2011年2月23日 (水) 掲載

◎浜のかあさん料理コンテスト 長万部漁協最優秀賞

 渡島管内の漁協女性部が自慢の味を競う、第4回「浜のかあさん料理コンテスト」が22日、函館国際ホテルで開かれた。海を知り尽くした主婦たちがホタテやイカ、コンブなどを使った創作料理を披露し、審査の結果、長万部漁協女性部(小形恵子部長)の「帆立のそぼろご飯」が最優秀賞に輝いた。

 地産地消に向けた取り組みの一環として、渡島総合振興局と渡島地区漁協女性部連絡協議会(小林佳子会長)が共催。レシピは学校給食やホテルメニューへの導入、商品化などの参考となり、昨年の最優秀作「ホタテの昆布巾着(きんちゃく)」(砂原漁協女性部)は今春に商品化される予定。

 今回は7漁協が計9品を提案。審査は一般公募3人を含む12人が当たり、味や盛り付け、地域性などをチェックした。

 最優秀賞の「帆立のそぼろご飯」はホタテ稚貝の貝柱をほぐし、タケノコやシイタケと合わせた一品。長万部名物「カニめし」をモチーフにし、ホタテのうまみを引き出した味が高評価を得た。審査委員長の能戸秀康・函館調理師養成専門学校校長は「例年よりレベルの高いコンテストになった」と講評した。

 長万部女性部の小形部長(50)は「ホタテの甘煮はくどく感じる場合もあるので心配だった。最優秀賞を取れてうれしい」、考案した小形文子さん(54)は「育った貝柱で作ったり、試行錯誤を重ねた。手軽にできる料理だったことが良かったと思う」と笑顔で話していた。

 優秀賞は次の通り。

 ▽イカの鹿子三色巻き(松前さくら)▽スケソシャキシャキ揚げ(砂原)▽サケの笹寿し(落部) (千葉卓陽)



◎閉店した魚長花園店跡に函太郎サムズと焼肉番長 来月末オープン

 閉店で空き店舗となっていたスーパー魚長花園店跡(函館市花園町9)で3月下旬、回転すし店の「函太郎ジュニア サムズ」(吉仙、山中秀男社長)と「本格炭火焼バイキング 焼肉番長」(ジー・プラネット信州、古村卓実社長)が営業を開始する。両店ともこれまで店舗のなかった地域への進出で、住宅の多い立地からファミリー層の取り込みを期待する。

 吉仙は函館市内を拠点に東北などで、高級路線の回転すし店「グルメ回転すし 函太郎」を主力にイタリアン料理店など幅広く展開する。サムズの形態では、料金を1皿110円と同社のなかでは安価に設定しており、現在は函館市桔梗町の函館新道沿いに1店舗のみだった。

 サムズ花園店は3月31日にオープンする予定で、160円の皿もメニューに加える。「市内の低価格帯回転すし店では最大規模」とする186席を設け、タッチパネルによる注文受け付けや、自動で客の元に商品を運ぶ「特急レーン」を同社では初めて導入。「桔梗のサムズが順調に売り上げを伸ばしており、低価格帯のすしも需要があると判断した」とする。

 同社は2月中旬にも、宇賀浦町にあったラーメン店をかつ丼店「かつきち」に業態変更したばかり。かつ丼を専門的に扱う店舗は同社初で、「函館でのつけ麺文化の定着度はまだまだ。日本の食べ物として一般的なかつ丼で、幅広い層や会議需要などを見込んでいる」とする。

 同社の年商は約25億円。今後は秋田県大館市に店舗を増やす計画で、5月下旬の開店を予定する。

 ジー・プラネット信州は長野県塩尻市を拠点に、精肉や総菜販売など15店を展開する。外食事業では同市亀田港町の番長が初めての試みだったが、1店舗目が軌道に乗り、市内でも人口の多い日吉や本通、湯川方面のファミリー層を取りこみたい考えだ。

 同社の古村社長は「『食べておいしい、たのしい』をテーマにしている」とし、家族で食を総合的に楽しんでほしいという姿勢を持つ。亀田本町の店舗には子どもが遊べる「キッズルーム」を設置しているが、花園店ではこれを3倍の広さに。席数は284席を確保し、メニューやシステムは現店舗と同じ(大人は平日ランチが980円、ディナーは1980円)。提供する品数は常時80ほどを用意する。

 オープンする3月26日には通常は置かない和牛を提供しする予定。同社の年商は約18億円。古村社長は「来年は札幌進出を考えている。肉質やアイテム数などで勝負したい」とする。(小泉まや)



◎若年性認知症に理解を 実体験紹介し研修

 【七飯】若年性認知症について理解を深める研修会が22日夜、七飯町保健センターで開かれた。埼玉県川口市在住で、若年性認知症と診断された佐藤雅彦さん(56)が実体験を語り、認知症に対する支援の在り方について提起した。

 函館市内、近隣の介護職らでつくる「安心して暮らせる福祉のまちづくり研究会」(細田政裕会長)が主催した研修会で、介護職員や近隣住民ら約80人が聴講した。

 佐藤さんは、1999年ごろから記憶や行動に支障をきたすようになり、2005年にアルツハイマー病と診断され、06年勤務先の会社を退職した。現在、若年性認知症であることを公にし、講演会活動などを通して若年性認知症に対する理解を訴えている。

 研修会で佐藤さんは認知症にいたるまでの経緯や疾患によって失った機能、能力を説明し「方向感覚が失われ、新しい場所に1人で行けなくなった。同時に2つのことができなくなり、普通の人なら意識しないでできることを意識しないとできなくなった」と語った。

 一方で、佐藤さんはパソコンを使ったメールやスケジュール管理などができ、「認知症だから何もできないということはない。残された機能に目を向けた支援を」と訴えた。

 前日の21日には、七飯町の職員を対象とした、同様の研修会が開かれた。(鈴木 潤)


◎市水道経営審 谷地頭温泉売却に慎重論

 本年度の第2回函館市上下水道事業等経営審議会(三浦汀介会長)が22日、市水道局(末広町)で開かれた。新年度の会計予算案などを議論し、民営化に向けて売却を検討している谷地頭温泉について委員から慎重な意見が相次いだ。また、新年度から水道料金の徴収や停水業務などを第一環境(東京)に包括委託することも明らかにした。

 新年度予算では、水道料金収入の減少や谷地頭温泉の収入減などが響き、財源不足額が水道事業で1・8億円、温泉事業で2000万円に上ることを報告。特に谷地頭温泉の利用客数は本年度に比べ10・7%減の36万1460人となる見込みを示した。

 谷地頭温泉について委員からは「内部努力で何とかなるのか」「指定管理者が収益を上げる努力が足りないのでは」との意見が出され、経営審で議論を深める必要があるとの認識で一致。同局は「民間の温泉施設との競合が大きいが、民業圧迫にならない配慮も必要で、売却も含めて検討している」と述べた。

 このほか、新年度からは水道料金の徴収や滞納整理などの業務を水道サービス業大手の第一環境に包括的に委託することも報告。現行の徴収管理課の職員を10人から5人に削減し、地元採用を含めて同社の社員18人程度が窓口対応や料金徴収、給水停止業務などを一括で請け負い、コスト削減や収納率の向上を目指す。(森健太郎)