2011年2月22日 (火) 掲載

◎フクジュソウ早くも咲く

 函館市富岡町1の廣瀬等さん(70)宅の玄関前で、早くもフクジュソウ(福寿草)が咲き始めた。廣瀬さんは「15年間花を咲かせるが、こんなに早いのは初めて」と驚いている。

 廣瀬さんは15年前に家を建てた時、玄関前の花壇にフクジュソウを植えた。今年は1月に雪が多かったが、日差しを受ける場所のため最近は雪解けが進み、2月21日に枯れ葉の下で黄金色の花が輝く姿が気付いたという。フクジュソウはキンポウゲ科の多年草で、花は福を招き縁起が良いとされる。

 函館でも春の訪れを告げる花の代表格。この日は高気圧に覆われて気温が上がり、道南は3月中〜下旬の暖かさとなった。函館海洋気象台によると、最高気温は函館5.2度、北斗4.6度、木古内、長万部、八雲町八雲4.5度となった。気温の高い日は25日ごろまで続くという。(山崎純一)



◎市民体育館整備 総事業費35億円…市議会総務常任委

 函館市教委は21日、市民体育館整備基本計画の素案となる中間報告書を、市議会総務常任委員会(浜野幸子委員長)に提示した。総事業費は合併特例債を活用して約35億円と試算、湯川1の現在地でメーンアリーナの新設するとともに、300台を収容する2階建ての立体駐車場を整備する。基本計画の策定に向け、今年7月から基本設計のプロポーザル(提案型公募)を実施する考えで、2015年度の供用開始を目指す。

 市民体育館の整備は、昨年6月にまとめた整備基本構想で、メーンアリーナを新設し、現在の施設を改修し、サブアリーナとして残す方針が示されている。

 中間報告では整備の基本方針として@行うスポーツの環境整備A見るスポーツの機会充実B交流拠点の機能充実―を掲げており、メーンアリーナの広さはバスケットボールのコート3面が取れる約2400平方メートル(61メートル×40メートル)とする考え。天井の高さは12.5メートルを確保し、バレーボール大会開催に対応する。建物にはこのほか、多目的会議室などを整備する。

 立体駐車場は2層3段の構造とし、300台を収容。入口を2カ所、出口を3カ所設置するほか、車の滞留スペースも設ける。

 また現在の施設は「今後30年程度は使用が可能」として、現アリーナの床や壁を全面リニューアルするほか、照明の自動昇降装置を新たに設置。これに加え、現在の第1体育室を武道場として改修する。

 委員会では小野沢猛史氏(市民クラブ)が「プロポーザルの実施経費が新年度予算案に盛り込まれていない」と指摘。妹尾正白市教委生涯学習部長は「(市長選を経た後の)6月の補正予算で対応したい」と述べた。

 また北原善通氏(同)は「バスの駐車場スペースがない」と批判。同部長は「大規模な大会やイベント時には公共交通機関の利用をお願いする」とした上で、「競輪場や競馬場の駐車場を借りながら、シャトルバスを運行する方法があり、今後検討したい」とした。 (千葉卓陽)



◎私立8校で合格発表

 函館市内の私立高校8校は21日、2011年度入試合格発表を行った。平日のため受験生本人の姿はほとんどなく、発表時間の午前10時に合わせて受験生の保護者や学習塾の講師らが来校。掲示が行われると、一斉に受験番号などを確認していた。

 函館白百合学園高校では、同校生徒玄関前に合格者の番号や名前が書かれた掲示板を設置。発表時間になると待ちわびた保護者らが駆け寄り、顔を近づけて素早く確認した。名前を見つけると「あった、よかった」と安堵の表情。携帯電話で報告したり、記念に写真を撮ったりしていた。

 同校を受験した姪の代わりに訪れた函館市の40代女性は「名前があって一安心。公立高受験があるので、まだ気を抜くことはできないが、受かってよかった」と笑顔。一方、名簿を片手に合否の確認をしていた市内学習塾の講師は「結果はほぼ予想通り。合格した子も、今回は残念な結果に終わった子も、公立高受験に向けて気持ちを切り替え、最後まで頑張ってほしい」と話していた。(堀内法子)


◎「ヴィラ・コンコルディア」北海道地区…楽天トラベルアンケート

 函館市末広町のホテル「ヴィラ・コンコルディア リゾート&スパ」は、インターネットの楽天トラベルアワード2010で、北海道地区プレミアム部門の最高賞となるお客さまアンケート大賞を受賞した。利用客からのアンケートで、北海道・東北では1位の、全国でも3位の評価を得た。同社の小坂雅敏社長は「外部からの評価を得たことで、従業員一同取り組んできたことが正しかったと確認できた」と喜んでいる。

 インターネットの予約サイト、楽天トラベルを利用して予約、宿泊した客のアンケート結果に基づいて評価された。17日に同社の岡武公士社長から記念の盾が贈られた。

 同ホテルは南部坂に面しており09年4月にオープンした。10室の客室は各44〜120平方bと広めに設定し、全室バリアフリー、真空管アンプこだわったオーディオセットを置く。このほかの設備はエステを提供するスパやレストランなど。建物はデザイン性の高さなどから09年度の函館市都市景観賞を受賞している。

 アンケートの評価では、サービスや部屋、設備・アメニティ、食事の面が特に高い評価を受けた。開業以来、顧客の声を取り入れたサービスをモットーとしており、小坂社長は「真摯に受け止め少しずつ改良したことが高い評価につながった」とする。

 今後の展開としては女性を対象としたプランを「女子会プラン」としてさらに充実させるなど、女性客の獲得に力を入れるという。(小泉まや)


◎函館空港で強毒性新型インフル対策訓練

 函館市高松町の函館空港で21日、強毒性新型インフル(H5N1)対策訓練が行われた。患者発生から検疫措置、関係機関への連絡、病院搬送までと万一に備え、一連の対応を実践で確認した。

 小樽検疫所函館空港出張所の検疫強化で、函館空港関係者、渡島総合振興局(渡島保健所)や市立函館保健所、市立函館病院、道警など17機関から計38人が参加。これまでも関係機関による対策訓練はあったが、同出張所での合同・実践形式は初めて。

 訓練は、鳥インフルの人への感染が確認された国を乗り継いで帰国した乗客1人(有症者)と、その接触者5人に症状の疑いがあると想定。防護服姿の医師と検疫官が問診し、簡易検査で有症者に陽性反応が出たとし、渡島保健所に連絡して搬送車両を手配した。

 搬送車両は30分ほどで空港に到着し、駐機場に入り、検疫エリア近くに横付けして、ウイルスが外部にもれない「陰圧カプセル」で有症者を市立函館病院へ運んだ。

 小樽検疫所の小齋隆雄検疫官は「後日、参加機関で会議を持ち、この訓練内容を分析し、万一に備えたい」と話していた。

 鳥インフルは感染した鳥との濃密な接触など特殊な場合以外は人間に感染しないと考えられており、道では「鳥の排泄物などに触れた際は、うがいや手洗いを。死んだり、衰弱している鳥を見つけた時には素手で触らないように」と注意を呼び掛けている。(田中陽介)