2011年2月26日 (土) 掲載

◎間引きコンブ 春風にゆらめく

 函館市恵山地区で、間引きした養殖マコンブの天日干しが行われている。潮風と陽光を受けて輝き、「『春が来たよ』と手を振って知らせているようだ。順調に育てよ」と漁師の表情も明るい。

 JFえさん山背泊(やませどまり)支所では、40軒ほどが養殖コンブ漁に取り組む。間引き作業は始まったばかりで、3月に最盛期を迎える。間引きコンブは柔らかく、磯の風味も抜群で、おでんや煮物、天ぷら料理などに重宝されている。

 関東で春一番を観測した25日、恵山地区でも朝から強い風が吹き、コンブの乾燥が進んだ。山背泊漁港近く、古武井町の菅野俊治さん(83)は「風が強すぎて、ねっぱる(くっつく)のをはがすのが大変だ」と話し、「浜で仕事をしていればいつも元気ばりばり。まだ若いから踏ん張って、いいコンブをとるよ」と笑顔を見せていた。(田中陽介)



◎市役所本庁舎 夜間開庁の利用低調

 函館市が昨年10月から試行している、市役所本庁舎窓口業務の夜間利用が伸び悩んでいる。これまで計8日行った夜間開庁の利用は306件(1日平均38・3件)で、当初3月までとしていた夜間開庁を9月まで延長することを決めた。転入・転出が増える年度替わりの時期にも2日間、夜間開庁を行う。

 共働き世代や単身者など、開庁時間内に来庁しにくい市民にも利用しやすい窓口業務を検討する一環として、昨年10月から休祝日を除く毎月第2、4木曜日に、午後7時までに開庁時間を延長。主に市民生活に密接にかかわる窓口を開いている。

 これまで計8日行った結果、最も利用が多かったのは10月28日の59件で、最少は1月13日の23件。年末年始にかけては1日ごとに件数が減少しており、市行政改革課は「年末の多忙な時期に差し掛かったため」とみている。

 これらの状況を踏まえ、夜間開庁を9月まで延長するほか、年度替わりの時期に転入・転出の需要が増えるとみて、3月31日と4月7日にも午後7時まで延長する。

 市はこの時間帯の来庁者に利用頻度や意向などについてのアンケート調査を継続しており、同課は「どんな場面で需要が大きいのか、年間を通じて検証したい」と話している。

 開庁する窓口は次の通り(カッコ内は業務内容)。

 ▽戸籍住民課(転入届、転出届、転居届、印鑑登録申請、戸籍に関係する届の受け付け、住民票の写し、戸籍証明書、印鑑登録証明書、外国人登録記載事項証明書、転入学指定書、出稼ぎ労働者手帳、母子健康手帳の各交付)

 ▽国保年金課(国民健康保険の加入・喪失手続き、納付など、国民年金の転入手続き、免除申請など)

 ▽医療助成課(後期高齢者医療制度に関する手続き、重度心身障害者、ひとり親家庭、子ども医療費の助成に関する手続き)

 ▽介護高齢福祉課(介護保険被保険者証の交付)

 ▽障害福祉課(身体障害者手帳、療育手帳の住所変更などにかかる手続き)

 ▽子ども未来室子育て支援課(子ども手当、児童扶養手当届け出の受け付け)

 (千葉卓陽)

 



◎市電で「動く広告」いかが 放映企業を募集

 函館市交通局は、市電の車内に設置してある液晶モニターで放映する広告を募集している。運行する市電内で2分半ごとに15秒間流れる仕組みで、同交通局は「1日1万6000人の乗客の目に一度は留まるはず。企業のコマーシャルやイベントのPRなどに活用してほしい」と売り込んでいる。

 車内の液晶広告は2009年12月から開始。これまでは広告代理店を通じた1年契約だったが、スポンサーの契約満了に伴い空きが出たため、同交通局が直接販売することを決めた。年間で約100万円の広告収益が見込める「貴重な収入源」(運輸課)という。

 液晶モニターは19インチで、湯の川寄りの運転席の背面に1台ある。音声は出ず、動画、静止画は問わない。運行する車両は15両で「少なくとも2電停に1回は放映される」(同)という。掲載は1カ月単位で、月2万1000円。表示するデータは原則、広告主に製作してもらう。

 現在3枠分の空きがあり、2月末でもう1枠分の空きが出るという。同課は「中刷りに比べて印刷費がかからないため、広告費用を抑えられるはず。画像に動きがある分、利用客の注目度は高い」とPRしている。問い合わせは同課営業担当TEL0138・32・1730。(森健太郎)


◎「学ぶ場 与えたい」無料学習塾森田さん数学コース新設へ

 函館市内で無料の学習塾を開く市民団体「母子家庭教育支援協議会」(森田実代表)は3月から、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で数学特別進級クラス(毎週土曜日午後6時)を開講する。最近の受験傾向に合わせての設置で、利用を呼び掛けている。

 無料の学習塾は2007年5月に開講し、現在は小学生から中学生まで約200人が在籍。資料代として月額200円のみかかる。授業は同センターと市亀田青少年会館(亀田本町)の2カ所で行い、森田代表(67)をはじめ、市の職員や元教師などがボランティアで指導にあたる。

 森田代表は定年を機に東京から函館に移住。社会貢献のために何かしたいと考えた時、函館の離婚率の高さ、母子家庭数の多さに驚き、開講を決めた。「経済的に恵まれなくても、努力すれば伸びる。学ぶチャンスを与えたい」と話す。

 英検特別クラスでは、学年に関係なく個人のレベルに合わせた授業を行ってきた。今春卒業する生徒の中には中学3年生で大学受験英語を学んでいた生徒もいるという。近年、高専や工業高校の進学希望者が増加傾向にあり、専門的な授業にも関わる数学で苦労しないよう、数学特別進級クラスを設置。同クラスでも個別の力量に合わせて学習を進める。講師は函館工業高等専門学校講師の松山和雄さん。

 同クラスの受講対象は大学・高校・中学受験希望者や情報科学分野に就職を希望する人(母子家庭でなくても受講可)。このクラスのみ資料代月額500円。問い合わせは森田代表TEL090・2767・5586。(堀内法子)