2011年2月10日 (木) 掲載

◎佐々木さん最優秀賞 林野火災予防・ポスターコン

 本年度の林野火災予防・ポスターコンクール(道主催)で、函館本通小学校(小松一保校長、児童359人)6年、佐々木佑衣さん(11)の作品が、最優秀賞に輝いた。原画は啓発ポスターとポケットティッシュの表紙に使われ、3月にも各地で配られる。佐々木さんは「まさかの受賞でうれしい。林野火災予防に少しでも力になれれば」と話している。

 コンクールは道内の児童を対象に、標語部門とともに毎年実施。本年度は、ポスターに1034点(渡島47点)、標語には1025点(同31点)の応募があった。

 佐々木さんの作品は、火災で涙を見せる野山を救い出すために、森の動物たちが水バケツを持ち寄って火消しに協力している。クマやタヌキ、ネズミ、ウサギの親子で、「火事の恐ろしさと、自然の仲間たちが互いを思いやる優しさを描きたかった」と佐々木さん。

 絵を描くのが大好きだ。また、自然保護を願う気持ちも強い—。昨年の夏休み前に、この作品募集を知り、自主的に応募を決めたという。

 8日に同校で表彰状伝達式が行われ、渡島総合振興局の須田一林務課長が「佐々木さんの作品が道内で一番になりました。北海道全体で活用されます」。小松校長も「佐々木さんの頑張りが、みんなの励みになる」と喜んだ。

 佐々木さんは「絵がますます好きになった。中学生になったら美術部に入り、将来はイラストレーターになりたい」と声を弾ませていた。

 渡島からは、函館八幡小5年の菊池真央さんの作品も優秀賞に選ばれた。(田中陽介)



◎一般会計210億512万円 北斗市新年度予算案

 【北斗】北斗市は9日、2011年度の予算案を発表した。一般会計総額は10年度当初予算と比較し、4・1%増の210億512万円となった。高谷寿峰市長は北海道新幹線開業に向けた準備などの重点課題を挙げ、各関連事業に予算を計上。本年度末で廃止される老人保健医療事業特別会計を除く6特別会計と水道事業会計を合わせた各会計総額は同4・1%増の340億8760万円となった。3月1日に開会予定の第1回定例市議会に提案する。

 一般会計の主な歳入は、民間企業による固定資産税の増収などで市税は同0・4%増の46億620万円を見込んだ。地方交付税は同4・2%増の59億9170万円。国庫支出金は子ども手当の増額などで同7・0%増の39億6798万円。

 市債は発行額を抑え、同13・0%減の16億6040万円。特定目的基金を活用した繰入金は約3・5倍の9億4483万円を計上し、新幹線施設整備などに充てる。

 歳出では、扶助費や医療費助成が含まれる民生費が全体の35・3%を占め、同8・4%増の74億1905万円。土木費は41億1130万円、公債費(市債の返済)は23億6803万円を計上。職員給与費は同4・5%減の19億7559万円となった。

 主な建設事業として、新幹線新駅周辺整備事業費は約4億1400万円増の7億2937万円で、駅前駐車場の用地買収などに充てる。新幹線関連では、駅部建設費負担金4666万円、街路整備事業費2億7860万円などを計上した。浜分中学校改築建設事業費は5億8730万円で、文教施設整備基金を繰り入れて事業を継続し、新年度中の完成を目指す。

 市長の公約で、昨年10月から実施している高校生以下の子ども医療費助成には2億8965万円。学校給食費の軽減措置として、第2子を半額、第3子以降を全額助成するため、2470万円を見込んだ。

 また、新年度から3歳児未満の子ども手当が月額1万3000円から2万円に増額されるのを見込み、支給費として11億2172万円を計上した。高谷市長は「民主党が地方負担をさせないとしたマニフェストに違反しているのは明らか。不満はあるが、手当支給への影響が懸念されるため」とした。

 今回の予算について、高谷市長は「新幹線開業準備、並行在来線問題などの目標を実行するための予算。地方財政計画において、交付税が削減されず、一般財源がある程度確保できたことが大きい」と述べた。(今井正一)



◎函館−札幌 片道4200円で 来月17日から北海道バス参入

 貸切バス事業の北海道バス(札幌、西村信義社長)は3月17日、函館—札幌間の都市間バス輸送に参入する。停留所を可能な限り少なく、現在運行するバス会社よりも安い運賃設定とし客の心をつかむ戦略。毎日6往復を運行する。

 同社は大阪バス(東大阪)のグループ会社。これまで札幌を中心に事業展開してきたが、函館—札幌間のバス輸送の現状から需要を見込んだ。

 停留所は、函館側はJR函館駅前と湯の川温泉、札幌側は大通バスセンターとJR札幌駅前の計4カ所。“直行便”とすることで片道の所要時間は約5時間20分となる。始発は函館が午前7時台、札幌は同8時台、終発は函館、札幌ともに午後11時台を予定している。

 片道の運賃は大人4200円(往復利用で3700円)、小学生以下はこれらの半額に設定する。現在同路線を1日8往復運行する北都交通、道南バス、中央バスの3社は大人4680円(同3865円)で若干安い。

 価格設定の理由について同社は、トイレなど最低限の機能は備えるが、シートが4列など「サービス面で劣る分を反映させた」とする。1台当たりの定員は40人。

 3月の運行開始を前に、同社は新たに大型バス6台を取得し、社員15人を採用する。函館に営業所は置かない方針だが、グループ会社の東日本バス(函館市上湯川町)に貸す同社施設を社員の休憩室などに活用する。

 予約の受け付けは17日から。同日開設するホームページや電話で対応する。(小泉まや)


◎外国人観光客への対応スムーズに

 函館市内のデパート2店は2月、タブレット型多機能端末を活用した外国人観光客向けの接客サービス実験をスタートした。棒二森屋(若松町)と丸井今井函館店(本町)で、音声付きのコミュニケーションツール「指さし会話」を活用し、よりスムーズな対応が可能となった。

 日本百貨店協会(東京)が実施主体となり、加盟する全国37の百貨店で3日にスタートした。各店には平均2台の端末を配置。5月15日までの間に店頭で使用し、効果や使い勝手などのデータを今後に役立てる。ソフトは中国語、台湾語、韓国語、英語に対応。タッチパネルの簡単な操作で「○○を買いたい」などの希望や、買い物時に必要な事柄を伝えることができる。

 棒二森屋は同店1階と、7階の免税手続きを行うカウンター、函館空港内の売店などに4台を配置。これまでは身振りや筆談で行っていた意思疎通が、タッチパネルを介した指さしなどで時間が短縮された。同店は「海外からの観光客への対応が早まるばかりでなく、日本人客を待たせる時間も短縮できる」とし、今後も試行錯誤の中で活用の可能性を広げる考えだ。同店に配置されたうち2台は、実験終了後も引き続き使用する。(小泉まや)