持ちで最後まで問題集などを確認していた。

試験結果は7日午後4時に同校正面玄関前で発表される。(小泉まや)


◎道南各自治体で仕事始め

 道南の多くの自治体では6日、仕事始めとなった。職員らは年始のあいさつを交わすとともに、首長からの訓示を受け、新たな1年へ業務を開始した。

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 函館市役所では午前10時から8階大会議室で、西尾正範市長が管理職約300人にあいさつした。

 西尾市長は今年の話題として韓国高陽(コヤン)市との姉妹都市締結、秋にオープンする縄文文化交流センターなどを挙げ、「函館の街を支える同志としてみなさんの力を借りながら市民に喜ばれるまちづくりをしていきたい」と述べた。

 また、4年間の市政を振り返り、「函館国際水産・海洋都市構想の進展、未来大への医学部設置についての懇話会の実施まで前進した」とし、「人口の減少、市民の高齢化が進んでいるが、市民の安心・安全、地域の活力づくりと、次代を担う人材育成の3つを念頭に職務に励んでほしい」と訓示した。(黒田 寛)

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 【北斗】北斗市役所では午前8時45分から、高谷寿峰市長が大会議室に整列した職員約100人を前に訓示した。

 高谷市長は今年の課題として、公約の着実な推進、スポーツ合宿誘致の促進、北海道新幹線開業を見据えた企業誘致、観光開発などを挙げた。この中で、並行在来線問題に触れ、「新幹線開業の恩恵がある中で、並行在来線廃止という犠牲があってはならない。鉄路維持に情熱を掲げる1年にしたい」と述べた。

 地域主権社会を見据え、職員に対し、資質向上に努めてほしいとした上で、「自分の仕事の分野では市の代表者であり、責任者であるという気構えと意気込みを持って取り組んでほしい。多くの市民が臨むのは何でも知っているマルチ職員。他の係の仕事にも興味を持って、職員同士の交流を図る1年にしてほしい」と、職員を激励した。(今井正一)