2011年2月12日 (土) 掲載

◎温かなハートの明かり キャンドルバレンタイン

 函館市西部地区の観光地、金森赤レンガ倉庫周辺を約500個のアイスキャンドルで彩る「キャンドルバレンタイン」(金森赤レンガ倉庫、金森赤煉瓦会主催)が11日、BAYはこだて広場(豊川町)周辺で始まった。同広場では約20個のキャンドルを並べて作られたハートの形などに、市民らが見入っていた。

 冬のイベントとして約15年間続けている。キャンドルは同倉庫らのスタッフが手作りで用意。この日の午後からレンガ造りの建物前や運河のそばに並べた。午後5時半に点灯し、異国情緒を感じるレンガのようなオレンジ色の淡い明かりが周辺を包んだ。

 この日は3連休の初日で、中国では春節祭の期間でもあることから、外国人を含む大勢の観光客が訪れ、盛んに記念写真を楽しんでいた。千葉から訪れた会社員松岡功さん(51)は「都会のイルミネーションにはない温かさを感じる。とてもいい雰囲気」と話していた。

 このほか同広場には、2年ぶりに大沼湖から切り出した氷で作った滑り台も設けられている。同イベントは12日まで。 (山崎純一)



◎8月に室内音楽アカデミー 函館短大などで

 クラシックの一流演奏家を招き、一定期間公開レッスンなどを行うミュージック・キャンプ「室内楽アカデミー(仮称)」が8月14日から9日間、函館短期大学(高丘町52)などで開かれる。最終日には大規模なコンサートも開催。現在、函館の音楽家ら約30人でつくる実行委員会(岡田照幸委員長)が事業計画を進めており、3月からレッスンの受講生を募る予定。ピアニストの岡田さん(56)は「人材育成に加え、音楽都市≠ニしての魅力も打ち出せるようになれば」と意気込んでいる。

 同アカデミーは「音楽教育による函館の街づくり」をテーマに、音楽文化の発展や観光都市としての機運も高める目的。受講生は1〜6日間、函館に滞在してレッスンを受けることができる。青森県鯵ケ沢町で十数年間、同様のアカデミーを続けてきた岡田さんが「新年度から函館で新たな形で実施したい」と昨年12月から準備してきた。

 レッスンはピアノの練習室が充実する同短大を会場に14日から。ピアノ、バイオリン、チェロ、チェンバロ、ピアノ三重奏を学ぶ小学生から一般まで約100人が対象で、市民も自由に聴講できる。講師はパリ国立高等音楽院ピアノ科准教授の上田晴子さんを筆頭に、東京芸大音楽学部長の植田克己さん、昭和音大准教授の川染雅嗣さんら8人。函館のチェンバロ奏者森洋子さんも講師を務める。

 22日のコンサートは市芸術ホールが会場。この8人に加え、伊藤亜希子さんや高実希子さん、岡田奏さんといった函館出身のピアノ奏者も出演する予定。

 道内では、札幌を主会場に多くの団体・企業が支援するオーケストラ中心の国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」がある。同実行委では、そうした運営手法の実現を目指しながら、短期間でより教育的効果が望める体制を整えるほか、レッスンの対象に管楽器も取り入れたい考えだ。

 同実行委は今月中にも第一回会合を開き、受講料など事業計画を具体化する。岡田さんは「今年を皮切りに、最低10年間は毎年実施したい。クラシック音楽が日常生活とともにあることを広く認知してもらう機会にもなるのでは」と話している。

 今後ホームページも立ち上げ、3カ月間、国内外から広く受講生を募る。(長内 健)



◎お姫様に変身! 旧イギリス領事館で体験会

 函館市旧イギリス領事館(元町)で11日、女児を対象にした「メイクとドレスで“姫チェン”体験!」が開かれた。来館した56人が、約40着の中から好みのドレスを選んで着替え、レトロな雰囲気の館内でお姫様気分の写真撮影を楽しんだ。

