2011年2月16日 (水) 掲載

◎函館出身、福島和可菜さんが歌手デビュー 広瀬香美さんプロデュース

 函館出身で、元陸上自衛官という経歴を持つタレント福島和可菜さん(28)が15日、函館新聞社を訪れ、1月19日に発売したファーストミニアルバム「Smileちょい足し、元気ちょい足し」や自身の活動をPRし、今後の活動への意欲を語った。

 福島さんは函館工業高校出身。陸上自衛隊旭川駐屯地に入隊し、2005年にタレントとしてデビュー。現在は食品会社のCMに出演中のほか、テレビではバラエティー、情報、旅などの番組などで大活躍している。27日に開かれる東京マラソンでは、持ち前の体力を生かして走り、レポーターを務めるという。「デビュー当時は仕事をできるか不安だった。今は多く頂いているが、まだスタートラインに立ったほど。これからもテレビなどにたくさん出演し、その中で函館をPRしていきたい」と話す。

 アルバム収録曲の「Surpriseちょい足し」「Morning Girl」は大ファンという広瀬香美さんのプロデュース。ラジオ番組出演で縁ができ、福島さんが曲の依頼をして実現。ともにポップス調で冬シーズンに会っており、聴いた人に元気を与えてくれる曲だ。その曲を掲げ、本道で初の仕事となる「旭川冬まつり」(8〜13日)に出演。「以前は自分も作っていた雪像で歌った時、不思議な感覚だったが、一層、頑張らなければならないと思った」と振り返る。

 函館での本格的な仕事は未定だが「函館の良さを広めたい。出身地の皆さんの応援をお願いします」と目を輝かせていた。(山崎純一)



◎函館—赤川IC 2014年度開通へ 外環状道路 

 函館新道の函館インターチェンジ(IC)と函館空港を結ぶ函館新外環状道路(空港道路)の函館IC—赤川IC(仮称)間(2・4キロ)が、2014年度に供用を開始する見通しとなった。新外環の開通時期が示されたのは今回が初めて。一方、残りの区間は16年度以降の完成見通しとなり、北海道新幹線開業に合わせて15年度までの全線開通を目指してきた函館市にとっては複雑な結果となった。

 道開発局が道などに示した国直轄工事の事業計画に明記した。新外環は市内桔梗町—古川町までの全長約10キロ。01年度に事業化が決定し、07年度から本格的に着工した。道道函館上磯線(産業道路)の慢性的な渋滞緩和のほか、新幹線の新駅と空港、函館・江差自動車道を結ぶ利便性向上が期待される。

 道開発局は従来3年先までの事業計画を示してきたが、今回は公共工事の透明性を示そうと、初めて新年度から5年間の計画を明らかにした。計画では函館IC—赤川IC(赤川町)間が14年度に開通予定と示され、新年度の事業費は「10〜36億円」とされた。

 一方、残りの赤川IC—空港ICまでの7・6キロは、開通予定が「16年以降」と示され、これまで整備促進期成会などが要望してきた道新幹線が開業する15年度までの全線開通は困難な情勢になった。開通が近い区間に優先配分する国の「選択と集中」の方針が表れた形だ。

 市土木部によると、新外環の全体の事業進捗(しんちょく)率は9%。現在は用地買収を進めている段階で、部分開通する函館IC—赤川IC間では用地の取得率が8割を超えたという。新年度からは工事も本格化する見通し。

 市新外環状道路整備推進室は「開通時期に一定のめどが立ったのは喜ばしいが、部分的な開通では、高速交通網による地域振興や渋滞緩和など根本的な問題解決にはならない」と複雑な表情。今後は「地域住民を抱き込んで早期開通への機運を高めたい」とし、期成会の要望活動を強化する方針。

 事業計画ではこのほか、国道278号のバイパスとなる尾札部道路の市内安浦町—豊崎町間(5・9キロ)が新年度に開通する見通しも示された。同区間には今秋に縄文文化交流センター(臼尻町)がオープン予定で、市は現在の終点に当たる安浦町から同センターまでの暫定供用の前倒しに向けて協議を進めている。(森健太郎)



