2011年2月25日 (金) 掲載

◎「上磯湯」でキアゲハ羽化

 【北斗】飯生2で銭湯「上磯湯」を営む野田征一さん(69)方でキアゲハ1羽が羽化して、家族を驚かせている。室内のフード内で越冬したサナギが成長したものとみられ、妻の輝子さん(66)は「暖かくなってきたので、目が覚めたのでしょうね。とてもきれいでかわいらしい」と、春の使者の来訪を喜んでいる。

 輝子さんがキアゲハに気付いたのは23日夜。昨年秋には庭先に置いていたミカンの木に幼虫が何十匹もいたが、サナギの存在は知らなかったという。輝子さんは「最初のうちは気持ち悪かった。冬になる前にみんな旅立っていったと思っていたのに」と驚く。

 野田さん方では、銭湯用のお湯を利用した暖房を使用しているため、営業時間後の夜間も室内は暖かく、ここ数日の陽気と合わせて、サナギが羽化したとみられる。

 キアゲハはプランターに植えたアオイの花に止まっている時間が多く、野田さん一家をなごませている。輝子さんは「近所の人にいただいたフキノトウと合わせて、春が近づいているなあと感じます」と話していた。(今井正一)



◎「幼稚園に来て」…ご当地キャラのトーパスちゃんに「ラブレター」

 戸井はマグロだけではない―。函館市戸井地区の名産、タコが題材のキャラクター「トーパスちゃん」に、年賀状が届いた。差出人は不明だが、戸井幼稚園に来てもらいたいという内容で、関係機関が話し合い、3月にトーパスちゃんが訪問することを決めた。戸井の人気者が、温かなラブレターに応える。

 年賀状は2月17日の消印であて先に「はこだて しやくしょ トーパスちゃん」とあった。裏面には「トーパスちゃんにあいたいです といようちえんにきてね だいすき トーパスちゃん」―。函館市役所本庁舎(東雲町)を経由し、すぐ戸井支所に届いた。

 戸井支所は戸井教育事務所を通じて、戸井幼稚園(園児43人)に連絡し、トーパスちゃんと園児の交流を設けることにした。

 トーパスちゃんは、旧戸井町の開基120年・町制施行20周年の1988年に誕生。交通安全の旗に登場するほか、着ぐるみは各種イベントに“ひっぱりだこ”だ。

 戸井支所地域振興課は「トーパスちゃんの活用で大いにまちを盛り上げたい」としている。(田中陽介)



◎農水省職員がTPPの影響解説…農業委員会研修会

 函館市農業委員会(坂爪庄一会長)の研修会が24日、ロワジールホテル函館(若松町)で開かれ、農林水産省大臣官房政策課課長補佐の布施吉章氏が、政府が交渉参加を検討しているTPP(環太平洋経済連携協定)について講演した。

 布施氏は「日本農業をめぐる国際情勢について」と題し、政府が進めるTPP交渉の経緯や現状、参加した場合の影響などを解説。道南でも大規模集会が開かれるなど反対姿勢が強まる中、地元の農業関係者ら約70人が興味深げに聞き入った。

 布施氏は「現時点ではTPP交渉に参加しているわけではなく、情報収集や関係国と協議している段階」と前置きしたうえで、「参加した場合は特定の品目を除外した形での交渉参加は認められない可能性が高い」と指摘。原則10年以内の関税撤廃についても「除外は極めて限定的」と述べた。

 また、TPPに参加した場合の各省の影響試算を紹介。実質GDPは2・4〜3・2兆円増加する一方、農林水産業の生産額は4・5兆円減少し、食料自給率は現在の40%から13%に減少するというデータを示し、「農業の持つ価値を消費者や他産業にも伝えていくことが大切」と訴えた。

 質疑応答では参加者から今後の農業政策を懸念する声が相次ぎ、布施氏は「TPP参加で価格が安い方に引きづられる可能性はあるが、農産品は品質で差別化し、産地をブランド化できるかどうかで解決できるはず」と語り、「安心・安全」を伸ばす農業を奨励した。(森健太郎)


◎投票事務に高校生採用…北斗市選管

 【北斗】市選挙管理委員会は4月の道知事選・道議選と市議選の投票所事務作業に、市内の高校生を初めて採用する。若年層の投票率が低迷する中で、未来の有権者に参政権の重要性を認識してもらう狙い。函館水産、上磯、大野農業の3校の協力を得て、市内35カ所に設置予定の投票所に配置する。

 合併後に行われた各選挙で投票率が70%を超えたのは、2009年の衆院選のみ。昨年7月の参院選は56.60%で、20代に限れば、32.2%、30代では44.7%と低迷した。このほかの選挙でも20代は3割前後で、他の自治体と同様に若年層ほど棄権する傾向にある。

 今回、高校生には投票所で入場券の確認作業などを行ってもらう予定。高校生に選挙事務を通じて投票行動の大切さを認識してもらい、さらには家族との会話に選挙の話題が上り、全体の関心が高まることを期待する。

 市選管は「統一地方選に向けて、投票率向上を図るために期日前投票の浸透、街頭啓発活動や防災無線を活用して市民に棄権防止を呼び掛けたい」としている。(今井正一)


◎函館観光PR「好感触」…中国訪問団が帰国

 中国からの観光客誘致に向け、北京や上海で函館観光をPRしてきた「中国観光客誘致訪問団」(団長・松本栄一函館商工会議所会頭)が24日夜、5日間の日程を終えて函館に戻った。

 函館市や経済界、観光団体の代表らでつくる一行は、現地の航空会社を訪問したほか、地元大手の旅行会社10社を集めた懇親会を開催。中国で認知度の低い観光都市・函館の魅力や、チャーター便の運航などを要請した。

 松本団長は函館空港で取材に応じ、「チャーター便に関しては機材のし尿処理や空港の運用時間など具体的な話もでき、函館への送客に好感触を得られた」と強調。上海では中国国際航空の役員が函館の観光大使を引き受けることを承諾したことも明らかにした。

 また、現地の旅行代理店や航空会社は羽田を経由した函館へのツアーの企画や、チャーター便の就航に前向きな姿勢を示したという。副団長を務めた谷沢広副市長も「初めて訪れた北京や、富裕層の多い上海で人脈をつくれたことは大きな前進。トップセールスを継続することで観光都市・函館の名をさらに広めたい」と語った。(森健太郎)