 同館と函館理容美容専門学校(中島町)の共催で初開催した。2〜10歳の女児を対象とし、クラシックや現代風など多彩な色やデザインのドレスを用意。同専門学校の学生9人がボランティアでヘアメークやメークを施した。学生は「こうしたらかわいいよ」などと声をかけながら、丁寧にそれぞれに合ったヘアスタイルを作っていった。

 変身後は保護者とともに、歴史を感じる調度品の中で写真撮影を楽しんだ。帰省で訪れたさいたま市の柳川あかりさん(小学1年)は、ヘアメークで変わっていく自分の姿に視線が釘付けに。「三つ編みの髪型が気に入りました。赤いドレスを選んでよかった」と喜び、お姫様の気分を堪能していた。

 同館ではこのほか、子ども向けのイベントとして3月12日午前10時から、ブロックや輪投げなどで遊ぶ縁日コーナーを開設。当日券300円で楽しめる。       (小泉まや)


◎函館市嘱託職員14.1倍 狭き門

 函館市が行った2011年度採用の嘱託職員の募集が8日で締め切られ、38人の採用予定に対する志願者は535人となった。10年度の663人を下回ったものの、採用数が減少したことから倍率は14.1倍で、昨年とほぼ同水準の「狭き門」となっている。嘱託職員は勤務成績によっては最長15年間勤められるため、長引く不況の中で依然として高い人気を保っていることがうかがえる。

 新年度採用は本庁舎の事務や証明書の交付、児童館館長など18業務で公募した。業務別の採用予定人数はおおむね1―2人と少なく、最高でも5人。

 ことし志願者が最も多かったのは小中学校での事務業務で、5人の募集に対し149人(男性55人、女性94人)となり、倍率は29.8倍。最も高倍率となったのは証明書の交付業務で、採用3人に対し118人(男性37人、女性81人)が応募し、39.3倍となった。業務によっては応募にばらつきがあり、老人保健センターの保健師や精神保健福祉事務業務はいずれも、採用1人に対し、応募が1人だけだった。

 嘱託職員の勤務時間は正職員の4分の3(週29時間)。月額報酬は事務作業で18万7200円。保健師など資格が必要な業務は高額になり、最高額は23万6600円。1年契約で、勤務成績などを考慮し最長14回更新できる。過去最高倍率は01年の23倍で、市人事課によると過去3年間の平均倍率は08年7.1倍、09年16.2倍、09年14.4倍と高水準が続いている。1次試験は20日に市立函館高校(柳町11)で行う。    (千葉卓陽)


◎初の乳がん啓発活動 チームピンク HIFの催しに参加

 乳がんの予防や検診について啓発する市民グループ「ピンクリボンin函館実行委員会『Team PINK!(チーム・ピンク)』」は、20日に北海道国際交流センター(HIF、函館市元町14)で開催するイベント「ウインター・カーニバル」で、発足後初となる啓発活動を行う。実行委の川村佳子委員長は「啓発を通して1人でも多くの人ががん検診を受診するきっかけになれば」と話している。

 同実行委は、乳がんの世界的な啓発シンボル「ピンクリボン」の運動の趣旨に賛同した活動を函館市内でも展開しようと、昨年12月に発足した。発起人の川村さんら6人で実行委をつくり、活動の準備を進めてきた。

 ウインター・カーニバルは国際交流や若者サポート、農業などさまざまなグループや団体が参加し、物販や催しなどを行うイベント。同実行委は参加団体の一員として乳がんにかかわる啓発用のリーフレットを配るほか、協賛企業の商品やオリジナルの啓発グッズを販売する。

 グッズは「ピンクリボン」のマークが付いたステッカー(1枚1000円)や携帯シール(4枚セット300円)、かわいらしいクマの小物が付いたストラップ(500円)、シャンプー・トリートメントのセット(4935円)の4品。川村委員長は「身近な物、日常で使う物をグッズにした。啓発の象徴であるピンクリボンをより身近に感じてほしい」と話す。

 イベントは同日午前11時にスタート。異文化体験やエコ体験のコーナーが開設され、フリーマーケットなどもある。イベントにかかわる問い合わせはHIF電話0138-22-0770。(鈴木 潤)