◎生活保護費負担金 全国で800億円不足 函館は4億5千万

 生活保護費のうち国が4分の3を負担する「保護費負担金」が、2010年度の予算額より約800億円不足することが分かった。厚生労働省はこの不足分を11年度に繰り越して支払うこととし、全国の自治体で一律3%が本年度内に支給されないことになった。不足額は道(町村分)が28億3500万円、札幌市で21億3000万円、函館市は4億5000万円に上る。

 生活保護費は4分の3を国が、残りを自治体が負担している。国は当初予算で2兆2006億円を見込んだが、昨年11月に2211億円を増額補正し総額を2兆4217億円とした。各自治体からの必要見込み額の申請を受け、大きな不足が生じることが判明した。

 不足について厚労省は「想定以上に保護を受ける人が多くなった」と保護者の急激な増加を指摘。不足分の支給を次年度に繰り越すのは過去にも例があるが、これほどの額は「最近はない」という。各自治体の本年度の保護費負担金予定額は、道(町村分)は793億円、函館市は156億円、北斗市は13億円。この3%の支給が次年度となる。

 国が事態を各自治体に知らせたのは1月末。知らせに対し道は「国の負担はルールなので驚いた。今後あっては困る」と困惑する。保護者に対しては「予算はきちんと確保しているので迷惑はかからない」ことを強調。不足額は資金繰りの中で吸収するが、今後国に対してはより確かな予算組みを望む。

 函館市も「これほどの金額が年度内に来ないのは初めて」と戸惑いを隠せない。不足分は事務経費の不要額などで補てんできる見通しだが、「金額的にかなり厳しい」。

 一方で約3800万円が次年度持ち越しとなった北斗市は、「当初予算より数千万円の不要額が発生したので、現在のところ財政的な負担はそれほど大きくない」と話す。(小泉まや)


◎天国の会長へ音色届け キングベークであす手回しオルガン演奏会

 函館市亀田本町7のパン屋「キングベーク」で17日、手まわしオルガンのコンサートが行われる。今年1月30日に94歳で亡くなった石館とみ会長が誰より心待ちにしていた演奏会。同店スタッフらも、やっと響かせることができるオルガンの音色に心を弾ませ、準備を進めている。

 2008年に店舗改装のため、敷地内にあった大きなクリの木を伐採。同店の工場や寮を長年見守ってきた木を、新たな形で生まれ変わらせたいと作ったのが同オルガンだ。石館会長が音楽好きだったこともあり、函館市在住の手回しオルガン職人、谷目基さんに制作を依頼した。

 オルガンは10年2月、同店のイートインコーナーに搬入。その後も改良などを重ねて同年の夏に現在の形になった。かわいらしいパン職人の人形が施されたオルガンは、約1年間客の目を楽しませてきたが、演奏を行うのは今回が初めて。

 初演となる同コンサートでは「大きな古時計」「G線上のアリア」「千の風になって」など、約1時間半のプログラムを組む。澄んだオルガンの音色を聴きながらゆっくり食事をしてほしいと、チケットにはスープ、サラダ、ケーキサクレ、デザート、ドリンクなどが付く。

 同店スタッフの上出勢子さんは「一緒に手回しオルガンの音色を楽しみまょう。店を愛し、コンサートを心待ちにしていた会長も、きっと聴いてくれているはず」と話している。

 開演は午後5時半から、チケットは800円。問い合わせはキングベークTEL0138・45・0963。(堀内法子)


◎函館市長選、自主投票に 民主道8区が正式決定

 民主党道8区総支部(逢坂誠二代表)は、4月の函館市長選への対応について、自主投票とすることを正式に決めた。民主党が函館市長選で自主投票とするのは1998年の結党以来初めて。

 市長選には現職の西尾正範氏(62)と前副市長の工藤寿樹氏(61)の2人が立候補を表明。工藤氏からは民主党に推薦依頼があったが、15日までに工藤氏側に同総支部が常任幹事会で決定した方針を伝えた。

 同総支部は「主体的な選挙ができないことには責任を感じる。両候補の政策で党と共有できる部分が多く、いずれか一方に絞り切れなかった」と説明。独自候補の擁立も断念し、党員・サポーターの自主的な支援や支持などを認めるという。(森健太郎)