2011年2月24日 (木) 掲載

◎セラピアが「奉行所クッキー」販売

 函館市亀田町20の障がい者就労継続支援A型事業所のNPO法人セラピア(平田聡理事長)は「おかえり奉行所クッキー」を販売している。化粧箱は昨年7月に復元された箱館奉行所をモチーフにしており、平田理事長は「購入者からはデザインがかわいいと好評」と話している。

 同事業所の利用者8人が製造し、販売していた和(なごみ)クッキー(20グラム100円)の形が五角形で国の特別史跡五稜郭跡に似ていたことと、昨年7月に箱館奉行所がオープンしたことから、平田理事長が考案。化粧箱のデザインを市内の業者に依頼し、6カ月かけて完成した。

 クッキーはバターやサラダ油を使わずみそ仕立てでまろやかな味わい。グラデーションの屋根瓦などを忠実に再現した箱は、携帯電話入れとしても活用できるよう、屋根の部分に点線で切り抜きができる仕掛けとなっている。平田理事長は「クッキーは五角形だけでなく桜の形をしたものもあり、季節感も楽しんでもらえれば」と期待を寄せる。現在、亀田町の同法人のほか、大手町の函館国際ホテルでも販売している。60グラム入り525円で販売中。(黒田 寛)



◎函館市、新年度から「健口教室」

 函館市は新年度から、40歳以上の市民を対象とした「健口(けんこう)教室」を開く方針だ。働き盛りの世代をターゲットに、健康な歯を持つことの大切さを指導するとともに、口の中を清潔に保つことが長寿へとつながることを周知し、市民の健康増進につなげたい考えだ。

 市は2009年度に、65歳以上の高齢者を対象とした道の介護予防モデル事業「元気歯つらつ教室」を4回開催。早口言葉や口角を動かす健口体操など口腔機能の老化を防ぐ取り組みを展開し、参加者から好評だった。一方で、市内小学校の児童らを市総合保健センターに招き、歯磨きなど口腔ケア意識の向上を図る「歯の学校」を実施。10年10月末までに延べ111学級23校が参加している。

 「健口教室」は、道のモデル事業や「歯の学校」での成果を高め、中高年に健康な歯を持つことの大切さを伝える狙い。函館歯科医師会の歯科医や歯科衛生士が指導にあたり、カリキュラムでは、かむ力の衰えや、唾液量の減少などを防ぐための座学のほか、歯磨きの実習などを行い、成人に多い歯周病の予防にも力を入れる。

 新年度予算で関係経費約30万円を計上しており、市総合保健センター内の口腔保健センターで平日午後に開催する考え。同保健所健康づくり推進室は「食べ物をよくかめることが食事を楽しむことにつながり、健康に大きく影響を与えることを知ってほしい」と話し、大勢の参加を期待している。(黒田 寛)



◎雪解け進む、江差9.5度、函館8.2度

 23日の本道は高気圧に覆われ、道南は午前中から晴れ間が広がり、3月中旬〜4月上旬並みの暖かさとなった。函館海洋気象台によると各地の最高気温は、江差9・5度、八雲町熊石8・8度、奥尻町米岡8・7度、函館と厚沢部町鶉8・2度、松前8・1度で、いずれも今年最高の高さとなった。

 道路などで雪解けが進む中、函館市内の五稜郭公園では、通路に大きな水たまりができたり、残っている雪も柔らかくなり、訪れた観光客らにとっては歩きにくい状況となった。岐阜県各務原市から訪れた会社員、本石聡さん(33)は「寒くないのは助かるが、足元はまるで海岸の砂浜を歩いているように重いですね」と話していた。

 同気象台によると24日は暖かい空気が入りやすくなり、渡島、桧山とも最高気温は9度まで上がるとしている。25日は寒気の影響を受け、ともに雪となる見込み。(山崎純一)


◎駒ケ岳火山防災講演会、噴火予知の現状紹介

 【鹿部】駒ケ岳火山防災会議協議会(事務局・森町)は23日、鹿部町中央公民館で北海道駒ケ岳火山防災講演会を開いた。北大大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターの橋本武志准教授を講師に、活発な火山活動を繰り返す九州の霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)の話題を交えながら火山噴火のメカニズムを学んだ。

 橋本准教授は、周期的に噴火を繰り返したり、顕著な地震活動がある活火山は、噴火の予測がしやすいと指摘し、「現在の噴火予知は経験則によるところが大きい」と述べた。新燃岳は2010年1月からの1年間に周辺で山の膨張を示唆する地殻変動があったが、「普通ではないことが起こっていたことは分かっても、噴火に直結するかを判断するのは難しい」と話し、噴火の形態や規模まで明確に予測することは困難であるとした。

 さらに、火山の内部を宇宙線で透視する最新の観測方法や地磁気を利用した火山の観測方法などを紹介。地震や地盤変動などの観測データとマグマの状態を詳しく知ることを合わせ、高度な火山予知が可能になるとし、「経験則に頼らない研究は発展途上だが、21世紀は高度な噴火予知の実力が試される100年になる」と述べた。

 また、駒ケ岳の現状について、「最近は極めて静穏な状態が続いている。地震の頻度も少なく、地磁気にも異常は見られない」として、小康状態が続いていると述べた。(今井正一)